現実には絶対に起き得ないと思っている事象を引き起こしてしまった時、皆さんならどんな対処をするだろうか――?

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 今回ご紹介するのは、5月にほるぷ出版より発売された『邪神ちゃんドロップキック』(ユキヲ)。主人公「花園ゆりね」は、ある日古本屋で買った魔導書で悪魔「邪神ちゃん」を召喚してしまった。ただの人間と悪魔。普通なら、人間の立場は弱い。だがしかし、ゆりねは強かった。人間とは思えない鬼畜っぷりに、悪魔である邪神ちゃんの方が押されている、そんなシュールなギャグ漫画だ。

主人公ゆりねは、いわゆる「厨二病」患者である。ロリ服を身に纏い、自らを“地上最強の魔術師”である悪の伝道師“黒のザビエル”と設定付けている、ちょっとイタい女子大生。この漫画には、ゆりねのような厨二病患者がときめきそうなアイテムが多く登場する。そこで、そんな厨二アイテムをピックアップしてみた。

■ロリ服
ロリータにとっての戦闘服であるロリ服は、現実世界からの干渉を許さない、自分を守ってくれるもの。もちろんゆりねも、ずっとロリ服を着用している。ロリ服やゴス服を着ている人が全員厨二病というわけではないが、やはり好まれるのも事実だ。

魔導書、悪魔図鑑など
自分は他の人とは違う、何か特別な力を秘めている。そんな厨二病の方々に必須なのがこれらの本。力を使う時のため、日々勉強…していたり、上級者になると、自分で1から作ってしまったり。ゆりねが邪神ちゃんと会うきっかけとなったのも、魔導書である。

パワーストーン
不思議な力があるとされているパワーストーンは、やっぱり厨二病患者に大人気。数ある石の中から選びぬいた、(脳内設定では)強力な力を持つ特別な石は、何かと味方をしてくれる(恐らく)。邪神ちゃんの友人メデューサの力から守って、ゆりねの石化を防いでくれたのもパワーストーンだ。

■眼帯
日常生活では、本来の姿(もしくは力)は隠している。そこでよく登場するのが眼帯。もちろん、ゆりねも常時眼帯をしている。「どうしたの?」と聞いて言葉を濁されたら、そっとしておいてあげよう。一度話しだすと、止まらなくなる可能性もある。

■武器
人には言えない、何か重い運命を背負っていて、いつ敵が攻めて来るか分からない患者たち。いつでも自分を、そして周りを、世界を守れるように、武器を所持していることも。ゆりねの家にも、¥槍やのこぎりなど、あまり女の子のひとり暮らしの家では見かけないような武器が多数あり、これで邪神ちゃんをいたぶっている。

 このように、いろいろと大変な厨二病患者たち。他にも様々なバリエーションのアイテムがあるが、今回は本書に出てくるものを紹介してみた。周りの患者さん、もしくは自分との共通点はあっただろうか?

 彼女(彼)らは今も恐らく、目には見えない邪神ちゃんのような何かと秘密裏に戦っているのだろう。そうでなくとも、周りが気になったり悩みが尽きなかったり、気苦労の多い世の中。この本を読んで、たまにはゆりねの何事にも動じない強靭な精神、そして自由人っぷりを見習おう!(※ただし危ない行動は脳内に留めておこう!)

文=月乃雫

『邪神ちゃんドロップキック』(ユキヲ/ほるぷ出版)