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話題の「世界一黒いポルシェ」

埼玉県にある光学機器メーカーの光陽オリエントジャパン株式会社が開発した「世界一黒い水性塗料」の黒色無双シリーズ

【画像】真っ黒ポルシェができるまで【作業工程を見る】 全16枚

その最新作となる「真・黒色無双」は可視光域反射率0.6%(一般的な黒色アクリル塗料は2-6%)という圧倒的な黒さを実現したものとなった。

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「ピットワン」が製作した真っ黒ポルシェポルシェ911ターボ(991)が「真・黒色無双」という塗料で全塗装されている。    ピットワン

この真・黒色無双をクルマの車体に塗装してしまったのが、岐阜県でカーショップ「ピットワン」を運営する株式会社極東で、ベースとなったのはポルシェ911ターボ

当然ながら灯火類やウインドウ、タイヤ、そのほかホイールなどは未塗装となるため全体的なシルエットでポルシェであることは判別できるものの、ボディラインの抑揚などは認識できないほど黒一色となっている。

これは真・黒色無双が99.4%という光の吸収率を持つためで、本来であれば光の当たり加減で認識することができるボディラインがまったく浮かび上がらない状態となっているためだ。

そのため、写真でみるとクルマの車体部分だけを黒でベタ塗りしたかのような違和感のある仕上がりとなっているというワケである。

ただしこの真・黒色無双、本来はプラモデルなどに用いる水性アクリル塗料であるため、クルマの車体への塗装は不向きで、耐久性や耐候性、耐摩耗性などは著しく落ちるとのことだった。

真っ黒ポルシェ ネットの声は?

そんなインパクト大の真・黒色無双で全塗装されたポルシェ

ネットの声としては、

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真・黒色無双は99.4%という光の吸収率を持つ。    ピットワン

「現実世界に2D(二次元)が現れたようで、脳の認識能力がバグる」

「レースゲームでボディカラーを変更するときに設定をミスったみたい」

「写真などのモニター越しではなく、実際に見てみたい」

「発売前の新型車のカモフラージュもこの塗装にしたら面白いのではないか」

というような声が多く寄せられていた。

また実際に模型に真・黒色無双を使用したことがあるユーザーからは、

「対象物に塗るのではなく、背景をこの塗料を使ったものにすると、対象物が際立つ」

「強めに触れただけでも性能が損なわれるほど繊細なので、たしかにクルマへの塗装は不向き」

といった意見もあり、今回の試みが特殊なものであることを裏付けていた。

ちなみにアクリル塗料であるため筆塗りも可能だが、エアブラシを使用して塗装した方がより黒さを出すことができるという技術的なコメントもあり、ユーザーの幅広さに驚かされる一幕もあった。

しかし、コメントの多くは「ポルシェに真・黒色無双を塗った」ということについて語っているユーザーが多く、安全面で問題があるのではないかという声が多く聞かれた。

光を反射しないクルマは危険?

公開されたプロモーションムービーが夜の名古屋の街を走行するというもので、きらびやかな夜の街の灯りを一切反射しないポルシェという対比が印象的だったこともあってか、

「光を反射しないクルマが夜間に走行するのは危険なのでは?」

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名古屋の街を走る真っ黒ポルシェ    ピットワン

「夜道にこのクルマが路駐してたら間違いなく突っ込まれる」

「このクルマが原因で事故を起こしたら責任とってもらいたい」

と光を反射しないという最大の特徴をネガティブに捉えてコメントするユーザーが多数となる事態となってしまった。

また、「光を反射しないということは、ADAS(先進運転支援システム)のカメラなどがクルマだと認識しない危険性がある」

「トラックのメッキ加飾が一部車検NGとなるのと同様に、他車を幻惑するということでこれも車検NGなのでは?」といった声もあった。

今回のポルシェについては、公道走行をする前に地元の警察と陸運局に問題ないか確認し、了承を得たうえで走行・撮影を実施しているということなので、現時点で違法性はまったくないということになるが、たしかにADASの誤作動の要因になるのであれば、今後何らかの法改正がなされる可能性もゼロではないだろう。

今回は、あくまでプロモーションを兼ねて本来は模型などに供する塗料をポルシェに塗ったということになるのだが、そのあまりに衝撃的な黒さ故に否定的な意見も出てしまったというのが現状ということで、良くも悪くも話題となってメーカーとしては、してやったり、と思っているのかもしれない。


賛否両論 世界一「黒い」全塗装ポルシェへの声 公道走って危険じゃないの?