「福井記念」◎脇本雄太/○古性優作/▲吉澤純平/△清水裕友/宿口陽一/柴崎淳/鈴木裕/中本匠栄/野原雅也/森田優弥/松井宏佑/瓜生崇智

 GIウイナーが並ぶラインに割って入るのは、まさに至難のワザと言える。

「福井記念」(7月7日【木】~10日【日】)は、GI戦線で大暴れしている2人のマッチレースになりそうだ。

 脇本雄太が断然の主役を務める。いわきダービー制覇を含めて5場所連続優勝中で、その間17戦14勝、2着3回。3着以下はなく、この成績は、まさに圧巻と言うしかない。東京五輪出場のため、昨年は出場しなかったこの地元記念は前々回まで3連覇を達成していた。野原雅也─脇本─古性優作で並ぶ鉄壁の近畿ライン。番手から仕掛けて圧勝劇を演じる。

 昨年の覇者であり、取手全日本選抜と岸和田高松宮記念杯を制している古性は、脇本のガード役に徹する。ただし、無風で回れるようなら逆転がある。

 あとは乗れてる吉澤純平と底力ある清水裕友だが、あって2着までだろう。

 宿口陽一がSS班としての真価を問われている。好位を主張できるようになり持ち味のまくりが出なくなった。ここは森田優弥─吉澤─宿口の関東トリオ。道中はじっくり脚をためて本領発揮! そんなシーンをファンが待ち望んでいることを忘れてはいけない。

 特選スタートの鈴木裕は、GI3戦全て準決勝進出と健闘している。直線のコース取りは巧みで、3着には押さえておきたい。

【大穴この1車】

 田中誠(福岡・89期)。

 前走の久留米記念初日2着13万5640円まで、6月は3場所で4本の万車券を演出した。記念は4場所走って、3月玉野初日3着と1月豊橋最終日1着でも万車券を出している。タテ脚は鋭い。ゴール前の差し比べになれば、高配当の筋違い決着が期待できる。

【狙い目の伏兵3人】

 恩田淳平(群馬・100期)が4月川崎記念を(【3】【3】【2】【7】)と好走し、続く宇都宮記念でも準決勝に乗った。関東の2班選手は南関とともに13人の大所帯。予選は突破できる。

 やはり関東の1人である河合佑弥(東京・113期)が復調してきた。5月には久留米(【1】【1】【5】)、京王閣(【2】【1】【4】)と2場所連続でファイナリスト入りしている。先行力が戻っているだけに、ラインの先頭で粘ってもおかしくない。

 22歳のルーキーらしからぬ器用さで台頭してきたのが、伊藤旭(熊本・117期)だ。久留米記念(【4】【3】【1】【6】)の準決勝では、清水裕友を8着に沈める金星を手にした。混戦にも動じない自在戦で、どこまで勝ち上がるか注目したい。

山口健治(やまぐちけんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

アサ芸プラス