
この記事をまとめると
■装備が満載だったり、唯一無二の個性を持っているだけに高額でも人気になりがちだ
軽自動車の高額車はいったいいくらなのか
軽自動車というとボディサイズや排気量に制限がある一方で、税金などの維持費が安く少ないコストで運用できるクルマというイメージが強い。もちろんそれは間違いではないのだが、今では普通車もびっくりの機能や装備を持った軽自動車も珍しくなく、それに伴って車両価格も跳ね上がっているのである。
そこで今回は、軽自動車でありながら高額な車両価格を誇るモデルをピックアップしてご紹介。
といっても、オプションをマシマシにして“300万円オーバー!”とっ言っても「そらそうやろ感」が出てしまうので、純粋に車両本体価格のみで比較してみたい。
ダイハツ/トヨタ コペン GR SPORT:243万7200円
今年の3月にホンダS660が終売したということで、現時点では軽自動車唯一のオープンスポーツカーとなるコペン。そのもっともホットなモデルとなるのが、トヨタとのコラボレーションで誕生した「GR SPORT」だ。
このモデルは、他のGR SPORTと同じく「ファンクショナル・マトリックスグリル」を採用し、前後にはメーカーロゴではなくコペンの頭文字である「C」をあしらったエンブレムを装着。
メカニズム面は、専用のショックアブソーバーや専用チューニングの電動パワーステアリング、ボディ補強やスーパーLSDの標準化(MT車)、専用レカロシートの装着など多岐に渡っている。
それだけに、いわばコンプリートカーとも言える1台なのだが、価格もスペシャルでなんとMTモデルで240万円超。マツダ ロードスターのエントリーグレードが260万円台であることを考えると悩ましい選択となりそうだ。
高額でも長年売り上げ首位をキープ
ホンダ N-BOXカスタム L・ターボ コーディネートスタイル 4WD:225万2800円
“高い軽自動車”として名前の挙がることが多いホンダN-BOX。もっとも高額なグレードではおよそ225万円ということで、同社のフリードに迫る価格となっている。
とはいえ、両側電動スライドドアにフルオートエアコン、本革巻のステアリング&シフトノブ、運転席&助手席シートヒーター内蔵のフルプライムスムースシート表皮(ブラック×ボルドー)、9灯式フルLEDヘッドライトにフルLEDリヤコンビネーションランプなど、高級車に多く採用されるものが標準で装着されているのだ。
さらに、昨年12月のマイナーチェンジでは、パーキングブレーキをオートブレーキホールド付の電子制御式としたことで、レーダークルーズコントロールが渋滞追従機能付きとなるなど、備わる装備の内容はほぼ普通車の上位機種と同等となっている。
こういった装備内容を考えれば、コンパクトカーを凌ぐ価格であることも当然であるし、ファーストカーとして愛用するユーザーが多いというのも納得であるだろう。
番外編 ケータハム スーパーセブン170R:599万5000円
軽自動車の枠の中には収まっているものの、軽自動車というジャンルの枠からは大きくはみ出している気がしなくもないのが、ケータハム スーパーセブン170Rだろう。
1960年代から基本構造を踏襲し続ける本格的なライトウェイトスポーツカーであるセブンシリーズに、軽自動車枠に収まるモデルが登場したのが2013年のこと。リヤアクスルとフェンダーを幅の狭いものにすることで、全幅を軽自動車枠内に収め、搭載するエンジンはスズキから供給される660㏄の3気筒ターボエンジンを採用している。
2021年9月からは、新たにエンジンをK6A型からR06A型に変更し、85馬力を発生。車両重量はわずか440kgだから、並みの普通車ではあっという間に離されてしまうことだろう。
装備マシマシのN-BOXが高額となる一方で、走りに必要なもの以外をすべてそぎ落としたスーパーセブン170RがN-BOXの2倍以上の価格というのも皮肉な感じもするが、少量生産の趣味性の高いクルマということを考えれば妥当な価格ともいえるのではないだろうか。

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