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 見知らぬ人のやさしさを目にした時、心が温かくなる。ブラジルで、ある少女が取った行動が多くの人を感動させた。

 雨の日にびしょ濡れになっていた野良犬を道路脇で見かけた少女は、迷うことなく救いの手を差し伸べた。

 自分が濡れることはいとわず、服を脱いで犬の体を包み込むと、抱きかかえ、置いた傘を拾い上げると、家へと歩き出したのだ。

【画像】 ずぶ濡れ状態で歩道にいた犬を迷うことなく救おうとした少女

 4月19日、ブラジルに住むマヤネ・ロドリゲスさんは、自宅アパートの窓越しから、1人の少女を目撃した。

 雨降る中、下校途中とみられるその少女は歩道で立ち止まると、傘と背負っていたリュックを地面に降ろし、着ていた赤い上着を脱ぎ、再びリュックを背負った。

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 マヤネさんのアパートから少し距離があったため、少女が何をしようとしているのかよく見えなかったため、スマホで動画撮影しながらズームしてみることに。

 するとそこで少女の一連の行動の意味が明らかとなる。少女は、ずぶ濡れになりながら歩道で立ちすくんでいる黒い犬を助けようとしていたのだ。

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 少女は、野良犬を自分の赤い上着で包み込んで抱きかかえた。

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 その後地面に置いた傘を拾い上げると、少女は野良犬を抱きかかえた状態で、再び歩き始めた。犬が濡れないように配慮して傘を差しながら。

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 マヤネさんは感動で胸が打たれた。少女のやさしさが心に響いたという。

 マヤネさんが自身のインスタグラムアカウントでもシェアすると、多くの人から少女の思いやりに感動したという多くの声が寄せられた。

犬は少女の永遠の家族に

 マヤネさんはこの天使のような少女の姿を皆に見てもらいたくて、友人に映像を送り地域のグループアカウントに投稿した。

 すると少女の正体が明らかとなった。

 この少女は12歳のシブリーさんだそうで、その日犬を抱いて帰宅し、母親のレジェーンさんを驚かせたそうだ。

 母親のレジェーンさんはこう語る。

娘は、雨に濡れていただけでなく汗もいっぱいかきながら、両腕に犬を抱えて帰って来ました。

娘のシャツには血がついていて、犬が怪我をしていることを知りました。

 幸い、犬の怪我はたいしたことはなかった。しかし、たった1匹雨の中佇んでいた犬を見たシブリーさんは「自分がなんとかして助けてあげなくちゃ」と思ったようだ。

娘はとてもやさしい子です。野良犬や野良猫を全て幸せにしてあげたいと願っていて、全て家に持ち帰ることができるならそうしたいと思っているほどです。

いつも娘を誇りに思っていますが、今回はより強くそう思えました。(レジェーンさん)

 プレティナと名付けられた犬は、その後シブリーさん一家に正式に家族として迎え入れられた。

 プレティナがなぜ歩道にいたのかは不明だが、シブリーさんに出会ったことで、明るい第2の犬生の道が開けて本当によかった。

 シブリーさんとプレティナの日常は、シブリーさんのインスタグラムアカウント『cibely_stieglmayer』から閲覧可能だ。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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雨でびしょぬれの野良犬を迷うことなく抱きかかえた少女。そして永遠の家族に