◆稀有な「女流パチプロ」の存在

 パチンコで勝ち続けることは簡単なことではないが、プラス収支を積み重ねている「パチプロ」は今も存在している。昨今のパチンコ人口減少やコロナ禍の影響で減っているようだが、一般的な仕事を全くしない「専業プロ」も、まだまだ存在しているようだ。

 しかし「女性の専業パチプロ」というのは、パチンコ業界で活動していた筆者も、あまり聞いたことがない。そもそも遊技人口の約8割が男性とも言われており、パチンコ店にはプロ以前に女性が少ないのである。

 ただ、パチンコ業界でも有名な「女流パチプロ」がいることをご存知だろうか。現在は『パチンコ必勝ガイド』などでライター活動をしている「ちょび」さんだ。彼女は、凄腕の男性パチプロから「ちょびには勝てない」と言わしめる程、女性随一のパチプロといえる存在だろう。パチンコライターとなる以前は、10年もの間「専業プロ」として活動していた彼女に、女流パチプロならではの話を伺った。

◆“ジグマ”パチプロとの出会い

 そもそもなぜパチンコを始め、なぜ勝ちを真剣に追い求めるようになったのだろうか。そのルーツを聞くと、「思わぬ出会いが人生を左右しました」と語った。

「大学1年生のころ、当時付き合っていた人にパチンコ店へと連れて行かれました。もちろん勝ち方なんかわからず、最初は『パチンコって勝てるのかな?』と思っていましたね。

その時よく行っていたお店では、出玉とか貯玉のランキングが店の壁に張り出されていたんです。そこで常に1位に君臨しているおじさんがいました。“のほほ~ん”としたおじさんだったんですけど、たしかにいつ見ても後ろに玉を積んでいたので、『勝つためには何かがあるんだろうな』と思い、その人に声をかけてみたんです。『すみません、どうやって勝つんですか?』って……。

そのおじさんは、基本的に同じ店でしか打たない“ジグマ”と呼ばれるプロで、勝ち方を聞いてきた私に『勝ち方を知りたかったら黙ってジャグラーを3か月打ってみろ。この店のクセがわかるようになるから』と、パチプロとしての第一歩となる知識を教えてくれたんです。そこからは、その人がいれば声をかけて、勝つためのさまざまなことを教えてもらうようになりました。後に連絡先を交換して、10年以上経った今でもその人と連絡をとっています。最近の収支はさすがに厳しくなってきていると言ってましたが、それでも今も専業プロとしてやっているみたいです」

レディースデイが熱かった時代

 パチンコ業界は2011年に広告宣伝が規制され、「◯がつく日が熱い!」といった、わかりやすい広告が打てなくなった。しかしそれ以前は、各パチンコ店がさまざまなイベントを行なっており、一部店舗では女性しか打てないコーナーを設けるレディースデイ」があったそうだ。

パチンコ店のイベントが規制される前は『レディースデイ』をやっている店がありました。その日だけ『女性専用コーナー』ができて、そこの台がとにかく甘かったんです。例えば『今日は冬ソナ全台が女性専用』みたいな感じで、女性が好きそうな台が女性専用となるんですが、もう明らかにほかの台よりも優秀な台が並んでいまして……。レディースデイをやっている店を探して、そこを目指して行ったこともありました。

でも、自分以外でレディースデイを狙っていたパチプロは見たことなかったです。女性のプロが少ないからこそ、甘く扱えていたのもあると思います

◆「男性だったら出禁です」と言われたことも

 続けてちょびさんは、「パチンコ店ではレディースデイ以外にも、“女性だから得をしたこと”があった」と語った。

「女性限定イベントはなくなりましたが、今でも私が女性だから得をしたことはありました。例えばパチンコで巧い打ち方をして玉を増やしたとしたら、最近はすぐに裏のデータでわかるじゃないですか。技術介入をしながら打っていると、たまに厳しいお店だと注意されることがありますが、女性の私には丁寧な口調で注意してくれたりします。

つい最近もパチンコを打っていた時、店員さんに声をかけられ、『止め打ちしていますよね。男性だったら即出禁ですよ』と言われました。その言葉が嘘か本当かわかりませんが、本当なら『女性だから出禁を見逃してもらった』ってことですよね(笑)

◆女流パチプロは「一般客に溶け込みやすい」

 ほとんど男しかいないパチプロの世界だからこそ、さまざまな恩恵があると語るちょびさん。パチプロは店員にマークされることも気をつけなければならないが、女性の場合、外見的にマークされることは少ないようだ。

