中村獅童初音ミクが共演する「超歌舞伎2022 Powered by NTT」の製作発表会見が7月6日、都内で行われ、獅童をはじめ、共演する小川陽喜と澤村國矢が出席。初音ミクが「皆さまとともに、パワーあふれる素敵な舞台をお届けできるよう、お稽古に励んでいます。私たちの想いが詰まった作品を、劇場でぜひご覧ください」とビデオメッセージを寄せた。

2016年の「ニコニコ超会議」で誕生した「超歌舞伎」は、古典歌舞伎NTTが開発した最新テクノロジーが融合した、まったく新しい歌舞伎公演として人気を博し、京都・南座でも上演。今回、幕張メッセを飛び出し、初お目見えの東京・新橋演舞場に加えて、京都、名古屋、福岡の全国4都市での上演が決定した。

「デジタル技術の進歩が年々すごくて、初音ミクさんの歌舞伎の上達ぶりもすごい」と興奮しきりの獅童は、「見どころですか? ヴァーチャルと古典の融合なので、見ていただかないとですが、ペンライトがね(笑)。普段はペンライトを振らないような和服のお客様が喜んでくださって。お年を召した方々も『今度、孫を連れてこようと思う』とおっしゃってくれたり」と語り、「若い世代には、歌舞伎はどうしても敷居が高いですし、ぜひお祭り感覚で楽しんでいただければ。僕自身『超歌舞伎』を通して、興味を持ってもらうことが使命だと思っているので、全身全霊の想いをぶつけたい」と意気込みを語った。

超歌舞伎」の楽しみ方とその魅力をご案内する『超歌舞伎のみかた』で幕を開ける今年の公演。舞踊『萬代春歌舞伎踊(つきせぬはるかぶきおどり)』に続いて、披露される『永遠花誉功(とわのはなほまれのいさおし)』は、大化の改新のきっかけとなった乙巳の変(いっしのへん)における蘇我入鹿討伐を題材とした歌舞伎の作品と、初音ミクの代表曲のひとつ「初音ミクの消失」の世界観をもとに書き下ろされた、「超歌舞伎」の最新作となる。

『永遠花誉功』には息子の陽喜が出演することになり、「夏休み返上で頑張ってもらうしか。熱い最中の長丁場で、体力勝負なので、しっかりやってくれれば。陽喜には負けたくない! ライバルですから」と対抗心メラメラ。当の陽喜はペンライトを手に「(獅童は)ライバルじゃない」と涼しい表情だった。共演する國矢は「1月から比べても、さらに見得がうまくなっている。将来、末恐ろしい」と陽喜の成長に、優しいまなざしを注いでいた。

澤村國矢
左から)小川陽喜、中村獅童

取材・文・撮影(取材会写真)=内田涼

【公演概要】
超歌舞伎2022 Powered by NTT

2022年8月4日(木)~8月7日(日) 福岡・博多座
2022年8月13日(土)~8月16日(火) 名古屋・御園座
2022年8月21日(日)~9月3日(土) 東京・新橋演舞場
2022年9月8日(木)~9月25日(日) 京都・南座

<本公演>
一、超歌舞伎のみかた

二、萬代春歌舞伎踊(つきせぬはるかぶきおどり)v 松岡 亮 作
真柴秀康:中村獅童
出雲のお国:初音ミク
奴國平:澤村國矢
女奴お蝶:中村蝶紫

三、永遠花誉功(とわのはなほまれのいさおし)
松岡 亮 脚本
藤間勘十郎 演出・振付
金輪五郎今国:中村獅童
苧環姫:初音ミク
金輪小五郎陽国:小川陽喜
蘇我入鹿:澤村國矢
定高:中村蝶紫

※本公演 午前の部 / 午後の部 同一演目にて上演します

<リミテッドバージョン>
一、永遠花誉功(とわのはなほまれのいさおし)
松岡 亮 脚本
藤間勘十郎 演出・振付
金輪五郎今国:澤村國矢
苧環姫:初音ミク
蘇我入鹿:中村獅一
定高:中村蝶紫
口上:中村獅童

※リミテッドバージョンは『永遠花誉功』を上演します

左から)澤村國矢、小川陽喜、中村獅童