アポロ11号が持ち帰った後、ゴキブリが食べ、胃袋から取り出された「月の砂」がアメリカでオークションにかけられた。それをNASAが所有権を主張していると、『Space.com』『The Guardian』などの海外メディアが報じている。
■アポロ計画の副産物
アメリカ・ニューハンプシャー州で行われたRRオークションに、「ゴキブリに食べられた月のサンプル」が出品された。
これにはアポロ11号の土壌実験のため地球に持ち帰られた月の砂が含まれており、今月23日に競売にかけられる予定だったという。
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■NASAが待ったをかける
NASAの法務顧問事務所は、「アポロ11号の実験における資料の法的所有権はNASAにある」と、月の砂の所有権を主張した。
RRオークションは「サンプルがNASAの所有物であることは明らかであり、否定できません」とNASAの主張を認め、販売を停止している。
■亡くなった昆虫学者から流出
もともとこの月の砂のサンプルは、研究のために昆虫学者の故マリオン・ブリックスさんにNASAから引き渡されたもの。月の物質が生物に与える影響を調べるために砂をゴキブリに与えたが、結果として何の影響も与えなかったと結論づけていた。
また過去にもオークションに出されており、マリオンさんが亡くなった3年後に、家族によって出品された記録も残っている。
■「月資源」ブームが来ている?
近年、月資源には高値が付けられている。今年4月には、同じ月の砂の顕微鏡サンプルが50万4,375ドル(約6,700万円)で取引された。
それ以前にも、旧ソ連のルナ16号が持ち帰った3つの小石は、2018年にサザビーズで85万5,000ドル(約11億円)という値段をつけている。
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