今やすっかりおなじみとなった「エナジードリンク」。カフェインアミノ酸ビタミンなどの成分が入った炭酸飲料で、コンビニにも専用のコーナーが設けられており、10~30代の若い男性を中心に人気を集めています。筆者も愛飲していて、気合いが必要なときのお供に重宝しています。しかし、中には、エナジードリンクに対して苦手意識を持っており、飲みたくないという人もいます。そうした人たちの声を集めてみました。

飲む前後で「元気」「ぐったり」が極端

 エナジードリンクを飲まない人には、大きく分けて、「飲みたくない・興味がない」あるいは、「興味はあるけど飲む勇気が出ない」の2パターンがあるようです。まずは前者から。

「同僚が毎日1本必ず飲んでいます。いつも午後2~3時ごろに飲むのですが、飲み終えるとキーボードを威勢よくタイピングする音が聞こえてくるなど、急に元気になって働き始めます。

そのまま終業時間まで元気に仕事をしていますが、たまに退勤1時間ほど前から、ぐったりしていることがあります。本人は『今日はもうダメだ…』と言い、周りは『(エナジードリンクの)効果が切れたか?』と彼を軽くからかうネタにしています。

この一連の経緯を毎日のように見ていると、エナジードリンクは効き目もその後の反動も極端で、『本来なら摂取してはいけない化学物質か何かが含まれているのでは?』とも思えて、怖くて手が出せません」(33歳男性)

 エナジードリンク摂取の効果は個人差があるでしょうが、薬などの効果が思い込みだけで増減するプラセボ効果というものも、人間にはあります。この同僚にもプラセボ効果がいくらか見て取れますが、第三者の目には「エナジードリンクはこんなに効く」と映っても不思議ではありません。一方で、効き過ぎるように見えて、危険性を感じる人もいるのでしょう。

 こんな声もあります。

「体がおかしくなっちゃうんじゃないかっていう不安があります。海外で、エナジードリンクをたくさん飲んで亡くなったという話とか聞くじゃないですか…」(31歳女性)

 この手の情報の真偽は定かではありませんが、中には「大きな話題になったものの結局デマだった」というケースもあります。いずれにせよ、エナジードリンクの登場は日本の消費者にとってセンセーショナルなものだったということでしょう。

 また、自称“栄養ドリンクマニア”の男性は、このように話していました。

「元気を出したいときは、昔から栄養ドリンクに限ります。エナジードリンクは、栄養ドリンクと違い、成分とその配合量の表示が義務付けられていないので、“栄養ドリンクマニア”としては、エナジードリンクが少しうさんくさく感じられてしまうのです。

個人的な感想ですが、栄養ドリンクは少量で効果がギュッと凝縮されているイメージで、エナジードリンクは量が多いので効果が薄められているイメージです。ですので、効果をより強く感じられそうな栄養ドリンクを飲みたいと思うわけです」(36歳男性)

 栄養ドリンクは、「医薬品または医薬部外品」であり、エナジードリンクは「清涼飲料水」です。配合量表示義務は、こうした違いで生じます。どちらも元気を出したいときに飲むものですが、詳細に見ていくと幾つもの大きな違いがあることが分かります栄養ドリンク愛好家にとってエナジードリンクは、似て非なるものなのかもしれません。

「男性の飲み物」という印象で敬遠

 では、「興味はあるけど飲む勇気が出ない」人はどのように感じているのでしょうか。

「周りの人たちは当たり前のように飲んでいて、最近はコンビニで見かける種類も増えていますし、缶のデザインカラフルでなんだかワクワクするし、だいぶ前からずっと気になってはいます。でも、依存してしまいそうで怖いです。『依存した挙げ句、エナジードリンクなしでは元気が出ない体になったら嫌だな』と考えています」(39歳男性)

 エナジードリンクが世の中に浸透するほど、それを目にする機会も増えました。“怖くて手が出ないけど、ずっと気になっている人”は、なかなか悶々(もんもん)とさせられそうな状況です。

「一度、知り合いが飲んでいるのを味見させてもらったら、そのおいしさに驚きました。ただ、ひと口飲んだだけなのですが、その後、エナジードリンクに含まれるカフェインの利尿作用なのか、何度もトイレに行き『効果が強すぎるのでは?』と感じました。

ひと口であれほどの効果が得られる飲み物を、1缶飲み切ったら一体どうなってしまうのか…という恐れと、『またあの味を味わいたい』という誘惑のはざまで葛藤しています」(27歳男性)

 女性ならではの迷いを抱える人もいるようです。

エナジードリンクは、『男性の飲み物』というイメージが強く、隠れて飲んでも匂いが強いので、女性の私には飲みにくいです。『女性1人では利用しにくい』という意味では、かつての牛丼チェーンイメージに近いでしょうか。牛丼チェーンを1人で利用するのは何年も前に克服しましたが、エナジードリンクにはまだまだ勇気が出ません」(33歳女性)

 各牛丼チェーンも、女性客の開拓に向けて試行錯誤をしてきた経緯があります。エナジードリンクも、最近は優しい色合いのデザインの缶が発売されるなど、見た目もおしゃれなので、今後女性が利用しやすくなる可能性はあるでしょう。

 飲みやすさと手軽さ、そして(思い込みを含む)摂取効果の大きさから、一躍人気商品となったエナジードリンクですが、そのインパクトの強さがそっくりそのまま“飲まない人たち”の不安をかき立てる構図になっているのが、興味深く思えました。

フリーライター 武藤弘樹

「エナジードリンク」が苦手な人の見方とは?