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まじめに勤務していた20代の女性介護士が、少しずつ精神的に不安定に。ついには自殺していたことを、『The Daily Star』など海外のメディアが伝えている。


■遺体を清める重圧

スコットランドで暮らしていたテイラー・ワターソンさん(22)は、2つの介護施設で一生懸命に働くとても勤勉な女性だった。

優しく仕事熱心だったテイラーさんは入居者たちにも慕われていたが、仕事を続けるうちに大きな壁に直面するように。親しい入居者たちの死、そして遺体を清拭・洗浄するエンゼルケアがトラウマになり、精神的なバランスを崩してしまったのだ。


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■家族にも打ち明けた苦悩

テイラーさんは仕事の重圧とトラウマに耐えきれなくなり、辞職を決意。しかしその後は家族や友達を避けるようになり、2021年のクリスマス直前にいきなり自殺した。

生前テイラーさんは家族に苦悩を打ち明け、「何度も遺体を洗う作業を行ったの」「回数も覚えていないほど…」とつらそうに話していたという。

親しかった入居者たちの死に向き合うこと、そしてその後のエンゼルケアは、テイラーさんにとっては耐え難い大きな負担になっていたようだ。

■薬にも頼ったが立ち直れず

テイラーさんは医師にも相談し、精神的に安定するよう薬も出してもらい服用するようになった。それでも立ち直ることができず、結局は死を選んだ。

遺族によると、テイラーさんは「週に2人ほど入居者が亡くなってしまう」と話していたとのこと。担当していた入居者が亡くなるたびに、打ちのめされてしまったようだ。


■元関係者からも悲しみの声

テイラーさんが働いていた施設の代表者はメディアの取材に応じ、「お亡くなりになったと伺い、(テイラーさんを知っていた職員は)とても悲しんでいます」「心よりお悔やみ申し上げます」とコメントした。

また仕事ぶりを振り返り、入居者たちと強い絆で結ばれていたこと、優しく思いやりのある介護士だったとも述べた。

人が亡くなった後に行うエンゼルケアは、遺族にとってはとりわけ大事なこと。テイラーさんも大切な入居者たちを立派に見送るため頑張っていたが、心的ダメージはあまりにも大きかった。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

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