6月4日(土)より、千葉雄大と永山絢斗がW主演を務める「WOWOWオリジナルドラマ ダブル」(毎週土曜夜10:30-11:00、WOWOWプライム)がスタートする。同作は、野田彩子の同名人気漫画を映像化。東京・下北沢を舞台に、天性の才能を持った俳優・宝田多家良(千葉)と、彼の才能をいち早く見いだし世に送り出そうと支える“代役”俳優・鴨島友仁(永山)によるヒリヒリとした熱い人間ドラマが展開される。同作に、宝田のマネージャー・冷田一恵役で桜庭ななみが出演。自らスカウトした宝田の魅力を多くの人に届けたいと願う役どころだ。
WEBザテレビジョンでは、桜庭にインタビューを実施。冷田を演じる上で心掛けたことや“担当俳優”役・千葉の印象、デビューから約15年がたち、年齢を重ねるということに対しての不安や今後の展望などを語ってもらった。
また、桜庭は死の謎を解き、生きる答えを見つける新本格ミステリアドベンチャー「春ゆきてレトロチカ」(発売中)で主人公・河々見はるか役を務めており、実写ゲームソフトならではの撮影エピソードについても聞いた。
■すごくすてきなマネージャーさんだなと
――冷田はどんなキャラクターですか?
とてもクールで口数が少ない女性です。ちょっと冷たい役なのかなと思ったんですけど、自分がスカウトした宝田への愛情は本当に真っすぐで純粋。遠くから見守っているようで、実は近くにいて寄り添っている感じ。すごくすてきなマネージャーさんだなと思いました。
――役作りの一つとして、ご自身の身近にいるマネージャーさんを観察したという話を聞きましたが、参考になった部分はありましたか?
マネージャーさんによって性格や担当しているタレントさんとの向き合い方は人それぞれだと思うので、現場での立ち居振る舞いなどを参考にしました。
――名刺交換とかですかね?
そうですね。冷田のシーンは名刺交換をしているところから始まるので、いろいろな現場でちょっと意識しながら見ていました。私が知っているマネージャーさんはラフな恰好をしている方が多くキャストスタッフとよく話したりしていますが、冷田は常にスーツをかっちり着ているし、あまり話さないタイプ。私がイメージしているマネージャー像とはちょっと違うかもしれません。
――冷田を演じる上で、監督からリクエストされたことはありますか?
冷田が過去に夢を諦めた瞬間の思いや新しい道に向かって頑張ろうとしている気持ちを自分の中に持っていてほしいと言われました。
――撮影中、難しいなと感じたシーンは?
宝田が悩んでいる時に冷田が自分の過去を話しながら手を差し伸べるシーンです。どんなふうに言葉を伝えたらいいのか、演じていて難しいなと感じました。まだ完成した作品を見ていないので、どういうシーンになっているのか気になります。
――冷田が担当している宝田という俳優のキャラクターについてはどんなふうに捉えていましたか?
宝田はアーティストみたいだなと。絵を描く人のような心を持っている繊細な部分があって、何を考えているのか読み取るのが難しい役。そんなキャラクターを演じている千葉さんはすごいなと思いました。
■千葉は「めちゃめちゃ面白い人」
――宝田を演じている千葉さんの印象は?
めちゃめちゃ面白い人でした(笑)。劇中では重いシーンが多かったんですけど、撮影の合間はバラエティーなどで見ているような面白い千葉さんの一面が垣間見えてとても楽しい現場でした。
――では、ドラマを楽しみにしている皆さんにメッセージを!
夢と現実が違っていて挫折をしたり、違う道に進んだりする人もいると思います。でも、駄目かもしれないけど夢に向かって真っすぐ頑張っている姿はすごくかっこいいなと。ドラマを見ている人たちにも諦めないでひたむきに頑張る姿を自分への“エール”として見ていただけたらうれしいです。
■脚本に書かれていないことを自分なりに考える
――10代でデビューして約15年たちましたが、芝居に対する意識は変わってきましたか?
デビューしたばかりの頃はがむしゃらにセリフを覚えて、自分の感情を全て吐き出すような感じでした。それからいろいろな作品に出演して、先輩や同世代、後輩の役者さんたちとお仕事をする中で役の向き合い方を学んだような気がします。
もっともっと演じるということを大切にしたいと思うようになりました。
――説明しにくいかもしれませんが、「役と向き合う」ということを言葉で表すとしたら?
役をどこまで掘り下げられるのか。それが、役と向き合うことなのかなと思っています。どういう気持ちでこのセリフを言っているのか、なぜこのシーンがあるのか。脚本に書かれていないことを自分なりに考えたりしています。
――今後こういう役者になりたいという目標は?
