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マイホームは、少し前まで社会人にとっては一つのゴールだった。もちろん今も一国一城の主になるべく奮闘している人も多いことだろう。

僕も30代前半までは、「いずれ我が家を持ちたい」とか思って色々と下調べをしたり、現地にリサーチに出向くなどもしていたもの。が、結局「これがいいな」と思う間取り家を住宅展示場で見つけても、帰り道にもっと良い家を見つけてしまうと、なんかもうその時点で馬鹿らしくなってしまった。

しまいには、町一番の金持ち一族が持つ大豪邸を、塀越しに眺めて嫉妬するようにもなっていった。こうして僕は、自分の家に対する欲望の底知れなさに辟易をし、「賃貸でいいんだよ」と自分を説得することとなった。

それに、下手にマイホームを持ってしまうと、それが足かせとなってしまうケースだってある。今回は、家を買ったばっかりに、しんどい目に遭ってしまった人たちの話をしたい。(文:松本ミゾレ)

「あとから引っ越してきた数軒全員が道路族だったり」

先日、ガールズちゃんねる「【賃貸】家を買わない理由」というトピックが立っていた。

このトピックを立てた人物は、以前一度家を建てたのだそうだ。

しかし、「あとから引っ越してきた数軒全員が道路族だったり、向かいの老夫婦からの監視で病んで売ってしまいました」という悲しい経緯があるという。その上で「ご近所ガチャに外れるのが怖くて家を買えず、現在賃貸暮らし」と書き込んでいる。

家を買ったとしても隣人に関しては住んでみないとわからない部分が多い。向かいに住む老夫婦からの監視も、日中は1人で自宅にいる専業主婦だったりすると結構しんどい。道路族にしても、この人、ホント貧乏くじ引いたなぁって思ってしまうところだ。

道路族がそもそも跋扈していることが事前に分かれば回避できるけど、自分が家を買って住んだら道路族も続々やってきて、だとどうしようもない。高くてムダな買い物をさせられたものだと同情してしまう。

それでも家を買いたい?

で、本トピックには他にも家を買うのを躊躇するような迷惑隣人に関する書き込みがあった。ちょっと引用させていただきたい。

「うちのマンションもずっとマンションの前に(筆者注:監視老人が)立っていて、誰かを特定で見てるわけじゃないけど、誰が何した何買ってきたとかを管理して情報通になってる。姉の一軒家の近くにも地主のおばあさんが立っていてみんなの行動を見てるらしいから、老人あるあるなんだと思う」
「前の家の方が犬を飼い始めて、自分の暇な時にしか遊ばなくて放置するから、一日中吠えまくって引っ越しを考えてる。ノイローゼになりそう。散歩も毎日行ってないみたいで、朝から犬放置で出かけるから、ずっと吠えてる。どうしたらいいのか、困ってる。それも、エアコンも入れないで、一日中窓開けてるから、無理。早朝から、夜まで吠えてる」

個人的にはずっと団地育ち、今も賃貸暮らしなので家を買って暮らす人たちの苦労はなかなか理解しにくい部分はある。だけど、家を買うにしたって間取りやらデザインやら住みやすさやらは選べても、隣人までは指定できない。

そこがいわゆるガチャ扱いされちゃう節はあるんだなぁと、実際に家を買っている友人知人なんかの話を聞くと感じる。やっぱり苦労している人もいるようで、それこそ「近所の老人がずっと監視する」みたいなことは同級生も言っていた。その老人がこないだやっと施設に入ったみたいで、「これで監視されずにガーデニングできる」なんて喜んでもいた。

あと、僕の地元にあった住宅街では、毎日日暮れまで大声で怒鳴り散らすおじさんがいて、何に対して怒鳴り散らしてるかは分からないんだけども、そういう人がもし隣人にいたらすごいしんどいだろうなぁと思っていた。クセの強い隣人を引き当てないよう祈りつつ高いお金を出して家を買う……なかなか勇気が要るよね。

夢のマイホーム。たしかに僕も憧れるっちゃ憧れるけど、賃貸の戸建てでも十分満足できるっちゃできるんだよなぁ。悩ましいところである。

「家を買ったら近所の老夫婦に監視されて病んだ」という書き込みに同情しかない