熱中症のリスクがグッと高まる気温となってきた昨今。しかし体のケアだけでなく、心のケアも決して疎かにしてはならない。

以前ツイッター上では、とある施設の運営者が遭遇した利用客の「心ない行為」に、怒りの声が多数寄せられていたのだ。

【話題のツイート】これは心が折れても仕方ない…


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■悲痛すぎるメッセージが…

注目を集めていたのは、栃木県那須郡にある「なかよし自販機コーナー」のツイッターアカウントが投稿した一件のツイート

なかよし自販機コーナー

同施設は老若男女年代問わずの憩いスポットとして、他ではなかなか味わえないサービスの提供および地域活性化をコンセプトとし、うどん・そばを筆頭にトースト、ハンバーガー、駄菓子など、ユニークな自販機を多数取り揃えている。

なかよし自販機コーナー

眺めているだけで非常に心躍る、まさに「ワクワクが詰まった夢のような空間」なのだが、以前投稿されたツイートには「器が届くまでしばらくの間うどんそばの販売を不定期とさせていただきます、ご迷惑をおかけして申し訳ございません」「今までに灰皿に使われた器もございます、破棄です、こちらの方が効きました」と、あまりに悲痛なメッセージが綴られていたのだ。


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■「喫煙者の肩身が狭くなる」

ツイートには写真が2枚添付されており、片方には「販売停止」の張り紙が貼られた自販機の姿が、そしてもう片方にはタバコの灰と思しき黒い物体が内部に付着した器の様子が確認できる。

あまりに悪質なマナーの利用客に対し、ツイッター上では「こういうのがいるから、私ら喫煙者の肩身が狭くなる」「容器が使い捨てでないと知らなかったとしても、食器を灰皿にするのは信じられない」「せっかくの貴重なうどんそば自販機なのに…なんてことしてるんだ」など、怒りの声が多数寄せられていた。

なかよし自販機コーナー

果たして「なかよし自販機コーナー」で何が起こっていたというのか、同施設の担当者に詳しい話を聞いたところ、衝撃の事実が明らかになったのだ…。

■器が見つかった「状況」に思わず絶句

投稿から数日で1万件近くものRTを記録するほど大きな話題となった今回のツイート

ことの経緯について、担当者は「開店当初から器の紛失が続いており、70個ほどあった器が22個までに減ってしまいました。防犯カメラや定点カメラを見る限り、持っていっている方を把握しているものもありますが…本当に勘違いで持って帰っている方もおりますので、盗難と勘違いの判別が難しく、頭を悩ませています」と、表情を曇らせながら振り返る。

続けて「そんな折に器の灰皿使用があったので、少し気持ちが折れてしまい、今回のツイートをした次第です」と、自身の心境を赤裸々に語ってくれたのだ。

なお、灰皿としての使用が見られたのは今回の一件だけだが、火がついた状態のまま回収カゴに入れられていたため、結果として重ねてある器も処分しなければならなかったという。

つまりこちらの利用者は、器が再利用されることを知らなかったのでなく、「器を回収する」というルールを知った上で器を灰皿として使用していたことになるのだ…。


■本営業までの長き道のり

なかよし自販機コーナー

本営業が開始されてから3ヶ月にも満たない「なかよし自販機コーナー」だがその歴史は古く、器材集め等でじつに20年以上もの年月をかけており、約5年間の仮店舗営業(不定期での営業)を経て、ようやく現在の営業スタイルに落ち着いたという。

一定以上の年齢層にとってはどこかレトロで懐かしく、若年層にとっては逆に新鮮に感じられる、独特の空気感が同施設の魅力だろう。

なかよし自販機コーナー

取材の最後に利用客へ宛てたメッセージについて尋ねると、担当者は「殆どがセルフサービスのお店です。おじいちゃんおばあちゃん・お孫さん、お兄ちゃん・お姉ちゃん・パパ・ママ、マナーを守って楽しく遊んで、皆さんで良い場所・良いスポットを一緒に作って行きましょう。お客様も、県や地域の大切な1ピースです」という粋なコメントを寄せてくれたのだった。

一人ひとりの人間がマナーを守ることで、多くの人にとって大切な憩いの場が守られるという事実を、決して忘れないようにしたい。


【施設詳細】

なかよし自販機コーナー

なかよし自販機コーナー」

栃木県那須郡那珂川町三輪1073

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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