献血

60代の男性が、「妊娠しているかどうか」を示すことに応じなかったため、献血することを拒否されたというニュースに対して、SNS上で賛否の声が集まっている。


■献血歴50年のベテラン

スコットランドに住む元運転手で66歳の男性レスリー・シンクレアさんは、約50年間に60リットル近い献血をしてきた。いわば献血の大ベテランだ。

しかしこのほど、スターリングにあるアルバートホールクリニックで、「妊娠しているかどうか」の問診事項に答えなかったために献血することを拒否された。


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■過去にトラブルはないが…

クリニックの規定では、妊娠中の女性や生後6ヶ月未満の赤ちゃんがいる女性は、献血をすることができない。しかし、18歳の時から献血に通っているシンクレアさんは、メディアの取材に対して「これまでこのようなことが問題になったことはなかった」と延べている。

また「これは無意味で腹立たしい質問です」「子供を含む多くの人々が助けを必要としているのに、答えようのない質問で私の献血を拒んだのです」と、クリニックの対応に憤った。

■両者の対応が物議を醸す

一方でクリニックのスタッフは、シンクレアさんが質問に答えない限り、彼の血液を受け入れることはできないと主張。一切譲歩する気はないようだ。

また、スコットランド国立輸血サービスのマーク・ターナー教授は「出生時に割り当てられた性別は、スタッフにとって常に明確であるとは限りません」とコメントしている。

しかし、SNSではこの件について、双方の主張の違いが物議を醸している。


■質問を変えるべきだった?

確かにクリニックの主張通り、その人の現在の見た目が出生時の性別と一致しているとは限らない。よってすべての人に対して同じ質問をするのは、合理的と言える。

しかしシンクレアさんの立場になれば、ほとんど無意味な質問によって献血そのものができなくなるのは、本末転倒と感じても無理はない。

SNS上では「答えを拒否するんじゃなくて、ただノーと答えればいいのに」「66歳の男性にその質問は本当に必要?」と、両者の対応について批判の声が上がっている。

また「せっかく献血をしてくれるのだから、こういうイザコザを生まないような質問に変えていくべき」と、前向きな変化を望む声も寄せられていた。

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(文/Sirabee 編集部・びやじま

性別の質問に答えない60代男性の献血を病院が拒否 双方の対応が物議に