フランス北部で6月21日、交通事故が発生しトラックに載せられていた120頭の豚が命を落とした。この事故でアメリカを拠点にした世界最大の動物保護団体「PETA」は、死んだ豚に哀悼の意を記した慰霊碑を建てるように呼びかけている。さらに同団体は今回の事故を機に、ヴィーガン菜食主義者)になることを推奨した。『courrier picard』などが伝えた。

動物保護団体「PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)」がこのほど新たな動きを見せた。PETAがアクションを行ったきっかけは、120頭の豚の命が奪われた事故である。ベルギーと国境を接するフランス最北部の地域、オー=ド=フランスノール県で6月21日に発生した事故を受け、PETAは事故の2日後に豚を追悼する記念碑を設置する許可を得るため、ウケルク市長であるサミュエル・ビーバー氏(Samuel Bever)宛に手紙を出した。

PETAが発表したプレスリリースによると、手紙にて「惨事が起こった県道947号線に記念碑を設置する許可」を依頼したという。動物愛護家らは「恐ろしくて辛い思いをして死んだであろう生き物に哀悼の意を表する」ことをアピールしたい考えだ。

ところでPETAの動物愛護運動は、その過激なアピールから賛否が分かれている。「動物は、食べ物、衣類、実験、娯楽、いかなる虐待のためにも存在しているわけではない」がスローガンである同団体は、日本を含めアジア地域でも活動を行っている。同地域を管轄しているのはPETA Asiaで、動物皮製品を使用している高級ブランド店や動物製品を使用している食品企業に対して抗議活動を行っているのだ。

おフランス人の菜食への意識はというと、2.2%の人口が肉を食べない食事に適応しており、24%がなるべく肉を食べないが柔軟な菜食主義のフレキシタリアン、74%は肉食の食事を続けている。一方で過激な菜食主義グループによる暴力的な抗議アピールも行われており、菜食主義についての議論は多くの国民が注目している。

またPETAは今回の事故を通して、もうひとつのメッセージも届けたいとしている。同団体が制作した記念碑のイメージ画像には「この道路でトラック事故に遭い、苦しんで死んだ豚を偲んで。私たちが皆ヴィーガンであれば、このようなことは起きなかったでしょう」と書かれている。この碑文は「豚の彫刻」で装飾されることになるそうだ。

PETAフランス支部(PETA France)の広報担当者であるイリス・ドゥゼ氏は、ヴィーガンになれば「動物を遠い過酷な道中を経て屠殺場まで移送する必要がなくなる」と説明する。同団体によると、今回の事故が起きた道路は死亡事故が定期的に発生しているとのことだ。

今のところ市の責任者は、団体の要求に対して声明を発表していないという。

画像は『20 Minutes 2022年6月22日付「Nord : 120 porcs tués dans un accident de la route」(S. Salom Gomis / Sipa)、2022年6月23日付「Nord : Une association veut ériger un mémorial pour des cochons morts dans un accident」(Peta)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

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