33歳の若さでこの世を去った伝説のアーティスト、hide。彼の実弟でマネージャーでもあった松本裕士と仲間たちが、困難に立ち向かいながらもhideの音楽を世の中に届けるべく奮闘していく姿を描いた『TELL ME ~hideと見た景色~』が、7月8日(金)に公開される。

【写真を見る】様々な感情を呼び起こすライブシーンは圧巻!hide愛にあふれた作品にファンも「感動で涙が止まらなかった」(30代・女性)

MOVIE WALKER PRESSで実施した試写会には数多くのhideファンが足を運び、「hideに会えた」(30代・女性)、「hideのファンになれてよかったと思いました」(10代・女性)、「とても胸がいっぱいになりました。感動で涙が止まらなかった」(30代・女性)と、満足度も5点満点中4.7点の高評価を集めた。そんなファンお墨付きの本作の見どころをチェックしていきたい。

■人気絶頂のなか、突然旅立ったhide…残された者たちに訪れる困難の日々

松本裕士の著書「兄弟 追憶のhide」(講談社文庫刊)をもとに映画化された本作。1998年5月2日X JAPANのギタリストとして、そしてソロアーティストとして活躍したhideが急逝。葬儀には約5万人が訪れ、日本中が早すぎる別れに悲しみに暮れていた。

そんななか、hideの弟でありパーソナルマネージャーを務めていた裕士(今井翼)は、制作中だったアルバム、決定していた全国ツアーと、彼の意志を継いで音楽を世に届けるべく、hideと共に楽曲を制作していた共同プロデューサーのI.N.A.(塚本高史)をはじめとするhide with Spread Beaverのメンバーたちと再び動きだしていくが、様々な困難に見舞われる。

「hideちゃんと弟さん、I.N.A.ちゃんとの絆が詰まった作品で、涙が止まりませんでした」(20代・女性)

「裏で残された裕士さんやメンバーが、hideさんの曲、イメージ、いろいろなものを守り続け、世に発表しようとしてくれた苦労は想像以上のものでした」(40代・女性)

「hideさんがまた甦ってきたかのような映画でした。裕士さん、I.N.A.さんの苦悩がリアルに伝わりました」(40代・女性)

「残された人々の話。(ファンである)私たちと一緒に、私たち以上に苦しんだ人たちが、未来を作った話」(30代・女性)

世間から浴びせられるバッシング、hideを失い難航するレコーディングなど、葛藤や苦悩にまみれた、知られざる裏側での奮闘の物語に対しては、ファンだからこその共感や感動が数多く寄せられた。

■実在する人物を浮かび上がらせたキャストによる熱演

そんな実話に基づく物語に深みをもたらしているのが、俳優たちの演技によって心情豊かに浮かび上がったキャラクター。主人公の裕士は、幼少期から優秀な兄と比べられながら育ち、大人になってからもウダツの上がらない生活を送っていたところ、両親からの頼みで兄のマネージャーに。音楽についての知識もなく、右往左往しながらもアーティスト“hide”を支えようと奔走していた。

そんな繊細な男を演じているのが、映画初主演となる今井翼。hideに対する遠慮を感じさせる言葉遣いや伏し目がちな姿勢で、裕士の複雑な立場や胸中を表現。あまりに突然の兄hideの急逝に茫然としながらも、兄の音楽を伝えようと奮闘し、そして最後には感情を露わにしていく…。そんな心の移ろいを体現した人間味のある演技には絶賛が並んでいた。

「複雑な立場の人物を繊細に演じていてよかった」(60代・男性)

「今井翼の演技がすばらしかった」(30代・男性)

「裕士さんのいつも人を思いやる姿、優しさが描かれていて、それをすばらしく演じてくれました」(40代・女性)

裕士と共に、バンドの中心として、アルバム制作へ再び動きだすI.N.A.を演じるのは塚本高史。hideを失ったことで音楽性がわからなくなり、スランプに陥ってしまう苦悩とそれでも前に進もうとどこかふっ切れたようにもがいていく様子を絶妙に体現。

「I.N.A.さんが抱えていたであろう重圧や不安、でも未来をhideさんと見たいという芝居がすてきでした」(20代・女性)

「I.N.A.ちゃん本人かと思うような、完璧なお芝居でした」(20代・女性)

など好評を集めていた。そんな塚本はhideの大ファンで、ドキュメンタリー映画『hide 50th anniversary FILMJUNK STORY」』(15)でもナレーションを務めており、今回の撮影現場でもファンゆえの意見をぶつけていたそう。「塚本さんのhide愛も役のなかで感じた」(40代・女性)、「同じhide好きとして、hideをよく知っているからこそできる演技がとてもよかった」(30代・女性)と作品と真摯に向き合う姿勢は、演技を通じてファンにも伝わったようだ。

大役hideを演じたJUONは、ビジュアルや話し方に加えて、圧倒的なカリスマ性と同時に漂わせるチャーミングで優しい空気感まで、見事にhideになりきっており、「最初の『ROCKET DIVE』の収録シーンから、本物のhideちゃんかと思うくらい似ていました。性格や話し方も似ていて、とても印象に残りました」(20代・女性)、「途中からJUONさんがhideさんにしか見えなかった」(30代・女性)といった感想が多数寄せられていた。

また本作では、hideと裕士の幼少期から学生時代までのエピソードも描かれる。hideを語るうえでは外せない、“おばあちゃん子だったこと”にも触れており、「祖母の影響が大きかったのがよくわかった」(40代・女性)、「hideが大好きだったおばあちゃんがイキイキしていたのがよかったです」(30代・男性)、「ファンキーなおばあちゃん、想像どおり」(40代・女性)など、ファンから好評の声が集まっていた。

