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 百獣の王ライオンの象徴と言えば、流れるようなしなやかさを持つ長くて立派なたてがみだろう。頭部に密集するそれは上向きに濃く生えていて、それが首へと続いている。

 しかし、中国・広州動物園のホワイトライオンのたてがみは、通常のたてがみからほど遠いスタイルになっている。

 マッシュルームボブ、とでもいうのだろうか?ちょっと今の私の髪型に近いので親近感があるにはあるんだけれど、前髪がパッツンとまるで切りそろえたようになっているのだ。

 中国のSNSに投稿されるとたちまち注目を集めた。

【画像】 前髪ぱっつんのホワイトライオン

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 3月29日、中国広東省広州市にある広州動物園で飼育されている13歳のホワイトライオン「阿杭(アハン)」の姿が中国ソーシャルメディアプラットフォームWeiboに投稿されると、多くのユーザーらが注目した。

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[もっと知りたい!→]オスのように立派なたてがみを持つメスライオン。ボツアナに住む両性具有のライオンたち

image credit:Guangzhou Zoo/Weibo

 アハンは、アルビノではなく劣性形質による白い毛皮を持つ白変種のホワイトライオンで、ICUNのレッドリストによると絶滅危惧種に指定されており、個体数がわずか300頭ほどとされている希少な品種だ。

 しかし、なんといっても今回注目されているのは、そのたてがみのスタイルだ。

 アハンのたてがみはまるで切りそろえられたかのように前髪ぱっつんおかっぱ姿になっており、頸部のたてがみもストレートパーマをあてたかのように、しんなりと下に向いている。

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image credit:Guangzhou Zoo/Weibo

 一般的なライオンのたてがみとは異なるアハンの姿を見て、ソーシャルメディア上では「飼育員が切りそろえたのか!?」という憶測が飛び交った。

飼育員は「自然によるもの」とたてがみカットを否定

 SNSでアハンが注目を浴びたことですっかり知名度が上がった広州動物園は、「アハンのたてがみは飼育員が切りそろえたものではない」と声明を発表した。

広州市は湿度が高い地域なので、重量と弾力のあるライオンのたてがみが下向きになってしまった可能性があります。はっきりとした理由は当園も不明ですが、自然によるものでカットしたわけではありません。またもとに戻るかもしれません。

 いくら従順とはいえ相手はライオンだ。そのたてがみを切りそろえるという行為は命の危険性を伴うわけで、飼育員がカットするのは難易度が高そうだ。

 ちなみに、ライオンのたてがみの役目は2つあるという。戦うときに首を守るため、体を大きく見せる為だそうだ。

 動物園にいるライオンなら、戦う必要もなさそうだし、体を大きく見せる必要もなさそうなので、多湿な場所なら逆に涼しくてよいのかもしれない。

 本当に自然にそうなったとするのなら、ある種の適応進化って感じ?

 今のところ、アハンはその外見が理由で仲間にいじめられるということも特になく、平穏に過ごしているようだ。

References:Photos of Lion With Straight Bangs Leave Millions Scratching Their Heads/ written by Scarlet / edited by / parumo

 
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