トイ・ストーリー」シリーズの人気キャラクター、バズ・ライトイヤーが“おもちゃ”ではなく“スペース・レンジャー”としてスクリーンに帰ってくる、ディズニーピクサーの最新作『バズ・ライトイヤー』がついに本日より公開!本作で描かれるのは、ウッディやバズの持ち主であるアンディが人生を変えられるほど夢中になって観ていた映画。本稿では「トイ・ストーリー」ファン必見の要素にも触れながら、2週間限定で上映されるIMAXの大スクリーンでこそ味わいたい注目ポイントを紹介していこう。

【写真を見る】宇宙服を脱いだバズがネコと戯れる!?『バズ・ライトイヤー』でバズの新たな一面を発見

■「トイ・ストーリー」ファン必見!バズの新たな魅力を見つけよう

1986年に創立したピクサー・アニメーション・スタジオは、これまで25本の長編映画と数多くの短編映画を制作。アカデミー賞長編アニメーション賞には16作品がノミネートされ、11作品が受賞。まさに世界のアニメ界をリードするスタジオだ。そんなピクサー1995年に発表しアニメの歴史を変えたのが、世界初のフルCGアニメーション映画トイ・ストーリー』(95)だ。カウボーイ人形のウッディを主人公に、人間の知らないおもちゃの世界が描かれるというこれまでにない発想に、子どものみならず大人たちもが魅了された。

その後、ウッディのルーツが明らかになる『トイ・ストーリー2』(99)や、大学生に成長したアンディウッディやバズたちおもちゃとの別れが描かれ世界中を号泣させた『トイ・ストーリー3』(10)が公開されいずれも大ヒットを記録。2019年にはおもちゃたちの新たな旅立ちを描く『トイ・ストーリー4』(19)も公開となり、シリーズ累計興行収入は全世界で30億ドル以上。ほかにも短編映画などのスピンオフ作品も製作されてきた。

そんな「トイ・ストーリー」シリーズでウッディの“相棒”として活躍し、ある時は誰よりも仲間思いな勇敢な姿を見せ、またある時はスペイン語モードでフラメンコを踊ったりといったユーモアたっぷりの姿を見せてきたバズ。今回の『バズ・ライトイヤー』では“スペース・レンジャー”として、これまで見せたことのない新たな表情を次々と見せてくれる。そして「トイ・ストーリー」ファンでも知らなかった新発見が次々と描かれていく。

おなじみの宇宙服に隠された様々なギミックや、右腕に搭載されているレーザーポインターの本当の威力。左腕に搭載された装置の機能。そして、考えてみれば見たことがない宇宙服姿ではないバズの姿。また映画冒頭で謎の惑星に不時着したバズは、惑星の地盤をジャンプして確認したり知的生命体の有無を確認する。この一連は『トイ・ストーリー』でアンディの部屋のベッドに初めて上陸した時と同じ流れ。「トイ・ストーリー」シリーズで見られたバズの行動や発言の元ネタ、ルーツが随所に散りばめられているのも見逃せないポイントの一つだ。

■臨場感抜群!巨大スクリーンで味わうバズのオリジンストーリー

有能なスペース・レンジャーのバズは、自分の力を過信したために1200人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまう。その責任を痛感したバズは、はるか遠い地球へ乗組員全員を帰還させようと危険なハイパー航行にチャレンジする。しかし何度やっても失敗ばかり。

ハイパー航行中の時間経過は数分で通常の数年分に当たるため、いつしかバズは62年以上もの時間を失うことに。大切な親友のアリーシャもこの世を去り、いつしかアリーシャがくれたネコ型の友だちロボット“ソックス”だけが心の支えとなり、孤独を感じ始める。そんななか、ザーグ率いるロボット軍団が迫り、バズはアリーシャの孫であるイジーをはじめとした新米の“ジュニア・パトロール”メンバーたちと共に立ち向かうこととなる。

メガホンをとったアンガス・マクレーン監督は「この映画は大勢の人たちと一緒に大スクリーンで観るために作られた映画。IMAXは最高の映像体験を与えてくれる。僕が大好きな映画を初めて観たのは映画館だったから、その経験を次の世代にも引き継いでいきたい」と本作に込めた大スクリーンへの熱い想いを語っている。IMAXといえば、劇場の壁一面に広がる巨大なスクリーンが持ち味の一つ。本作ではピクサー作品として初めてIMAX画角のアスペクト比1.90:1を約40分間で採用。ほかの劇場のスクリーンで上映されるシネスコサイズの2.39:1の画面よりも上下に最大26%拡大され、視界いっぱいに映画の世界が拡がる。

