英語が変なんて、誰にも言わせない!
自分の英語に自信が持てるようになる1冊。

ニューヨークが教えてくれた“私だけ”の英語 “あなたの英語”だから、価値がある 岡田光世 著 定価1540円(本体1400円) CCCメディアハウス
自分の英語に自信が持てるようになる1冊

家族の反対を押し切り、高校時代に憧れのアメリカへ留学。
「ストレート」も通じず、「私は、バカなの?」と泣き暮らした日々はやがて──。
ニューヨークの大学院で学び、現地で取材を重ね、見つけた大切なこと。
完璧でなくていい。
私にしか話せない私だけの英語で、心を伝える。
その原点は、中学英語だった。

2大ロングセラー「ニューヨークの魔法」と「奥さまはニューヨーカー」シリーズの著者が、ど英語を学び、挫折を乗り越え、モノにし、人と心を交わしてきたか。「英語の達人」が、初めて「英語」を語る。

【はじめに】より
アメリカ行きのスーツケースにいつも私は、中学英語の教科書を詰めた。誰もが慣れ親しんだ3冊の本が、ニューヨークでもこんな出会いをもたらしてくれるから。
Wait! Wait! Wait! 待った!待った!待った!
70代くらいのアフリカ系アメリカ人女性が、停留所に止まっているバスに向かって必死に叫ぶ。私もそのバスに乗り遅れまいと、大きな買い物袋を手に、ダッシュする。
ちっ、行っちまったよ、と女性がつぶやく。その人も同じバスに乗りたいのかと思ったら、どうやらバスを降りたばかりで、歩きやすいように荷物をまとめ始めた。
私のためにバスを呼び止めようとしてくれたの? と聞くと、そうだよ、と答える。
I know everyone is trying to get home. みんな、家に帰ろうとしてるんだからね。
そう言うと、女性は目の前の店に入っていく。入口近くの棚の上に手を伸ばし、何か取ろうとしているのが、ガラス越しに見える。背の低い彼女には、届かない。
私は、その店に用はなかったけれど、中に入り、女性に声をかけた。
Maybe I can help you with that, even though Iʼm about as short as you.
私が役に立てるかも。といっても、私、あなたと同じくらい背が低いんですけど。
女性が笑う。彼女がほしがっているコーヒーに、腕を伸ばす。でも、届かない。
Iʼm sorry. I couldnʼt help you. 役に立てなくて、ごめんなさい。
Thatʼs all right. Thank you. We have to help each other, you know.
その気持ちだけで、うれしいよ。お互いに助け合わなきゃ、そうだろ?

ああ、この人と私は、同じ地球の上で、“今”をともに生きている! 私は胸がいっぱいになった。難しい言葉はひとつもいらない。そこにあるのは、中学英語だけ。
初めて英語と出会った時、「英語って、なんてつまらないんだ」と思った。
そんな私が、英語に恋をした。「英語って、生きている」。そう実感した瞬間に。

【著者略歴】岡田光世(おかだ・みつよ)
作家、エッセイスト。
読売新聞アメリカ現地紙記者を経て、現職。高校、大学、大学院で各々米留学。85年からニューヨークに住む。現在は、東京とニューヨークを行き来しながら執筆を続ける。
著書に、『ニューヨークのとけない魔法』をはじめとする「ニューヨークの魔法」シリーズ(全9冊、文春文庫)、『泣きたくなるほど愛おしい ニューヨークの魔法のはなし』(清流出版)、『奥さまはニューヨーカー』シリーズ(全5巻、幻冬舎文庫)、『アメリカの家族』『ニューヨーク日本人教育事情』(ともに岩波新書)などがある。


http://books.cccmh.co.jp/list/detail/2396/

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