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国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定しているボルネオオランウータンが今月19日、健康な赤ちゃんを出産した。メスが赤ちゃんを取り上げる様子はカメラが捉えており、『People.com』などが伝えて拡散している。

オーストリアウィーンシェーンブルン動物園で19日正午頃、ボルネオオランウータンの“サリ(Sari、13)”が赤ちゃんを産んだ。同園でオランウータンの赤ちゃんが誕生するのは20年ぶりで、出産の様子はカメラに捉えられ同動物園のSNSで公開された。

動画では、干し草の上に座るサリが左手で赤ちゃんを取り上げ、右手で白くて長いへその緒を引っ張り出しているのが見て取れる。サリは初めての出産とは思えぬほど落ち着いており、その後干し草の上に仰向けになると愛おしそうに赤ちゃんを抱きしめた。

分娩からしばらくして落ち着くと、サリは赤ちゃんに何度もキスしており、赤ちゃんを胸に抱きながら歩き回る姿も披露した。

2020年に同園にやってきたサリのお相手は、オランウータンのグループ内の唯一のオスである“ウラジーミル(Vladimir、48)”で、48歳ながら活発な生殖活動がみられるそうだ。ただオランウータンは通常、母親が子育てをするためウラジーミルと他のメスたちは新しい命を興味深そうに見守っているという。

動物学キュレータ一(博士学芸員)のフォルコ・バルファンツさん(Folko Balfanz)は「妊娠後期1か月間のサリ、赤ちゃん、飼育員らの頑張りを誇りに思っています」と語ると、こう続けた。

「全てが上手くいき、みんなが興奮しています。出産した日は普段と変わらない日曜日でしたが、赤ちゃんの誕生はあっという間に知れ渡り、毎日多くの人がやって来るようになりました。」

「赤ちゃんの性別はまだ分かりませんが、まずは母、父、他のオランウータンに受け入れられることがとても重要です。赤ちゃんが健康で安全であること、そして上手く授乳ができていることが確認できて初めて、性別をチェックすることになるのです。」

動物園スタッフによると、全てのオランウータンがすでに赤ちゃんと対面しているそうで、性別が判明するのも時間の問題という。

画像は『Tiergarten Schönbrunn 2022年6月20日付Instagram「Freudige Nachrichten zum Wochenstart!」、2022年6月21日付Instagram「Die Freude über den Orang-Utan-Nachwuchs ist groß」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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