かつてIMAXが制作していた教育用ドキュメンタリー映画の時代から、近年の「スター・ウォーズ」シリーズやアルフォンソ・キュアロン監督の『ゼロ・グラビティ(13)クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(14)などの劇映画にいたるまで、IMAXの技術と宇宙の映像との親和性の高さはもはや説明要らず。もちろん本作でも、地球上ではなかなか味わえない圧巻の宇宙体験をシアター全体を使って堪能できるといっても過言ではないだろう。

明るさからコントラストなど細部にまでこだわり抜かれた映像を忠実に投影できる巨大なスクリーンと、計算され尽くした繊細なサウンドを可能にした音響と、それらを存分に観客に届けるシアター設計。これらすべての要素が掛け合わさることで、バズが宇宙空間へと飛び立つスリルハイパー航行シーンの臨場感は倍増。そしてイジーが宇宙空間を浮遊するシーンでの息を呑むような静けさは、ほかの映画館では到底味わえない緊張感にあふれている。

ピクサー作品には欠かせない!愛すべきキャラクターたちが大活躍

ディズニーピクサー作品のファンが注目しているのは、やはり個性豊かで魅力的なキャラクターたちの登場ではないだろうか。スペース・レンジャーのバズの隣にウッディたちお馴染みのおもちゃはいないが、ユニークで愛すべきキャラクターたちが新たな仲間として登場する。

まずはバズが親友のアリーシャにプレゼントされた、ネコ型の友だちロボットのソックスハッキングなど様々な能力を発揮する万能ロボットで、バズの強い味方として大活躍。もちろんネコらしい一面を見せることもあって、そのギャップが実に可愛らしい。そしてスペース・レンジャーに憧れるアリーシャの孫のイジーと、失敗ばかりで戦闘能力ゼロのモー、そしてぶっきらぼうながらにくめない、仮釈放中の爆弾作りの達人ダービー

全員が全員異なる個性と魅力を持ち合わせ、一見するとバラバラな彼らだが、そのアンバランスさが絶妙な笑いを誘い、チームとしての成長ぶりを強く感じることができる。そんな彼らが絆を深めていく様子はもちろん、危険なミッションに挑み続け“時間が止まった”バズの傍らで、年齢を重ねていき、結婚し、家庭を築き、上官へと昇進していくアリーシャとの時間のズレが描かれるせつない中盤のシークエンスなど心に染みるシーンも満載。IMAXのクリアなサウンドで味わうからこそ、彼らの会話の一つ一つが味わい深いものへと昇華されるのだろう。

また本作の日本語吹替版でバズ・ライトイヤー役の声優を務めるのは、『孤狼の血 LEVEL2』(21)で第45回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した鈴木亮平。大河ドラマ「西郷どん」やTBS系列日曜劇場TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」など多彩な役柄を巧みにこなす鈴木が命を吹き込む新たなバズの声に注目だ。ほかにも、イジー役に今田美桜ソックス役にかまいたちの山内健司、アリーシャ役にりょう、さらに三木眞一郎、磯辺万沙子、沢城みゆき銀河万丈ら豪華声優陣が集結。日本語吹替版と英語のオリジナル版、どちらも魅力たっぷりだ。

そして物語のカギをにぎる敵役として登場するのは、『トイ・ストーリー2』にも登場したおなじみのザーグだ。同作でウッディを助けだす冒険に繰りだしたバズたちは、途中で立ち寄ったおもちゃ屋でザーグともう一体のバズに遭遇。エレベーターシャフトを舞台に両者はバトルを繰り広げ、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80)にオマージュを捧げたユーモラスなシーンが描かれた。そこで語られたように、ザーグはバズの父親なのだろうか…?本作ではついにその正体が明らかにされる。

もちろん主人公であるバズの大活躍も盛りだくさん。クライマックスには「トイ・ストーリー」ファンが待ちに待った瞬間も訪れ、初めて「トイ・ストーリー」を観た時の興奮がいっきに甦ることだろう。誰もが童心に還り、アンディと同じ気持ちを味わえる至高の体験だからこそ、ほかのすべてを忘れられるほど没入できるIMAXでの鑑賞がうってつけだ。IMAXでの上映は2週間限定。乗り遅れないように、いますぐ無限の彼方へ飛び立とう!

文/久保田 和馬

IMAXで無限の彼方へ!『バズ・ライトイヤー』のIMAXでの見どころを紹介/[c]2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.