■hideへの愛情に満ちたシーンが心を震わせる…!

hideの幼少期から幕を開け、hideが亡くなったあとの残された家族、仲間たちの物語…と丁寧に綴られ、波乱に満ちた物語ゆえに観客の心を揺さぶる場面も随所に見られる本作。印象に残ったと多くの人が触れていたのが、hideの弟、裕士への言葉や接し方。例えば、マネージャーになったばかりの裕士が放ったボソッとした挨拶に対して、蹴りを入れながら「聞こえない挨拶ならするな」と説き、弟に喝を入れていく。特に印象的なのが、hideの名言としてファンの間でも知られている「死ぬ気でやれよ。死なねぇから」という言葉。劇中で裕士を奮い立たせるだけでなく、「自分が言われている気がした」(40代・男性)と、観る者の心にも刺さったようだ。

「『死ぬ気でやれよ。死なねぇから』という言葉が非常に胸に残りました」(20代・男性)

「hideさんが弟にキツく愛を持って接するシーンは、愛を感じました」(40代・女性)

周囲には兄弟ということを明かさずに裕士をマネージャーに雇ったhideだが、その言動に見える隠しきれない弟への愛情は多くの人の心に残ったよう。

また、hideが心血を注いだ音楽作りについて「音楽を作るシーンや音のシーン。音楽を作るために考えられない時間と努力を捧げていた」(30代・女性)という言葉が示しているようにミュージシャンに対するリスペクトが感じられる描かれ方がされ、「hideが亡くなってレコーデイングに行き詰まり、すれ違いが起きたシーンは、このあとどうなるのか心配でした」(30代・男性)、「一度バラバラになったメンバーが裕士のおかげで再結集した」(40代・男性)と難航するレコーディングで衝突してしまい…とドラマを生んでいく。

曲が完成しないことから、一度はアルバムの発売が取りやめになり、メンバーもバラバラに…絶望の淵に立たされる裕士とI.N.A.が、互いにhideの突然の旅立ちに対して“泣けない”ことを明かすひと幕もまた多くのファンの心を揺さぶったようで、「裕士さんとI.N.A.ちゃんのシーンは感慨深かったです」(40代・女性)、「『泣けないんです』と、兄の死を受け入れられない、実感できないというつらい気持ちが伝わってきました」(30代・女性)などの言葉が集まっていた。

それでもようやく仕上がった「HURRY GO ROUND」をレコード会社重役の鹿島(津田健次郎)に聞かせ、改めて発売することが決まった、それまでの苦労が報われるひと幕は感動を呼んでおり、以下のような熱い言葉がアンケートには並んでいた。

「鹿島さんの表情を見て、hideの魂が伝わったのだと感じることができた」(10代・女性)

「hideの音楽に心動かされたところがリアルだなと思いました」(20代・女性)

「重役が完成した1曲を聴いて涙するシーン。表情にとてもグッときた」(30代・女性)

「hideをよく知る人だからこそのGOサインにしびれた!」(30代・男性)

■実際の映像を交えて再現された圧巻のライブシーン

そしてなによりも、クライマックスに迎える主役不在でのライブシーンは、「それまでの苦悩が報われた瞬間だと感じました」(30代・女性)、「苦悩や葛藤と闘った末でのライブなので、涙が止まりませんでした」(20代・女性)など、困難を乗り越えてきた家族、仲間たちの想いが一つになる最大の見どころだ。

もちろん、実際のライブ映像を交えながら描かれるhideの音楽やライブの力に純粋に興奮を覚えたとの声も多く、

「hideの映像を使ってのフィナーレ最高!」(40代・女性)

「音楽は残るという、音楽の力を感じた」(40代・女性)

「一緒にライブに参戦している感覚が味わえた」(20代・女性)

「hideの映像が最後にたくさん観られてよかった。まだまだ観ていたかった」(20代・女性)

などのストレートな感想や、革新的で時代を先取りしたhideらしさが詰まったライブを実現した技術について、「いまや普通になりつつある映像とのライブを、当時考えていたこと、実際にやったことを改めてすごいと思った」(30代・女性)といったコメントも散見された。

また、実際に当時ライブに参加したファンからは「行ったライブだったので、泣きました。裕士さん、よく頑張ってくれた!ありがとう」(40代・女性)、「参加していました。始まって皆号泣していたのを思い出しました。『TELL ME』での銀テープ、再現してくださってありがとうございます」(40代・女性)と感謝のメッセージも。ライブに行けなかったファンからも「当時行くことができず、映像等でしか知らなかったライブのシーンを、まるでその場にいるように感じることができました。すばらしかったです」(30代・女性)などの言葉が寄せられた。

「唯一無二」(30代・男性)

「常に音楽へのアンテナを求め続け、音楽を楽しんでいた」(40代・男性)

「音楽と仲間を大切にしてきたところだと思います」(40代・男性)

「ファン想いで、hide自身が一番hideそのものと向き合って活動していたと思うので、その実直さが永遠の魅力につながっていると思います」(30代・女性)

上記のコメントが示している唯一無二かつ、ファンや仲間想いなhideの魅力が存分に感じられる『TELL ME ~hideと見た景色~』。ファンはもちろん、そうでない人も、「“hide”という概念が形になった1本」(30代・男性)とも評された本作を観れば、彼がなぜいまなお多くの人を魅了して止まないのか?その理由がわかることだろう。

構成・文/サンクレイオ翼

ファンも納得!hideへのリスペクトにあふれた『TELL ME ~hideと見た景色~』の見どころを試写会コメントと共にひも解く/[c]2022「TELLME」製作委員会