飲料・食品メーカーのポッカサッポロフード&ビバレッジ名古屋市中区)が販売する「ポッカコーヒーオリジナル」が5月、発売50周年を迎えました。同商品は、1972年5月の発売以来、累計91億5000万本以上(2022年4月時点)を売り上げており、缶に描かれた男性のキャラクターが印象的です。

 ところで、歴代の商品パッケージを見ると、男性の顔のデザインが年々変わっていることが分かります。男性の顔は、どのように変わっていったのでしょうか。

時代に応じた男性像を反映

ポッカコーヒーオリジナル」は、「冷やしたり温めたりできる缶コーヒーをつくる」という、旧ポッカコーポレーション創業者の谷田利景氏のアイデアをもとに誕生した商品で、1973年には世界で初めて冷温式の自動販売機を電機メーカーと共同開発、売り上げが飛躍的に伸びました。田中邦衛さんやビートたけしさん、柴田恭兵さんなど有名人のCMでも話題になりました。

 発売当初は「ポッカコーヒー」という商品名でしたが、その後、1999年に「ポッカコーヒーオリジナル」、2004年に「ポッカコーヒーニューオリジナル」という商品名にそれぞれ変更されました。2006年からは再び「ポッカコーヒーオリジナル」として販売されています。

 同社の広報担当者に聞きました。

Q.男性のキャラクターのモデルとなった人はいますか。

担当者「『こういう男性に飲んでほしい』という思いも込めたデザインで、モデルは特にいません」

Q.キャラクターのデザインは、どのような基準で変えていったのでしょうか。

担当者「男性の顔をキャラクターに採用したのは1973年です。1980~1990年代は、当時の一般的な男性像をイメージしてデザインを変更してきました。2000年以降は、1990年代に多くのお客さまに認知されたデザインを継承しながら、刷新してきました。現在のデザインは2019年からで、14代目に当たります」

Q.具体的には、顔のどの部分を変えていったのでしょうか。また、男性の顔は2006年に小さくなりましたが、その後、2019年に、2004年以前のデザインと同程度のサイズに戻りました。その狙いは。

担当者「採用当初の1973年は、先端がカールした長いもみあげが特徴です。1980年代1990年代では、その当時の男性をイメージしてデザインを変更しており、1987年には、もみあげを短くカット。1992年には短髪にし、表情を変化させたほか、前バージョンより、口元やあごのラインをすっきりとさせました。

2019年に、ポッカコーヒーの象徴とも言える『顔』を押し出しながら、長年、愛飲いただいているお客さま、また新規のお客さまにも受け入れていただけるデザインに変更しました」

Q.デザインの変遷について、消費者からはどのような意見が寄せられているのでしょうか。

担当者「当時のデザインをご存じのお客さまからは『懐かしい』などのコメントを頂くことがございます」

Q.今後、デザインを変更する予定は。

担当者「今のところ未定です」

 SNS上では、「ポッカコーヒーは、柴田恭兵さんのイメージ」「ポッカコーヒーを見ると、昔のCMを思い出す」などの声が多く寄せられており、長年親しまれている商品であることがよく分かります。今後、商品のデザインはどう変わっていくのでしょうか。

オトナンサー編集部

1973年(左)と現在(右)の商品(ポッカサッポロフード&ビバレッジ提供)