愛犬を連れて農道を散歩していた夫婦が、牛に襲われて大怪我をしたというニュースがイギリスから届いた。2頭の牛に脇腹を踏みつけられた妻は病院に搬送されたが、肋骨6本が折れ、肝臓や肺も損傷を受けていたという。夫婦は「同じようなことが二度と起きないよう、牛の危険性についてもっと認識されるべき」と主張している。『The Mirror』などが伝えた。

英ヨーク地方のポンテフラクトに暮らすマーガレット・ドンロンさん(Margaret Donlon、67)は先月、夫のマーティンさん(Martin、68)と農道を散歩していたところ牛に襲われた。

突然近づいてきた牛に頭突きされた後、踏みつけられたという彼女は肋骨を骨折し、肝臓や肺にも損傷を負ったという。マーガレットさんは当時の状況をこのように振り返っている。

「夫と訪れた(ノースヨークシャー地方の)ヨークシャーデイルズで、愛犬“バーニー(Barney)”を連れて散歩していた時のことです。道の向こうからやって来た女性に『隣の草地に牛がいます。でも離れているから大丈夫ですよ』と言われたんです。警戒しつつも見てみると、そこにはかなりの数の牛が横たわっていて。私はバーニーが牛に近づかないようにリードを短く持って自分のそばに寄せました。」

「そこから50ヤード(約46メートル)ほど進んだところで牛が近づいてきました。追い払おうとすると、横になっていた茶色の大きな牛が立ち上がって私たちの方に向かって来たんです。そして次の瞬間に頭突きされて、地面に倒れた私の脇腹を2頭の牛が踏みつけたのです。夫も地面に頭を打ちつけられましたが何とか立ち上がり、叫びながら格闘していました。牛たちは激高していて本当に恐ろしかったです。」

マーガレットさんはその後、ミドルズブラにある「ザ・ジェームス・クック・ユニバーシティ病院(The James Cook University Hospital)」に搬送され、そこで肋骨が6本骨折しており、肝臓に深い裂傷が確認され、肺はつぶれた状態であることが判明した。またひどい打撲傷があった腰に蹄のような形のあざが残っていたそうで、5日間入院して治療を受けることとなった。

一方のマーティンさんも切り傷や打撲傷を負ったといい、「妻から牛を引き離すためにできることは何でもしようと思い、蹴ったり、叫んだり、1頭の牛にはパンチを食らわせました。本当に怖い思いをしましたが、そんなに長くは続かず、20秒から30秒くらいで牛は私たちから離れていきました」と明かしている。

そんな夫婦は現在、牛の危険性についてもっと認識されるべきだと主張しており、今回の事故についてマーガレットさんは次のように述べている。

「夫がいなければ私の命はなかったでしょう。出産したばかりの牛は非常に攻撃的です。なので牛を責めるつもりはありません。このようなことが他の誰にも起こらないようにするために人々に注意喚起する必要があります。」

牛による攻撃情報サイト「Killer Cows」の運営者であるルース・リビングストン医師(Ruth Livingstone)によると、過去5年間で激高した牛と遭遇したという報告は430件に上ったそうだ。

そのうち23%が軽傷、10%が重傷で、重傷者の7割は骨折など入院が必要な怪我をしたという。残りの3割は臓器の損傷や破裂、または昏睡状態に陥るなど非常に深刻な状態だったとのことだ。

なお「イギリス健康安全局(Health and Safety Executive)」のデータによると、2015年から2020年の間に牛に襲われて命を落とした人は22人で、そのうち18人が農場労働者だった。

画像は『The Mirror 2022年6月22日付「EXCLUSIVE: Woman trampled by cows suffers horror injuries as brave husband fights animals off」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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