認知の問題だけじゃない! 高齢ドライバーは「老眼」が危険を招く

この記事をまとめると

■高齢による身体の衰えで運転を失敗しない方法を考えた

■視力の衰えを感じたらとにかくスピードを出しすぎないことが重要

■前泊・後泊をしてでも暗い早朝や夜間での運転はなるべく避けたい

高齢者の運転でもっとも気をつけたいのは視力の衰え

 年齢を重ね、身体の衰えによる運転の失敗をしないための訓練法に、特効薬のようなものはないと思う。それより、自身の身体の衰えをまず自覚することが先決だ。日常生活でも、自分は何をやり損なっているか。それはなぜ起きたのか。そこを悲観するのではなく、自覚することからはじまると思う。

 運転も日常生活も、一番の支えは視力だ。老眼になれば、遠近の調節がし難くなったり、遠近の調整に時間を要したりするようになる。また、暗がりでの見通しも悪くなる。近年、私自身が実感するのは、瞬きの時間が長くなっていることだ。つまりその間は、見えていないことになる。

高齢者がクルマの運転で失敗しないために実践したいこと

 目の衰えが自覚できれば、安全に運転するための自己防衛策が考えられる。

 まずは、速度を出し過ぎないことだ。遠近の調節が難しくなったり、時間を要したり、瞬きが長くなったりするということは、時間を要した間にもクルマは先へ行ってしまうことを意味する。

 時速30kmなら、1秒間で8.3m進むが、時速40kmになると11.1mまで行ってしまう。その差は2.8mだ。1秒間で3m近い距離を移動してしまうということは、その間に、路地から子ども自転車が飛び出してきたとき、それを見ていない可能性を高める。交差点の信号確認も同じだ。見ていたつもりでも、現実的には見えていなかった間に、黄や赤に変わっているかもしれない。

高齢者がクルマの運転で失敗しないために実践したいこと

 高速道路を時速100kmで走るのと、時速80kmで走るのでは、やはり速度感が違い、気持ちにゆとりをもてるようになる。しかし、目的地までの所要時間が長くなるため、気がせくかもしれない。だが、100km先の目的地まで、時速80kmで走っても15分余計にかかるだけだ。その分、15分早く出発すればいいと考えればよいのではないか。

高齢者がクルマの運転で失敗しないために実践したいこと

高齢者は明るい時間の移動を心掛ける

 ほかにも、老眼では薄暗がりでの視認性が衰えやすくなるので、できるだけ明るい時間に移動を済ませられる予定を組むよう心がけるのもよい。まだ暗い早朝に出なければならない都合があるなら、前日に目的地に入る前泊を考えてはどうか。帰宅が夜分になりそうなら、一泊して翌朝戻ることも安心材料になりそうだ。

 いずれも、余計な時間がかかるのは事実だ。だが、それによってより安全に、なおかつ自分で運転を続けて移動できるなら、自分にとってその手法が新しい移動の価値観と思えばいい。余分な時間とはいっても、新たな出会いや発見が生まれるかもしれないと思えば、喜びもまた増えるかもしれない。

 電気自動車(EV)に関しては、充電という余計な時間を非難する論調が多い。だが、ゆとりを持った移動を前提に計画し、利用するなら、そこに新たな暮らし方や旅の喜びが潜んでいるかもしれない。

高齢者がクルマの運転で失敗しないために実践したいこと

 年齢を重ねることも、同じだろう。年齢を重ねたら、あえてEVを選んでみる。余裕をもったクルマ利用のきっかけに役立ち、免許証の返納を先へ延ばしながら、運転の喜びや利便性を活かし続けるひとつの考え方ではないか。

高齢者がクルマの運転で失敗しないために実践したいこと

認知の問題だけじゃない! 高齢ドライバーは「老眼」が危険を招く