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南アフリカクルーガー国立公園で今春、2匹のヘビが頭を上げ体が絡み合う姿が捉えられた。ヘビは口の中が黒いことからその名が付いた「ブラックマンバ」で、同国に生息する毒ヘビとしては最長で最も危険と言われている。『Latest Sightings』が伝えた。

クルーガー国立公園の「ファラボルワ・ゲート(Phalaborwa gate)」近くでゲストハウス「ラ・レシェール(La Lechere)」を経営するジャンシェーリングさん(Jan Schurings)は今年5月、ゲートそばの道路の真ん中で何かがうごめいているのに気がついた。

ジャンさんは「私たちは動物たちが集まる水場へ向かう途中でね。50メートルくらい先に何かが見えて、それがすぐにブラックマンバであることに気づいた。ただよく見てみると、2匹いたんだ」と語ると、このように続けた。

ブラックマンバはよく草むらで見かけるけど、いつも一瞬で姿を消してしまうんだ。でもあの時の2匹は私たちのことなんて全く眼中にないように体を絡め合っていた。おかげで私たちは車を近づけて、2分ほど誰にも邪魔されずに観察することができた。ただブラックマンバの気性の荒さは十分承知しているからね。安全な距離は確保したよ。」

2匹は頭を上げ、体長の3分の1ほどをグイっと持ち上げ絡み合いながらゆっくりと道路の端に向かい進んでいったそうで、ジャンさんは「あんな光景は一生に一度しか見られないだろうね」と今でも興奮冷めやらぬ様子だ。

なおブラックマンバは危険を感じると非常に攻撃的になり、敵を噛んで神経を麻痺させる毒を出す。動きは速く、人間が噛まれるとすぐに治療しなければほぼ100%死に至るというが、同種のオス同士の場合は話が違ってくるという。

実はジャンさんが見た2匹はオスで、どちらかが降参するまで互いを押し合い、地面に相手の頭を叩きつけるようにして絡まり戦っていたそうだ。『Live Science』によると、ブラックマンバが頭を上げると地面から90~120センチの高さになるそうで、戦った勝者が手にするのは通常年に一度しか交尾しないメスだという。

ちなみにブラックマンバが絡み合う様子は2017年、クルーガー国立公園近くのゴルフ場でも捉えられており、ケープタウンのヘビ専門家は「オスのブラックマンバ縄張り争いをしている。画像にメスが映っていないが、メスをめぐって戦っている可能性が高い」と説明していた。

国立公園では2016年、オス同士のブラックマンバが戦う様子が動画に収められている。

画像は『Jan Schurings 2022年5月18日付Instagram「Sometimes you are so lucky」』『Latest Sightings 2022年6月10日付「Black Mambas Battle it out on the Road」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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