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 数年前、ベネズエラで電線に感電したナマケモノが救助された。酷い火傷を負ったナマケモノは治療の回復に時間がかかったが、保護してくれた夫婦に愛情を注がれながら元気になった。

 怪我のせいで野生に戻ることができなくなってしまったが、ナマケモノはひとりぼっちじゃない。夫婦の飼い犬ナマケモノに興味を示し、友達になろうと近づいてきた。

 犬はナマケモノのペースにあわせて、ゆるふんわりと親交を深めていった。そして今、2匹は親友となったようだ。

【画像】 電線で感電したナマケモノを救助・保護

Rescued Sloth Becomes Best Friends With a Beagle | The Dodo Odd Couples

 2020年、ベネズエラの首都カラカスで、ハイディロドリゲスさんと夫のフアンカルロスさんは、電線に感電して怪我を負ったミツユビナマケモノを発見した。

 ナマケモノは、後ろ足と左手、爪を火傷し、酷い状態だったという。

 なんとかして元気にしてあげたいと、夫妻は南米中の獣医院や専門家を尋ねた。地元にはナマケモノの治療法を知っている専門医がいなかったからだ。

 その後、夫妻の献身的なお世話と獣医の治療によって、ナマケモノは左手と後ろ足、失った3本の爪がゆっくりと回復へ向かった。

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 だが悲しいことに野生に返すことは難しいと判断され、夫妻はチューウィーと名付け、このナマケモノを引き取ることにした。

ビーグル犬と友情を育んだチューウィー

 夫妻は、セブンというビーグル犬を飼っており、チューウィーが回復し、自由に動けるようになると、ゆっくりと時間をかけて2匹を引き合わせた。

 するとセブンはチューウィーにすぐに興味を示した。チューウィーの方は最初は戸惑っていたものの、ゆっくりとペースを合わせてそばによりそってくれるセブンに徐々に心を許すようになった。

 セブンはとにかくチューウィーのことが大好きだ。同じ気持ちを共有したくて、チューウィーのまねをしたり、ナマケモノの主食である葉っぱを一緒に食べようとするという。

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 チューウィーの好きな物は自分も好きになりたいのだ。いじらしいセブンの行動に思わず夫妻も笑ってしまったという。

 セブンの愛情を感じ取ったチューウィーは、一緒に玩具で遊ぶようになったり、ハグをしたりするようになった。

 徐々に2匹の間には友情が育まれ、それは強い絆に変わっていった。

夫妻はナマケモノの救済・リハビリセンターを開設

 チューウィーを救助・保護したことがきっかけとなって、ハイディさんとフアンさんは、その後ナマケモノの救済リハビリセンターを設立した。

 開設からわずか8か月で、51匹のナマケモノが夫妻によって救済・保護され、その半分以上が既に野生へと返ったそうだ。

 怪我が原因で野生に戻れなくなってしまったチューウィーは、現在このセンターで大使を務めているという。もちろんセブンも、傷ついたナマケモノの仲間を歓迎する役目を果たしている。

 同センターの様子は、インスタグラムアカウント『chuwieelgalan』から閲覧できる。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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ナマケモノにペースを合わせてゆるふんわりと友達になった犬