予期せぬカミングアウトをされたとき、戸惑ってしまうことや拒否してしまうのは仕方のないことです。けれど「どうしてそんな話を?」と怒り狂う前に、「勇気を出して告白してくれたのかも?」と考えてみることも大切かもしれません。

結婚
※画像はイメージです(以下同じ)
 田端漣さん(仮名・27歳)は、出会い系アプリを通じて知り合ったスズさん(仮名・23歳)と、お付き合いすることになり、胸を躍らせていたと言います。それもそのはず、田端さんにとっては、女性とのはじめてのお付き合いだったからです。

マッチングアプリで出会った彼女

アプリに登録してすぐは冷やかしのような人も多く、やっぱり僕のビジュアルがダメなのかと落ち込みました。スズからアプローチがあったのはそんなときだったので、すごく嬉しかったです。それに、実在するのかと疑うほどかわいい写真で驚きました

 アプリを通じてお互いのことを話しながら打ち解けてきた頃、スズさんからのアプローチがあり合うことに。待ち合わせ場所で待っていると、出会い系アプリプロフィール写真を劣化させたような女性がやってきて、「スズです」と名乗ったそうです。

「はっきり言って、見た目には少し幻滅しました。でもスズはアプリ内と同じように明るくて、話していると楽しい気持ちにしてくれたのです。ズボラな僕とは違って連絡もマメでしたし、デート手作り弁当や焼き菓子を持って来てくれるのも嬉しかったです」

出会って3か月で「結婚したい」

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 美術館水族館では、押しつけがましくない程度に絵や魚の名前を教えてくれるなど博識ぶりを披露。そういう一面も持っていながら、遊園地では絶叫マシンを怖がって田端さんを頼ってくれるなど、理想の彼女像とピッタリ重なっていました。

「そして、付き合うことに。そのあともスズは、積極的にグイグイと僕にアプローチしてきてくれたのです。『結婚したい』とも言われ、『まだ出会って3か月なのに?』と躊躇する気持ちもあったのですが、すっかり舞い上がってしまいました」

 そして、自分のために手料理を振る舞ってくれたり、大好きだと言ってくれたりする涼香さんの気持ちに応えたいと、結婚を決意。ブライダルの本を買ったり、式場をネット検索したりと、ルンルンで準備をしていた田端さんでしたが……。

「スズは、日に日にトーンダウンしていきました。僕とのテンションの差に引いてしまったのかもしれないと心配していたとき、スズが急に泣き出したのです。それは式場も決まり、準備を進めていたある日、自宅でいっしょに食事をしていたときでした」

アプリは結婚相手を捜していただけ?

実録!私の結婚トラブル

 驚いて事情を聞いた田端さんですが、スズさんの告白に思わず頭が真っ白になってしまいます。実はいま、スズさんは「赤ちゃんがいる」と、妊娠中だったのです。もちろん2人にも営みはあったものの、田端さんの子供ではないと否定されてしまいます。

「じゃあ、『誰の子?』ってなります。思わず、そうスズに聞いていました。すると、『元カレの子供』だと言うのです。どうしても子供を堕したくなかったスズは、僕と知り合ったあの出会い系アプリで、結婚相手を捜していただけだったと話してくれました」

 田端さんは、知らないあいだに、ほかの男と作った子供の父親にさせられるところだったという真実に苛立ちます。そんな田端さんの気持ちを知ってか知らずか、スズさんは「大手企業に勤務するやさしい男性なら誰でもいいと思っていた」と続けたのです。

結婚をし、子供を育てると決断

 これには、田端さんも「いい加減にしろ!」と怒鳴りつけたと言います。スズさんは、そんな田端さんの目を見つめ、「でも、あなたのことを本気で好きになりはじめている。だからこそ、このまま嘘をついて結婚をするわけにはいかない」と別れを告げられそうになります。

「少し考えたいと言って帰ってもらい、しばらくは会うことも連絡することもしませんでした。一時は別れることも考えましたが、いままで2人で積み上げてきた思い出や勇気を出して告白してくれたスズの人間性を信じることにしたのです」

 田端さんは涼香さんと結婚をし、子供を育てると決断。いまは2人目も生まれ、幸せな日々を送っているとのことでした。「お互い隠し事がなくなり、距離が縮まった」とも話してくれた田端さん。衝撃の告白が、人生のプラスに作用することもあるのかもしれませんね。

TEXT/夏川夏実 イラスト/本田しずまる(@hondashizumaru)>

―特集・実録!私の結婚トラブル

【夏川夏実】

フリーライター