明治安田生命J1リーグ第18節、アビスパ福岡vsサンフレッチェ広島が25日にベスト電器スタジアムで行われ、1-3で広島が勝利した。

ミッドウィークに行われた天皇杯では、それぞれグルージャ盛岡横浜FCを下してベスト6入りを決めた両チーム。ただ、リーグ戦に目を向けてみると、福岡はここ6試合でわずか1勝、広島は直近5試合で4勝1分けと、調子の差は如実に表れている。

しかし、天皇杯でターンオーバーした福岡に対し、広島はジュニオール・サントスを除く10名が同じメンバー。疲労が懸念されるなか、11人全員入れ替えた福岡の勝機はそこにあるか。

リーグ最少の13失点と14失点の堅守を誇るチーム同士による一戦。立ち上がりから互いに素早い攻守の入れ替えで強度の高い試合を見せる中、3分に福岡の山岸がファーストシュート。山岸はその直後にも、味方のパスからゴール前に侵入するが、ここはシュートを許してもらえず。

対する広島は11分、満田とのコンビネーションで左サイドのスペースを突いた森島がニアにグラウンダーのクロスを供給。東がダイレクトで合わせたが、ミートしきれず右に逸れた。

見応えのある中盤の攻防が続く中、ホームの福岡は16分、中村が右足で上げた右CKをニアに飛び込んだ山岸がヘディングシュート。マークを外して上手く合わせたが、惜しくも枠の左に外れた。

互いにポストを掠める際どいシュートを放ったが、先にネットを揺らしたのはアウェイチームだった。28分、敵陣中央で野津田がボールを奪い、ショートカウンターを発動。ベン・カリファが持ち運びボックス右にパスを出すと、走り込んだ満田が右足ダイレクトで鋭いシュートをゴール左下に突き刺し、先制点を挙げた。

最少失点の相手から先手を取った広島。その後もボールを握りながら試合を進めていくが、福岡もコンスタントにゴールに迫っていく。すると37分、左サイドから志知が右足でクロスを入れると、今季リーグ戦初出場の渡が頭で合わせ、古巣から点を奪った。

同点で迎えた後半、広島はイエローカードを貰っていたベン・カリファをドウグラス・ヴィエイラに変更。ポストプレーやセットプレーで見せ場を作る。対する福岡は57分、今季のリーグ戦初出場で初ゴールを挙げ、さらには今日が29歳の誕生日だった渡を下げて、クルークスを投入した。

前半に引き続いてタイトな試合が展開されている後半は、中盤での潰し合いが目立ち、両チームともになかなかシュートシーンまで運べない時間が続く。

そんな中、ドウグラス・グローリが満田に与えたファウルを巡って野津田が主審に異議。グローリは満田に躱されたところでユニフォームを引っ張り、バランスが崩れたところに身体をぶつけるプレーに及んだ。故意ではないにせよ危険な行為だったと、怒りを露わにした野津田はここでグローリを押し倒してしまっていた。

結果として2人にイエローカードが提示され、両者ともに累積により次節出場停止となった。

だが、その直後に野津田は次節出場停止となってしまった責任を果たす。77分、相手が押し込んできたところを野津田が味方とのパス交換でひっくり返すと、すかさず前線へ浮き球のスルーパスを供給。これに抜け出したドウグラス・ヴィエイラがGKの頭上を狙ったスルーパスを流し込んだ。

今季のリーグ戦初出場となった前節のセレッソ大阪戦から、天皇杯横浜FC戦を含めてドウグラス・ヴィエイラは3試合連続得点に。復活の兆しを見せるエースの活躍で勝ち越した広島は、直後にフアンマに脅かされるも、ここはGK大迫がしっかりセーブ

守護神も光る広島は86分、機を見てボックス左に侵入した佐々木がクルークスに倒されPKを獲得。横浜FC戦で失敗しているドウグラス・ヴィエイラがキッカーを務めたが、今回はきっちり決めて追加点。これで1-3とした。

その後、広島は野上を投入。福岡は一挙3人替えで一矢報いに掛かるが、試合はこのままタイムアップ。苦しみながらも勝利した広島が今季初の4連勝を収めた。

アビスパ福岡 1-3 サンフレッチェ広島
【福岡】
渡大生(前37)
【広島】
満田誠(前28)
ドウグラス・ヴィエイラ(後32)
ドウグラス・ヴィエイラ(後41)