自宅前の木に登り、枝を切っていた男性がハシゴから転落し、頭を打って意識を失った。真っ先にその身を案じたのは飼い犬である。
犬は地面に横たわる飼い主男性の胸のあたりに覆いかぶさり、ぎゅっと抱きついて離れない。
救急隊が到着し、男性の首に器具を巻きつけている間も、意識が戻ってからもずっとその状態で心配そうに抱き着いていた。
アルゼンチン、エノスアイレス州バイアブランカで、自宅前にある木の剪定をしていたのジージャス・フエチェ’28)さんは、誤って2メートルの高さから落ちた。
フエチェさんは、コンクリートの歩道に頭をぶつけ意識を失い倒れ込んでしまった。事故当時、近くにいた家族や近所の人たちは気が付かなかったようだが、愛犬のトニー(オス)だけは違った。
異変を察知したトニーは、フエチェさんの元に駆け寄り、体を守るかのように覆いかぶさり、ぎゅっと抱きしめるような体勢をとったのである。
ほどなくしてフエチェさんは意識を取り戻した。異変に気が付いた家族は救急隊を呼んだが、その間もずっとトニーはフエチェさんの体から離れようとしない。
救急隊が処置を行っている間もフエチェさんの体にくっついたままだ。心配そうにフエチェさんが治療される様子を見守っている。
フエチェさんはトニーを安心させるため、トニーの体をやさしく撫でたが、それでもトニーは離れようとしなかった。
なんとかトニーを引き離し、フエチェさんを救急車に乗せようとした時も、トニーは一緒に乗りこもうとしたそうだが、救急隊や家族はそれを引き留めた。
幸いにもフエチェさんは頭に異常はなく、背中がすこし腫れた程度で済んだという。その日の夜に病院から帰ることができたフエチェさんは、再びトニーに温かく迎え入れられた。
トニーは路上でうろついていたところをフエチェさんが保護し、家族に迎え入れた犬だ。
普段からフエチェさんのことが大好きで、彼がいくところにはどこにでもついていこうとし、寝る時も一緒だ。フエチェさんの奥さんが連れだすまで一緒にベッドで横になっているという。
フエチェさんは「トニーは私にとって正真正銘の息子である」と語っている。
追記:(2022/06/25)本文を一部訂正して再送します。
References:"Para mi es un hijo", confeso el dueno del perro que lo cuido tras el accidente - La Brujula 24 / written by parumo
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