高齢者・老夫婦

大きな病気を患った夫に、元気になってもらいたい。そう考え治療を勧めたが「先立たれてしまった」という女性が、「私のせいでこんなことに…」という罪の意識に苦しんでいる。


■突然のがん宣告

海外で暮らす女性(68)の夫(70)が、今年に入ってすぐの頃にがん宣告を受けた。結婚から40年。幸せだったふたりは事実に打ちのめされたが、病院の医師たちは「すぐにでも抗がん剤治療を始めましょう」と勧めてくれたという。

女性もそれに喜び安堵したが、夫の反応はイマイチ。そのまま入院することを嫌がり、とりあえずは家に帰りたいと言い出したのだ。


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■死因はまさかの…

夫は「自宅に戻りたい」と望んだが、心配した女性は「すぐに抗がん剤治療を受けたほうがいい」と説得。夫もそれに応じ治療を受け始めたが、副作用で体力が著しく低下してしまった。

そんななか、夫は新型コロナウイルスに感染。弱っていた夫はウイルスに打ち勝つことができず、そのまま衰弱し息を引き取ってしまった。

■自分を責め苦しむ日々

「あのタイミングで抗がん剤治療を受けるよう説得しなければ、夫はコロナに感染しても回復し生きていられたのではないか」。女性はそんな罪悪感に苦しみ、夜も眠れなくなってしまったのだという。

夫が亡くなったのは自分のせいという思いが頭から離れず苦しんでいる女性が、海外メディア『The Sun』のお悩み相談コーナー「Dear Deidre」で心境を打ち明け、助言を求めた。


■「罪悪感を抱かないで」と助言

女性のアドバイスに目を通した回答者は「こうなることは予想不可能だったのです」「自分を責めるべきではありません」と助言した。また夫を愛していたからこそ一番良いと思うことを勧めた点を指摘し、夫も分かっていたはずだと主張している。

さらに、愛する人に先立たれ罪悪感を抱く人は、実際に多いとのこと。つらい時にはカウンセラーに話してみるのも良いことだともアドバイスした。

死別は多くの人が経験することで、なかには「立ち直れない」という人もいる。心療内科などに行けば、専門家がそういう苦しみに耳を傾け立ち直りをサポートしてくれる。必要な人は、ぜひ病院に行ってみていただきたい。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

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