中国のVRヘッドセットメーカーPico Interactive(以下、Pico)が、Metaの「Meta Quest 2」が席巻する米国市場を狙う兆しが見えつつあります。Picoによる新VRヘッドセット「Pico Neo 3 Link」の展開に加え、求人情報からもその動向が見られます。

Picoは2015年4月に設立された中国のVRヘッドセットメーカーです。一体型VRヘッドセットを中心に展開し、Meta等のデバイスが流通しない中国において強固なコンシューマー市場を築いてきました。2021年8月には、動画プラットフォーム「TikTok(ティックトック)」を開発・運営するByteDanceに買収されています。

米国のセールス部門トップなどを募集

米国市場参入は、ByteDanceの求人情報から伺えます。2022年6月現在、ベイエリアやシアトルサンディエゴといった米国を勤務地とする40以上のポストを募集。その多くは、同社でAR/VRコンテンツ制作を手掛けるPico Studiosに関するポジションです。また「米国市場でPico製品のセールス・マーケティングに従事する」コンシューマー・セールス部門のトップの求人も記載されています。

Meta Quest 2に対抗か

しかし、Picoの米国進出の自体は以前から告知されていました。2021年5月時点で、同社はVRヘッドセット「Pico Neo 3」シリーズについて「北米や欧州を含む、西洋諸国でも発売する」と発表していました。実際に一体型VRヘッドセット「Pico Neo 3 Link」は、2022年4月より欧州で予約販売を開始しています。

さらにこの「Pico Neo 3 Link」はコンシューマー向けであり、DisplayPortケーブルによるPC接続にも対応。「SteamVR」から6,000タイトル以上、「Pico Store」から100タイトル以上のゲーム、および50以上の非ゲームコンテンツがプレイ可能と謳われています。これはMeta Quest 2の「Link」機能を彷彿させるものです。

449ユーロ(日本国内価格は税込49,280円 )という価格設定からも、市場を席巻するMeta Quest 2に対抗する狙いではないか——。そのような見方はじゅうぶん可能でしょう。累計販売台数1,500万台近くとの推定もあるMeta Quest 2に、Picoがどのように迫るのか注目です。

(参考)Road to VRprotocol
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