「パチプロをやっていても、女性だと『一般客に溶け込みやすい』というのはメリットとして挙げられます。男性のパチプロは独特で、ひと目見ただけでプロだとわかる人も多いですよね。厳しいお店の店員さんなら、見た目でマークを始めることもあると思います。でも女性のプロってほとんどいないので、店員さんが裏で出玉のデータを見ない限りはプロだとバレにくいです。

それと、女性の場合はお年寄りと仲良くなれることがありますね。普通男性のパチプロって誰とも話さずに1人で戦う人が多いと思いますが、私はおじいちゃんから飴もらったりします。これはパチプロとか関係なく、女性パチンカーならではの話ですけど。こういうことも溶け込みやすい1つの要因かもしれませんね」

パチンコだけで子供2人を育てた女性パチプロとの出会い

 また、ちょびさんは「凄腕の女流パチプロ同士の交流もある」と語った。長年パチンコだけで生計を立てている女性とは、一体どういった人物なのだろうか。

「女性のパチプロの知り合いも1人だけいます。もう70歳くらいのおばちゃんなんですけど、その人は子供2人をパチンコだけで育てたみたいで(笑)。最初、大海物語2を打っていたとき、『私この台打とうとしたのよー』みたいな感じで話しかけてくれて、そこから仲良くなりました。ご飯に連れて行ってくれることもあったりして、かれこれ15年くらいの仲になります。私が女性のパチプロで凄いと思うのはその人くらいですね」

パチンコライターになったきっかけ

 女流パチプロとして活動し「日当約3万円を目指す生活を毎日のように過ごしていた」と語るちょびさん。10年もの専業プロ生活から、なぜライターへ転身をしたのだろうか。

「パチプロって、毎日パチンコ店に朝早くから行って夜遅くまでずっと打っている生活なんです。これを10年やって、さすがに疲れてしまいまして……。

疲れ果てた時にパチプロをやめることにしたのですが、『最後にプロとしてやっていた経験や知識を何かしらの形に残そう』と思い、その話を知り合いのパチプロに相談しました。そしたらそのプロの方から、パチンコ必勝ガイドのライターの、バイク修次郎さんを紹介してもらうことになったんです。そこから話がトントン進んでいき、すぐにパチンコライターとしてデビューすることになりました。パチンコ雑誌は全く読んだことなかったんですけどね……。

その雑誌で勝った時の知識を書いて、すぐやめようとも思っていましたが、ズルズルと10年もやってきてしまいました(笑)。でも1つの仕事を10年も続けられたという意味で言うと、バイクさんを紹介してくれたパチプロの方には心から感謝しています」

パチンコで勝ちたいなら「打ちながらスマホを見ない方が良い」理由

 そしてライターになってからも10年が経ち、パチプロ系ライターとして第一線を走り続けているちょびさんに「パチンコに勝つためのコツ」を聞いた。すると、一般ユーザーだけでなく、ある程度のパチプロすらもやっているスマホをいじりながらの遊技」に対して苦言を呈した。

「私は今でもスマホ見ながら打つことはできません。基本的には玉の動きを1日中ひたすら見続けています。演出もたまには見ますけど(笑)

パチプロは通常回転をいかに回すかが勝負なので、無駄玉を出さずに保留4つに近い状態で打ち続けることが大切です。ずっと同じ位置に玉を打ち続けても、玉の温度や油の着き具合ですぐに回転率が変わります。だから、スマホを見ながら打つ人を見ると『そんな打ち方して怖くないのかな?』と思ってしまいますね。玉の温度は実際に実験したことはないので根拠はありませんが、感覚的に確実にズレていくのがわかるので。とにかく、一日中ずーっと打ち出すベストの位置を探し続けている感じです

 最後にちょびさんは、「パチンコで勝つことは根気がいることです」と語った。近くに座っているパチプロがトイレに行ったら「よし!その間に1回転でも多く回して差をつけるぞ!」といった思考になると言うのだから、日本でもトップクラスのパチプロであることは間違いない。今のパチンコについても「波は荒いですが、ちゃんと打てば勝てます」とのこと。

 女流パチプロとして日本トップクラスちょびさんの言葉には、パチンコで勝ち続けてきたからこその説得力があった。パチンコで勝ちたかったら、遊技中にスマホを見ず、台と1対1で向き合うことから始めてみるべきかもしれない。

取材・文/セールス森田

【セールス森田】
Web編集者ライターパチンコライター動画編集者を経て、現在はWeb媒体を中心に活動中。ジャグリングルービックキューブという特技を武器に、全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント Twitter salesmorita32

パチンコ必勝ガイド(ガイドワークス)のライターとして活躍する「ちょび」さん。ライター活動を始める前は、専業のパチプロとして10年間活動していた 写真/セールス森田