突然襲う悲劇や辛い境遇を乗り越えて幸せをつかんだり、生きる上での教訓を伝えてくれる童話や昔話の数々。そんな山あり谷ありの物語に「筋肉」を加えたらどんな化学変化が起こるのか?物理的パワーで古典の筋書きをねじ伏せてしまう漫画が、Twitter上で大きな話題を呼んでいる。

【漫画】「シンデレラ」や「赤ずきん」も筋肉の力で大変貌!本編を読む

カボチャの馬車もガラスの靴も不要!パワーで圧倒するまさかのシンデレラ

人気を集めているのは、コミックヴァルキリーにて『ヤンキー悪役令嬢 転生天下唯我独尊』を連載中の漫画家・赤信号わたる(@GoAkashin)さんが、自身のTwitterなどで発表している「全てを筋肉で解決する童話」シリーズ。発端となったのは、昨年12月に投稿したされた「全てを筋肉で解決するシンデレラ」だ。

シンデレラの物語は、継母や姉たちにいじめられていたシンデレラが、魔法の力でお城の舞踏会に向かい王子に出会い見初められ――、というのが本来の大筋。だがこの漫画に登場するシンデレラは、肩に大きな牛を軽々のせられるたくましい身体の持ち主だった。いかに継母たちがいじわるであろうとも、「お城の舞踏会に連れて行ってくれますよね?」と微笑むシンデレラの威圧感に逆らうことはできなかった。

それでも舞踏会の日、シンデレラを置いて城に向かった継母たち。元のお話ではそんな時魔法使いカボチャの馬車を用意してくれるところ、フィジカル抜群のシンデレラは自らの足で疾走。継母たちより早く城に到着したかと思えば、筋肉フェチの王子に早速見初められ、舞踏会はシンデレラの独壇場と化した。

その後、魔法が解けるからではなく、プロテインの時間を守るために城を去ったシンデレラ。名前も知らない彼女を追い求め、王子はシンデレラの落とし物から行方を探そうとする。が、落としものは片側500キロ、合計1トンの鉄アレイ。そんなものを持ち上げられる人間が二人といるはずもなく、かくして王子とシンデレラは筋肉の力で結ばれたのだった。

どんな試練が待ち受けようと力技で粉砕する超解釈のシンデレラ。本作はTwitter上で12万件を超える大反響を呼び、「力こそがパワー」「死ぬほど笑った」「あまりに凄まじいインパクト」と、多くのユーザーの心を掴んだ。

■童話の不条理を筋肉で吹き飛ばす!シリーズ誕生の裏側

本作をはじめ、「赤ずきん」、「かぐや姫」、「裸の王様」、「西遊記」と古今東西の名作を取り上げ、いずれも筋肉をぶち込み解決してしまう「全てを筋肉で解決する童話」シリーズ。その反響は留まることを知らず、森永製菓の「inゼリー」とコラボし、特設サイト上でも「Eルチン筋肉童話」としてスペシャル漫画も順次公開中だ。

本シリーズの発端について赤信号さんに話を聞くと、「いわゆる“物理”ネタがもともと好きで、とある映画で『魔法使いがあまり魔法を使わずに杖で敵をぶん殴るシーン』を見て爆笑した経験などから、筋肉や物理の力技で解決する話って面白いなと思っていたんです。それをなんとか作品にできないかと考え、誰もがある程度知っている題材の方がいいかなと思って、童話との組み合わせを思いつきました」とのこと。

「童話って悲劇や不条理な部分も多いので、そこを筋肉で吹き飛ばしていきたいですね」と、笑いだけでなく、童話や昔話につきものの悲しさを打ち破ろうという思いもあったのだという。

第一作のシンデレラの時点では「シリーズ化はできたらいいな」ほどのスタンスだったそうで、「大変ありがたいことに一話でかなり反響があったので続編も作ってみることにしました」と、シリーズ展開をはじめた経緯を教えてくれた。

また、コラボレーション企画についても「森永製菓さんからプロテイン商品とのコラボのお話をいただいた時は本当にビックリしましたし『こんなピッタリな企画ある?』と笑ってしまいました。やはり筋肉は偉大ですね」と話し、「コラボ企画も引き続き楽しんでいただければ幸いですし、Web版の方も他にやってみたい話は沢山あるので定期的に発表していきたいと思っています。どうぞ応援よろしくお願いいたします!」と、今後の展開に期待が高まるコメントを寄せた。

取材協力:赤信号わたる(@GoAkashin)

継母のイジワルも筋肉で黙らせる!パワーが解決する超展開シンデレラ/画像提供:赤信号わたる(@GoAkashin)