【この記事の動画を見る】

米ハンバーガーチェーン「バーガーキング」で27年間、1日も欠勤せずに働き続けてきた男性に、これまで4000万円を超える寄付が集まった。寄付を呼びかけたのは父の背中を見て育った娘で、男性は集まったお金である夢を叶えたという。温かいニュースを『FOX 11 Los Angeles』などが伝えた。

ネバダ州ラスベガスに住むケヴィン・フォードさん(Kevin Ford、54)は1995年以来、ハンバーガーチェーン「バーガーキング」のマッカラン国際空港店でキッチンでの調理やレジ係として1日たりとも欠勤せずに働き続けてきた。

そんなケヴィンさんが5月25日、勤続27年を記念して店のマネージャーから贈り物があったことをInstagramで明かし、その中身を紹介したところ大きな反響があった。

それというのもビニールの袋に詰められていたのは映画観賞券1枚、スターバックスのカップ、ペン、キャンディ、チョコレートなどで、動画を見た人々から「27年間働いてきてこれだけ? 悲しくなるね」「せめて映画観賞券は2枚欲しいよね」「勤続25年目にも何ももらえなかったのよね? これは会社としてどうなの?」という声が多数あがったのだ。

そこで6月20日、ケヴィンさんの娘セリーナさん(Seryna)が「働き詰めの父のため、約27000円(200ドル)集められれば」と本人に内緒でクラウドファンディングサイト「GoFundMe」を立ち上げたところ、目標額を大きく上回る寄付が寄せられた。

セリーナさんは「GoFundMe」に父の写真を添え、次のように綴っていた。

「これは私の父で27年間1日も欠勤したことがないわ。父は27年前、私と姉の親権を獲得した時にシングルファーザーとしてバーガーキングでの仕事を始めたの。」

「その後再婚した父は、家族が増えても『会社の健康保険は素晴らしいから』と仕事を継続したわ。そして4人の娘全員が、完全な医療保障付きで高校と大学に進学したの。」

「父は若く見えるけど、退職までもう少しよ。だからその時までずっと仕事は続けるでしょうね。父はお金を求めていないし、お金に対して期待もしていないけど、もし父のことを少しでも祝福してくれるなら寄付をお願いしたい。そうしたらきっと父は孫に会いに行くでしょうから。」

こうしてサイトを立ち上げて8日目のこと、ケヴィンさんの「孫に会いたい」という夢が現実となった。ケヴィンさんは6月28日飛行機ニューヨーク市に飛び、米NBCの朝の情報番組『トゥデイ』に出演、生放送中に孫たちと再会したのだった。

「孫たちにはもう4年以上会っていなくてね。テレビ番組にまで出演させてもらって孫に会えるなんて、ここ数日はずっと泣きっぱなしだったんだ」と明かすケヴィンさん。実は「GoFundMe」には日本時間7月4日の時点で約4450万円(329000ドル)以上の寄付が集まっており、ケヴィンさんには「27年間も同じ会社で欠勤せずに働く人なんてそうはいない。あなたの話を聞いてとても心動かされたよ」「家族との時間を楽しんで!」「大変なこともきっとたくさんあったはず。会社はあなたのような人を大切にすべきだと思う」「とてもインスパイアされた」「素晴らしいと思う」「あなたこそ父親の鑑」「素敵な娘さんに恵まれて良かったね」といったコメントがあがった。

ケヴィンさんは「見知らぬ人たちからのたくさんのサポートに心から感謝している」と述べると、このように続けた。

「集まったお金の使い道は決まってないよ。しばらく孫たちと過ごして、一部は子供たちの大学に充てようと思っている。でも今すぐ退職する予定も休暇を取るつもりもないね。とにかく今は働くよ!」

「セリーナは自慢の娘だし、彼女が私のために骨を折ってくれたことはとてもありがたく思っている。ただ自分が働き続けるのはセリーナや他の娘たち、そして孫たちがいるからこそなんだ。私が頑張ることができるのは、言葉にすることができないほど家族を愛しているからだよ!」

画像は『Kevin Ford 2022年6月22日付Instagram「Thank You For All The Love…」、2022年5月25日付Instagram「People Say You Can’t Keep Workers Nowadays」、2022年6月22日付Instagram「Me and My Daughter Seryna」、2022年6月29日付Instagram「THANK YOU To Steve Carell」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト