新型コロナ対策の給付金について、性風俗事業者が対象外とされているのは「差別だ」として、デリバリーヘルスの事業者が、国などを相手取り、給付金や損害賠償をもとめた裁判。その判決が6月30日、東京地裁であり、岡田幸人裁判長は、原告の請求を退ける判決を言い渡した。

この日の判決を受けて、原告代理人は東京・霞が関記者会見を開いて、「(判決は)国による職業差別を容認した」と批判した。また、原告のデリヘル事業者は、代理人を通じて「非常に残念だ」とするコメントを発表した。原告側は、判決を不服として即日控訴した。

●東京地裁「性風俗事業者を除外することは不合理ではない」

この裁判は、関西地方デリヘルを営む事業者が、持続化給付金や家賃支援給付金の対象から性風俗事業者を外した規定が、「法の下の平等」を定めた憲法14条に反しており、行政による裁量権の逸脱・濫用だとして提訴したもの。

岡田裁判長は「給付基準の策定に当たっては様々な政策的・政治的な考察に基づく検討を要するものといえるから、行政庁の合理的な判断に委ねられている」「給付をすることについて大多数の国民の理解を得られるかどうかについて考慮することが必要だ」と判断。

そのうえで、「性風俗事業者を一律に給付金の対象から除外することは目的との関連において不合理なものではなく、行政庁の合理的な裁量判断の範囲を超えるものではないと認められる」などとして、憲法違反や裁量権の逸脱・濫用とする原告の主張を退けた。

原告代理人の一人、亀石倫子弁護士は判決後の会見で、判決について「国による職業差別を容認したものだ。性風俗事業者を差別してよいというメッセージを社会に与えた。国にとって都合のよい『大多数の国民』を持ち出して、正当化した」と批判した。

●原告「裁判所によって貶められました」

原告は、代理人を通じて次のようなコメントを発表した。

「職業には貴賤があるそうです。法律で認められている職業で、納税をしていても、他のあらゆる職業と性風俗業は違うのだそうです。まともな職業ではないのだそうです。

裁判所までもがそう言いました。裁判所によって貶められました。

私たち性風俗業の人間は、世の中から後ろ指を指されても仕方がないような状況になってしまいます。

むしろ今現在も世の中から後ろ指を指されている。だから諦めろ、後ろ指を指されても仕方がないのだ、と裁判所から言われています。

世の中には様々な仕事があり、そこには働く人がいて、生活があって、仕事に誇りを持っている人もいる。まともな人間であれば、法律に違反しない限りは『全てが大切な仕事』なのだと説明をするのではないでしょうか。そうでなければ、それは職業差別だからです。

『職業差別はしてはいけないけれど、性風俗だけは別だ』と言う裁判所は、まともな仕事をしていると思えません。

そこに生きる人を否定し、未来を閉ざし、その職業を貶め、危険に追いやる、心の無い判決でした。とても危険な判決だと思います。非常に残念です。

しかし、私はまだ裁判所を信じたいです。この判決に心折れることなく闘ってゆきます」

コロナ給付金、性風俗の対象外は「差別といえず」 デリヘル店「職業を貶め、危険に追いやる判決だ」