五月病

「会社行きたくない」「特に体調悪いわけじゃないけど学校休みたい」──。GW(ゴールデンウイーク)明け以降、ネット上にはこうした言葉があふれている。

誰しもが経験あることかもしれないが、この時期は気分がすぐれなかったり、やる気が起きなかったりする。これが悪化したものが俗に言う五月病だ。

だが、この病には「治療法」があって…。


■連休後に「発症」

学校や会社で新生活が始まって約2か月。充実した毎日を過ごす人もいるかもしれないが、「こんなはずじゃなかった…」と理想と現実のギャップに悩む人も増える時期だ。

五月病は、新しい環境の変化についていけず、熱はないのに体がだるくなるなどの症状がある。正式な病名ではないが、主に5月の連休明けになることが多いため、そう呼ばれている。

ネット上でも「5月終わるのに五月病は終わらない…」「5月はだるくて、3日間仕事休んでしまったけど、6月も梅雨の時期で体調崩しそう」「6月まで引きずりそうな勢いなんだけど」「超絶無気力。圧倒的倦怠感。1ミリもやる気が出ない」など、気分が沈んでいる人の声が多数見受けられた。


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■「体にストップがかかる」

頭痛セラピー協会の日比大介さんは、季節の変わり目である5月は大きな転換点だと話す。

「4月に入学、入社して新生活が始まると、真面目な人ほどガチガチの緊張状態で一生懸命取り組みます。しかし、GWになって生活リズムが変わると、自律神経が乱れて『学校に行きたくない』『会社に行きたくない』と体にストップがかかることがあります。ある意味、燃え尽き状態になるんです。周りに気を遣う人ほど、自律神経が張りつめてホッとした瞬間に気分が落ち込んでしまう。体のだるさ、肩こりやめまい、夜も緊張して目がさえてしまい眠れなくなるなどの症状があります。また、季節的にも衣替えの時期になり、体も自然界と同じように芽吹き、細胞を夏用に入れ替える時期です。しかし、その変化に体がついていけず、ホルモンのバランスも崩れて、気分的に落ち込んでしまうことがあります」(日比さん)。

■1日のよかったことを記録

では、五月病にならないためには、どうすればいいのだろうか。

「生活習慣を早寝早起きにすることです。朝早く起きてウォーキングしたり、朝日を浴びて自然を感じながらストレッチするのもいいでしょう。歩いたり、走ったりすると血流がよくなり、気分も晴れますからね。暑くなってきてシャワーで済ませる人も多いかもしれませんが、お風呂にゆっくり浸かることも大切です」(前出・日比さん)。

やはり何事も「規則正しい生活」がベースになるのだろう。前出の日比さんは、友達と遊んだり、仕事ばかりするのではなく、1人の時間を作ることも大切だと指摘する。

「ノートにその日よかったことを記すといいでしょう。日本人はすぐ欠点ばかり見つけ出して、せっかく幸せなのに否定してしまう傾向があるので、いいことを書くようにします。『誰かとこういう話ができてよかった』『好きな人ができた』『今日は気持ちいい天気だった』など、1日でよかったことを集めていくと気分が晴れますからね」(前出・日比さん)。


■五月病の「治療法」とは…

では、五月病の症状が見受けられた場合はどうすればいいのか。

「その場合は、気分的に落ちるところまで落ちてしまったほうがいいでしょう。逆に対処しようとすると、真面目な人は緊張してしまいますからね。まず、自分が精神的に落ちていることを認めて、何が原因かノートに記録するんです。『休んでしまってもしょうがない』と頑張ってきた自分を褒めて、頭の中を整理することが大切です。また、身体がダウンしたときは早めに布団に入るのがいいでしょう。眠れなければ目を閉じるだけも構いません。目を閉じるだけでも、目の疲れが取れて、後頭部の硬さも和らぎますからね」(前出・日比さん)。

学校の勉強、仕事、人間関係──。新生活が始まってさまざまなことに追われるが、ときには立ち止まることも必要なのかもしれない。


【取材協力】

頭痛セラピー協会 代表、日だまり整体院 院長、東京子ども頭痛 院長・日比大介さん。

頭痛を手で改善する治療法 頭痛セラピー「日だまりショット」を考案。

自律神経にアプローチする治療法で20年以上薬をやめられない頭痛を改善したり、病院に行っても治らない頭痛患者を救った実績がある。詳細は公式ホームページ

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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