5日に行われ、ソフトバンクが「6-2」で勝利した楽天戦。試合後に伝えられたソフトバンク藤本博史監督のコメントがネット上で物議を醸している。

 問題となっているのは、「8番・捕手」で先発したプロ4年目の21歳、渡邉陸の途中交代に関するコメント。渡邉はこの日8回表の第4打席までに「4打数2安打・1本塁打・2打点」とマルチ安打・打点をマークし、守備でも7回裏まで大関友久森唯斗の2名をリードし楽天打線を2点に封じる。しかし、藤本監督は8回裏の守備から捕手を渡邉からプロ3年目・24歳の海野隆司に交代した。

 報道によると、試合後に取材に応じた藤本監督は渡邉を途中交代とした理由について「(7回裏の)森が投げたところで間がね。森の(サインに)うなずくのが遅いもんね。最後まで行かそうと思ったんだけど、森が投げた瞬間に大関と違うテンポになったので、それだったら海野の方がいいと思って(8回裏から)代えました」とコメント。森・渡邉のバッテリーが7回裏に2死一、三塁のピンチを招いているが、藤本監督はこの回の渡邉のリードに不安を感じたためと説明したという。

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 藤本監督のコメントを受け、ネット上には「それまで攻守で活躍してたのに、7回裏が怪しかったから即交代っていうのは厳しすぎでは」、「確かにリード面は海野の方が安定してるけど、終盤でリードも4点あったんだから代える必要なかったのでは」、「苦しいプレーが出ても使い続けることで得られる経験もあったと思うんだが」といった疑問の声が多数寄せられた。

 「不可解な交代だとして物議を醸している藤本監督ですが、次戦への悪影響を避ける意図があったということも考えられます。チームは移動日を挟み7日に再度楽天と戦う予定ですが、藤本監督は当初登板予定の千賀滉大が右肘の張りで登板を回避したことを理由に、7日の試合を中継ぎ総動員、いわゆるブルペンデーにする意向だと5日試合前に伝えられています。そのため、7回裏に森と呼吸が合わずピンチを招いた渡邉に8回裏、9回裏もマスクを被らせると、7日に向けて温存しておきたい中継ぎ陣が予期せぬ消耗を強いられてしまう展開になりかねないと危惧して、慎重策として海野に交代したという可能性もゼロではないと思われます。渡邉と森の呼吸が合わなかった理由は不明ですが、両名は5日試合前時点で一軍ではバッテリーを組んだことがなかったため、このことが配球・コースの伝達に影響した面もあったのではないでしょうか」(野球ライター)

 8回裏から出場した海野が又吉克樹(8回裏)、モイネロ(9回裏)をそれぞれ無失点でリードし試合を締めたソフトバンク。ファンの間で物議を醸した渡邉の途中交代だが、結果的には采配的中という形になったようだ。

文 / 柴田雅人

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