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 イスラエルで発見された1800年前に死んだ男の墓碑(墓石)には、血のような赤い文字で呪いの言葉が書かれていた。

 墓の主は、ユダヤ教に改宗したヤコブ・ハガーという男で、彼はどうしても自分の墓を荒らされたくなかったようだ。血のように赤い文字で、「この墓をあばく者は呪われる」と記した墓碑を生前から用意していたと思われる。

 文字はまるで血のような色をしているが血ではない。だが、見る者にはぞっとする印象を与え、死してなお、まわりを威嚇する異様な悪意を感じる。

【画像】 赤い文字で呪いの言葉が記された墓碑を発見

 60歳で亡くなった改宗者、ヤコブ・ハガーのこのメッセージが見つかったのは、ユネスコ世界遺産にもなっているガリラヤ、ガリラヤ地方にある古代ユダヤ人の共同墓地ベート・シェアリムだ。

 碑文としては65年ぶりに確認され、この史跡に改宗者が埋葬されていることが明らかになった唯一の例だ。

 1900年前のものと思われる碑文には血のような赤い文字で「この墓をあばく者は呪われるであろう」と書かれている。

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改宗者、ヤコブ・ハガーの墓標(墓石) / image credit:

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呪いの効果はなく、墓標と遺体はバラバラの状態に

 この墓標は昨年、ハイファ大学とスラエル考古学庁が、ベート・シェアリムの発掘調査をしているときに発見したものだ。

 実は現在、この墓標とヤコブが実際に埋葬された場所はバラバラになってしまっている。

 残念なことに、この呪いの言葉に効果はなかったようだ。どこかの時点で、略奪者が墓標を移動させてしまったようで、彼の遺体は見つかっていない。

 テルアビブ大学のジョナサンプライス教授は、墓標の文句は、ヤコブ本人が選んだものらしいと考えている。

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改宗者、ヤコブ・ハガーの墓標(墓石) / image credit:

きっとヤコブは、生前にこの墓を用意したのでしょう。しかし、実際に彼がこの文字を書いたかどうかはわかりません

 プライス教授は言う。

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 ヤコブがどこの出身だったのかもはっきりしないのは、ベート・シェアリムが、東方じゅうのユダヤ人の国際的な埋葬地だったことが知られているからだという。

 ヤコブの出身がどこなのか、彼の遺体が今どこで眠っているのかはともかく、彼の呪いが時を越えて現代の私たちの目に留まり、埋葬された死者を冒涜しないよう警告する墓碑銘のひとつとして加えられるのは確かだ。

References:Archaeologists Discover Ancient Tomb Marker Cursing All Who Enter In Israel / written by konohazuku / edited by / parumo

 
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血のような赤い文字で呪いの言葉が書かれた1800年前の墓碑