さよならヘッドマークは3種類でした。

翌日には撮影会を開催

いまから32年前の1990(平成2)年6月23日西武鉄道多摩湖線で使用していた351系電車が営業運転を終了しました。

351系は西武鉄道が自社で製造した初代501系の先頭車で、1954(昭和29)年に登場した車両です。駆動装置は吊り掛け式の旧性能電車。全長は17mで、多摩湖線で使う際には中間車に国鉄から払い下げの車両を組み込んだ3両編成となりました。

当時、多摩湖線国分寺駅はホームが短く、さらにホームのすぐそばに踏切があったことから、17m車3両が収まるのが精一杯だったのです(20m車は2両まで)。

しかし、国分寺駅北口再開発にあわせてホームを移転・改築。20m車4両対応となったことにより351系はその使命を終えました。

営業運転終了直前には351系にさよならヘッドマークを装着。ヘッドマークのデザインは編成ごとに異なるものでした。営業運転を終了した翌24日には玉川上水車両基地で撮影会が開催されています。

351系の引退により西武鉄道では冷房化率100%を達成。「赤電」こと赤とベージュのツートン塗装車も本線上から姿を消しました。その後、新性能電車の101系や新101系で「赤電」復刻塗装車が登場しましたが、現在は新101系の「赤電」復刻塗装車が1編成(4両)のみ残っています。

西武鉄道多摩湖線で使われていた351系電車(1990年4月、伊藤真悟撮影)。