カー用品の「オートバックス」のフランチャイズ店舗で、正社員に認められる「病気による休職」が非正規には認められないのは不当だとして、元アルバイト店員の男性が運営会社を訴えていた裁判が東京地裁で和解した。和解は6月7日付。原告側が6月13日、東京・霞が関厚労省記者クラブ記者会見を開いて明らかにした。

●「不適切な言動及び対応を受けたと感じる状況が生じたことについて遺憾の意を表する」

原告側によると、和解内容は一部をのぞいて口外禁止が付されているが、次の条項については公開できることになっているという。

・被告は、原告に対し、原告が本件訴訟において平成30年法律第71号による改正前の労働契約法20条に関し、被告の正社員と有期契約労働者との間に不合理な相違が存在していたと主張する内容について真摯に検討するとともに、今後、被告で就労する有期契約労働者の基本給、賞与、各種手当その他の待遇に関し、短期間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律8条の趣旨に従って、法令上必要な対応及び是正をしていくことを約束する。

・被告は、原告に対し、被告の事業における原告の長年にわたる勤続及び功労について謝意を表するとともに、被告の職場において原告が一部の正社員から不適切な言動及び対応を受けたと感じる状況が生じたことについて遺憾の意を表する。

●原告代理人「非常に画期的な和解だ」

原告の田島才史さん(56歳)は2019年3月、オートバックスフランチャイズ店舗で正社員から嫌がらせを受けて、自宅で療養を余儀なくされたのに休職が認められず、雇い止めにあったとして、運営会社「ファナス」(東京・港区)を提訴していた。

原告代理人の今泉義竜弁護士は会見で「田島さんは、非正規に対する差別の是正ということで立ち上がったが、全面的にこちらの要求が実現できるような中身で和解できた。非常に画期的な和解だ」と強調。「今後、こういう非正規労働者に対する差別のない職場をつくっていくことを強く期待したい」と述べた。

3年以上にもわたった裁判について、原告の田島さんは「コロナの流行は、裁判期日にも当然影響があり、いつ終わるかわからない闘いに心身ともに負けそうになる場面もたくさんあった」と振り返った。そのうえで「提訴してよかったと胸を張り続けていこうと思う」と話した。

オートバックスFC、雇い止め元バイト男性と和解 「非正規の待遇、是正していく約束」