加速する円安、輸入コスト増による値上げラッシュ、支出が増えても上がらない賃金……。“悪い円安&インフレ”の時代を迎えた日本。今までと同じお金の使い方を続ければ、家計崩壊のリスクに晒される可能性も。



※画像はイメージです(以下、同じ)



 今回は家計再生コンサルタントの横山光昭氏と、マネーコンサルタントの頼藤太希氏に話を聞いてきた。今こそ家計を再構築し、円安&物価上昇のダブルパンチに備えよ!


◆投資を始めずに預貯金だけで保有し続けること自体がリスク



 インフレが進行する状況ではお金を預貯金としてプールしておくだけでは価値が目減りしていく一方。仮に、インフレ下で100万円を何もせず保有し続けた場合、インフレ率1%ならその価値は25年で78万円に減少。2%で61万円、3%なら48万円と半減してしまう(編集部試算)。


「だからこそインフレ下ではお金にも働いてもらうのが必須。『投資はリスクがあるから怖い』となかなか始められない人がいますが、投資を始めずに預貯金だけで保有し続けること自体がリスクだという認識を持つべき」(横山氏)


 投資である以上、元本割れのリスクを0にすることは難しい。だが、頼藤氏は「長期・積み立て・分散という基本戦略に則った投資を行えば、資産を堅実に増やせる可能性が高い」と語る。


◆長期投資でリスクを抑えつつ複利の効果も最大限に
「長期投資とは、その名のとおり数十年という長い期間をかけて投資を行うこと。リスクを抑えつつ、複利の効果も最大限に生かせます」


 複利とは「利子の利子」。投資で得た収益を再び投資に回すことで、元本だけでなく収益がさらなる収益を生むことを指す。いわば「お金がお金を生み出す」状態だ。


「積み立て投資は、一定のタイミングでコツコツと投資を続けていくこと。金融商品の価格が上昇時も下落時も一定の金額ずつ買い続けることで平均購入単価が均され、利益を出しやすくなります。そして分散投資は、さまざまな金融商品に投資すること。特定の商品にばかり投資を続けたら、その商品が値下がりすると資産も大きく目減りしますが、投資先を分散しておけば他の資産の値上がりでカバーできる。投資のリスクヘッジとして欠かせない要素です」(頼藤氏)


◆円以外の資産を持つことがリスクヘッジに



’01年から20年間の運用結果を示したグラフ金融庁発表)。定期預金はほぼ横ばいだが、長期・積み立て・分散投資を続けることで資産が大きく増えていることがわかる



 金融庁の発表をベースに作成した長期・積立・分散投資の成果を示したグラフでは、過去20年間、定期預金のみで資産を運用した場合はプラス0.97%と大して増えなかったが、国内の株・債券に投資していたら資産が38.57%増。さらに先進国新興国の株・債券にまで分散投資を行えば資産は66.63%も増加したことがわかる。


「円安に対応するなら海外資産への投資はマストでしょう。円の価値が下がり続けている今、円以外の資産を持つことがリスクヘッジにもなります」(頼藤氏)


 資産が預貯金だけでは円安の煽りをモロに食らうだけ。強靭な家計を築くためには、海外の金融商品への分散も必須なのだ。


◆これから始めるには?
「これから始めるなら、運用益が非課税となる一般NISAつみたてNISAiDeCoを活用しない手はありません。なかでも、非課税期間が20年、年間40万円まで積み立て投資ができる“つみたてNISA”がオススメ。つみたてNISAで買える金融商品は、金融庁が定めた基準を満たす投資信託が主。投資信託の運用は、運用方針に基づいて専門家が行いますから、積み立ての設定さえすれば任せっきりでもOK」(横山氏)


 ネット証券ならスマホひとつで口座開設が可能だ。また、つみたてNISAの「年40万円まで」という上限を鑑みると、月の積立額は3万3333円まで。まずはこの金額をコツコツと積み立て続け、あとはほったらかしというのが長期分散投資の基本だ。


 頼藤氏、横山氏がピックアップしたオススメの投資信託をまとめた。ここまで見てきた「削る」「貯める」メソッドを実践し、速やかに投資へと回すお金を捻出していきたい。


◆頼藤氏オススメ投信リスト



SBI・V・全世界株式インデックスファンド
信託報酬:年0.13%
全世界の株式市場の動きを捉えることを目指すFTSEグローバル・オールキャップインデックス(円換算ベース)に連動。積極的にリスクを取れる人向け


SBI・V・全米株式インデックスファンド
信託報酬:年0.0938%
CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指す。こちらも積極的にリスクを取っていきたい人向け


eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
信託報酬:年0.15%
国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リートへ12.5%ずつ投資。やや積極的にリスクを取れる人向け


ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型
信託報酬:年0.15%
国内株式、国内債券、外国株式、外国債券へ投資。各投資対象資産の指数を均等に25%ずつ組合せた合成ベンチマークの動きに連動。長期成長を狙いたい人向け


◆横山氏オススメ投信リスト



eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー
信託報酬:0.11%
MSCIオールカントリーワールドインデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指し、日本を含む先進国および新興国の株式などに投資


ニッセイ外国株式インデックスファンド
信託報酬:年0.1%
日本を除く主要先進国の企業株式に分散。MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指す。先進国だけに投資したい人向け


eMAXIS Slim先進国株式インデックス
信託報酬:0.1%
MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)をベンチマークとし、同指数と連動する投資成果を目指し、日本を除く世界主要国の株式に投資を行う


iFreeS&P500インデックス
信託報酬:年0.25%
米国の株式(DR(預託証券)を含む)に投資し、投資成果をS&P500指数(円ベース)の動きに連動させることを目指して運用を行う


【マネーコンサルタント 頼藤太希氏】
(株)Money&You代表。中央大学商学部客員講師。『1日1分読むだけで身につくお金大全100』『はじめてのNISAiDeCo』など著書・監修書の累計部数は77万部超



頼藤太希氏



【家計再生コンサルタント 横山光昭氏】
マイエフピー代表。個別相談で2万1000件以上の家計を再生。約90万部のベストセラー『3000円投資生活』シリーズ(アスコム)をはじめ著書多数



横山光昭氏



<取材・文/週刊SPA!編集部>