6月22日(水)、23日(木)、24日(金)に3夜連続ドラマ「脚本芸人」(夜11:00-11:40、フジテレビ系)が放送される。岩崎う大(かもめんたる)、水川かたまり(空気階段)、吉住という “チャンピオン”の称号を持つコントの実力派三者が、本作ででオムニバスドラマの脚本に挑んだ。

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第1話は吉住、第2話は水川、第3話は岩崎が担当。物語自体はつながっていながらも、それぞれのカラーが楽しめるドラマになっている。この3人でのトークはかなり珍しい状況だが、オファーされたときの感想や、お互いがどう思っているのかを聞きました。

■岩崎「このプロジェクトの相談を最初に受けたのが僕」

――「脚本芸人」の話が来たときの印象を、教えてください。

岩崎う大:芸人が脚本を担当するオムニバスドラマが知らないところで放送されていたら、「参加したかった…」と絶対に思っていたはずなので、依頼をいただいてよかったと思いました。このプロジェクトの相談を、最初に受けたのが僕なんです。そこで僕が最後の話を担当することが決まり、「物語的にはなんとなく恋愛要素があるといい」という話を聞き、「吉住さんに書いてもらったら面白いかも」と提案しています。

吉住:私も脚本に興味があって、前回の単独ライブでは最後に長尺のネタを披露したんです。そのネタは「いつか脚本のお仕事が来たときのために力を付けておくという意味でも、長いネタを書いておいたほうがいいんじゃないか」と構成作家さんに言われて、書き上げました。それを見てくださったスタッフさんからお声がけいただいたので、「ぜひやりたいです」と即決でした。私のところにお話が来た時点でう大さんとかたまりさんが決まっていたので、「ここに入れてもらえるんだ。めっちゃいい並びじゃん、最高!」と思いました(笑)。

水川かたまり:僕もうれしかったです。ただ、この段階からちょっと緊張していました。ご本人を目の前にして言うのもなんですが、う大さんをめちゃめちゃ尊敬しているので、どうしても緊張しちゃって…。

岩崎:そろそろ慣れてくれよ(笑)。俺、優しい面しか見せていないと思うけど?

水川:(慌てて)そうなんです、そうなんです! めっちゃ優しいんですけど、やっぱり緊張してしまう部分があるんですよね。

――キャストも豪華な顔ぶれですが、いかがですか?

岩崎:僕自身のオープニング撮影時に、ドラマの映像をちらっと見せてもらいました。すばらしい役者さんたちに演じてもらえて、うれしいですね。

吉住:映像はまだ何も見ていないのですが、「芸能人が演じるんだ」という気持ちになりました(笑)。自分の書いたものが、あの方々の目に触れることがあるんだ、と。「めちゃくちゃ芸能界じゃん」って思いましたね(笑)。とてもありがたいことですし、監督から「役者さんたちも楽しそうに演じていた」という話を聞き、少しホッとしました。

水川:僕が書いた脚本は遠藤憲一さんが主演ですが、東京に出てきて2年目かな、渋谷・宮益坂の喫茶店で見かけたことがあるんです。「わ、遠藤憲一だ」と気づきましたが、もちろん声はかけられなくて。そうやって遠くから見ていた方に、僕が書いたドラマに出てもらえるなんて、本当にうれしいです。あと、作中でひょうきんなタレントが登場するんですが、スタッフさんに「いい人いますか?」と聞かれたので、そいつどいつの市川刺身を推薦しました。決まって、よかったです。

――お互いが書いた脚本に関して、感じたことは?

岩崎:かたまりの脚本は、僕が空気階段の単独ライブを見た直後だったというのもあって、空気階段っぽさを少し感じました。吉住のは、いつもと違う一面だなと。ただ大オチには、吉住らしさがありましたね。

吉住:私は、事前にスタッフさんから「う大さんの脚本は大暴れしている」と聞いていて。

岩崎:自分ではそんなつもりなかったんだけど、確かにスタッフさんの目が“大暴れした人を見る目”だった(笑)。

吉住:あ、それは感じ取っていたんですね。

岩崎:でも感じ取っていると気取られたら、書いたものを修正しなきゃいけなくなるので、感じ取っていない感じで進めたよ(笑)。

水川:僕は単独ライブが終わってから企画に参加したので、自分が書き始める時点でう大さんと吉住さんの脚本はすでに上がっていたんです。スタッフさんに「う大さんの脚本、16ページ目から大暴れしています」と言われました(笑)。

――ネタはウケ具合で評価がわかりますが、本作に関してはどのような反響があったら手応えを感じられそうですか?

岩崎:それはやっぱり、次のオファーでしょうね。「脚本芸人2」に続くか、フジテレビの連続ドラマの脚本を任されるか、もしくは他局からオファーが来るか。あとはTwitterの反応かな。エゴサーチして確認します。

水川:僕は脚本の経験自体があまりないので、どうなったらうれしさを感じるかわかりません。ただ傷つくのは怖いので、エゴサーチをするときはうまいキーワードを見つけて、いいコメントだけ拾うようにします。

吉住:私も初めてなので、オンエアされてみないとわからないなという心境です。制作時から「あれでよかったのかな」という不安はありましたが、スタッフさんたちが全力で「大丈夫です!」と言ってくださったので、今はその言葉を100%信じて生きております。

――最後に、視聴者のみなさんへメッセージを!

吉住:第一話から話が進むにつれ、芸人らしい濃さが出てくることになると思うので、ぜひ3夜通して見ていただけたらうれしいです。

水川:見て、笑って、梅雨を吹き飛ばしてください。

岩崎:こういう企画は過去になかった気がするので、新しいスタンダードになる可能性があると思います。なので…刮目(かつもく)せよ!

取材・文=篠崎美緒

「脚本芸人」で脚本を担当する吉住、水川かたまり、岩崎う大