将来というよりは、今演じられる役をがむしゃらに頑張りたいと思っています。
――中国語や韓国語など、語学の勉強にも積極的に取り組んでいますよね。
今は定期的にレッスンを受けているわけではないですけど、それぞれの国のドラマやバラエティー番組を見たりして、常に言葉に触れることができる環境を作るようにしています。
言葉を勉強したことで日中合作の作品や台湾のドラマに出演することができて仕事の幅が広がりましたし、中国や韓国の友達も増えました。いろいろな考え方や文化の違いを知る機会が多いので話をしていて楽しいです。
■所作や細かい感情をゲームで表せたら
――チャレンジといえば、発売中の実写ゲームソフト「春ゆきてレトロチカ」では主演を務めていますね。
ゲームでの実写というのは、昨今なかなかないことだとプロデューサーの方から聞いていて、そして今回は大正・昭和・令和と、3つの時代の日本が舞台ということなのでお着物を着た時の所作や細かい感情をゲームで表せたらいいなと思いました。
――実写ということは映画やドラマと同じ撮り方だったんですか?
同じでした。ただ、謎解きもののゲームなので(選択肢を)A・B・C・Dみたいにいろいろなパターンを撮ったのでシーン数が多かったです。
――着物は時代劇で慣れていますよね?
お着物を着た時の所作は楽しくできました。今回はちょっとカジュアルな現代風のお着物なので、若い人にも楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。とてもかわいいし、このゲームは世界中で発売されるそうなので、いろいろな国の人たちに日本の文化を知ってほしいです。
――最近「Nintendo Switch」にハマっているそうですが…?
はい、ハマっています(笑)。小さい頃に好きだったマリオブラザーズをやっています。もう全部クリアしたので、そろそろ新しいゲームをやろうかなと。
「春ゆきてレトロチカ」はSwitchにも対応していますし、台本を読んで答えを知っているはずなのにすごく難しくて。最後までクリアしたらストーリーが完成するので、これからプレイされる方にはぜひ最後まで諦めずに頑張ってほしいです。
――「ダブル」がスタートする6月は梅雨の時期。天気も気持ちもすっきりしない季節がやってきますが、どうやって過ごしますか?
私は雨の日が大嫌いで、特に梅雨の時期は1年の中でも一番嫌いなんです。だから、ずっと引きこもっています。最近、Switchという楽しいものを見つけたので、私も「春ゆきてレトロチカ」を楽しみたいと思います!
――うまい(笑)。ここ数年はコロナ禍で家にいることも多かったと思いますが、家にいる時の過ごし方に変化はありましたか?
家で過ごす時間が多くなったので部屋の中をきれいにするために思い切って整理整頓をして、自分がゆっくりくつろげる空間を作りました。掃除をよくするようになりましたし、今もきれいな状態をキープできています。
――どちらかというと、物を捨てられないタイプだったんですか?
思い出の物は結構取っておいたんですけどきりがないので、1年間使っていないものは捨てるというルールを決めました。でも、学校の制服を捨てる時はちょっと悲しかったです(笑)。
――これまで出演した作品の台本は?
台本だけは捨てられなくて、まだ残っています。見返すことはないんですけど(笑)。
――ゆっくりくつろげる空間をキープしているというお話でしたが、一日の中でリラックスできる時間は?
部屋を薄暗くして、アロマキャンドルを焚きながらバラエティー番組を見たり、お昼寝したりしているとリラックスできます。
キャンドルを買う時に名前を見ないから全然覚えられなくて…。一つだけお店の方に説明していただいて覚えているのはジャスミン。すごくウッドな匂いや甘過ぎる匂いはちょっと違うなと思っていて、私はさっぱりとした匂いが好きです。
それと、ディプティックの「ベ」の香り! これは覚えているので使っています。他にも好きな香りがあるんですけど名前が分からない(笑)。定番だと言われている香りなのでお店に行けば分かると思います。
――あと数カ月で30歳になりますが、年齢を重ねてきて変わってきたなと感じることはありますか?
自分ではどこが変わってきたのか分からないですけど、イクラやウニ、レバーを食べられるようになりました。
――舌が大人になったんですね?
いろいろな作品に出演してキャンペーンなどで全国を回ったりした中で、北海道に行った時に食べたイクラがものすごくおいしかったんです。それから好きになりました。
カフェラテも砂糖なしで飲めるように。味覚は少しだけ大人になったのかも(笑)。
――20代が終わろうとしている今の心境は?
30歳になるまでそんなに時間がないので、ちょっとハラハラしています。20代でやれることをちゃんとできたのかも分からないですし、やり残したことがあるような気がして…(笑)。
――10代の時に思い描いていた20代とはギャップがあったということですか?
10代の時は30歳の手前ぐらいになったら結構大人で、やりたいことも自分の中でしっかり固まっているのかなと思っていたんです。でも、全然そんなことはなくて、いろいろやりたいことがある一方でやっていないこともたくさんあるのかなと。ものすごくかけ離れているなと感じています。30歳になったら、30代だからこそできることをいろいろ見つけて楽しみたいと思っています。
◆取材・文=月山武桜
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