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バンにスーパーカー並みのパワー

フォードによるワンオフモデル、新型スーパーバン4が公開された。1970年代に商用バンをベースに開発されたレース車両「スーパーバン」の現代版である。

【画像】フォード「スーパーバン」の最新モデル【スーパーバン4をベース車両と写真で比較】 全64枚

これまでのスーパーバンでは、ジャガーのV6エンジンやコスワース製F1エンジン、フォードGT40のV8などを使用してきたが、スーパーバン4は電動パワートレインを搭載し、そのパフォーマンスを披露するショーケースとなっている。

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フォード・スーパーバン4    フォード

スーパーバン4は、最近発表された新型フォードEトランジット・カスタムをベースにしているものの、残されているのは基本的なシルエットのみ。ベース車両の最高出力は約270psだが、今回のワンオフモデルはその約8倍の出力を持つ。

4基の電気モーターを搭載し、スーパーカーロータスエヴァイヤに匹敵する最高出力2000psを発生。0-100km/h加速は2秒以下と、歴代スーパーバンで最速とされている。50kWhのバッテリーは、重量配分を最適化するために車体中央に搭載され、急速充電器ではわずか45分で充電することができる。

ドライブモードは、「ロード」、「トラック」、「ドラッグ」、「ドリフト」、「ラリー」の5種類があり、走行状況に応じて出力特性を調整できる。また、ピットレーンでのスピードリミッターや、片方の車軸をロックしながらもう片方を回転させバーンアウト(タイヤを空転させて加熱すること)を行うという「タイヤクリーニングモード」なども用意されている。

空力を考慮した特殊ボディ

スーパーバン4の開発は、フォード・パフォーマンスとオーストリアの電動ラリー団体STARDの協力により行われた。

ベースとなるEトランジット・カスタムのフロアパンの上には、スチール製のスペースフレームと軽量コンポジットパネルからなるボディが載せられ、サスペンションブレーキ、ステアリングはすべてサーキットで鍛えられたシステムとなっている。

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フォード・スーパーバン4    フォード

大型のフロントスプリッター、サイドスカート、GT3風のリアディフューザーなど、ダウンフォース強化のために過激なエアロパーツが装着されている。ボディ後部は空力を最適化させるために肉抜きされ、リアエンドに向かって細くなる独特の形状となった。それでも車内後部への荷物の積載は可能で、サイドに積載用のドアが設けられている。

キャビンには、フルロールケージとFIA公認のレースシートを装備。フォード・マスタングマッハEから移植されたタッチスクリーンが搭載されており、「レースから一息ついて、ルートを検索したり、充電器を探したり、Wifiに接続して電話をかけたりする」ことができるという。

フォードは次のように述べている。

「スーパーバンは、フォードの先進的なEV技術とコネクティビティの機能性を示すだけでなく、ハイスピード・サイエンスの実験台でもあるのです。その厳しい走行シナリオと制約のない設計コンセプトにより、EVのエンジニアリングとコネクティビティの限界を押し広げ、将来のレースカーや公道走行モデル、ソフトウェア、サービスを改善することができます」


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