映画『ゴッドファーザー』や『ミザリー』で知られるアメリカの名優ジェームズ・カーンさんが亡くなった。82歳だった。名優の突然の訃報に、ロバート・デ・ニーロアル・パチーノら、関係者が追悼メッセージを公表している。

【写真】ジェームズ・カーンさん『ゴッドファーザー』(1972)で演じた長兄ソニー

 「7月6日夜にジミーが亡くなりましたことを、非常に悲しい思いでご報告いたします。家族はみなさまからの愛と心温まる哀悼に感謝しているとともに、この困難な時期に、プライバシーを尊重してくださるようお願いいたします」とカーンさんの公式ツイッターにて発表された。

 カーンさんは、1940年ニューヨーク州ブロンクス生まれ。ミシガン州立大学とホフストラ大学を卒業後、ニューヨークのネイバーフッド・プレイハウスで演技を学んだ。舞台で俳優としてのキャリアを始め、1961年ピーター・フォンダ主演の「Blood, Sweat and Stanley Poole(原題)」でブロードウェイデビューを果たした。

 以来テレビドラマなどに出演し、テレビ映画『ブライアンズ・ソング』(1971)でエミー賞にノミネート。翌年公開された『ゴッドファーザー』(1972)では、コルレオーネ家の血の気の多い長兄ソニーを演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされている。

 このほか、ウォーレン・ベイティ監督の『ディック・トレイシー』(1990)、スティーヴン・キング原作の名作ホラー映画ミザリー』(1990)、ベットミドラーと共演の『フォー・ザ・ボーイズ』(1991)、ウェス・アンダーソン監督の『アンソニーハッピー・モーテル』(1996)などに出演。コワモテの役柄が記憶に残るが、ミュージカルコメディ『ファニー・レディ』(1975)や、クリスマスコメディエルフサンタの国からやってきた〜』にも出演した。また『Hide in Plain Sight(原題)』(1980)ではメガホンも取っている。

 プライベートでは、4度結婚し、4度離婚。5人の子どもをもうけた。『HAWAII FIVE‐0』では、息子のスコット・カーンと親子共演を果たしている。

 名優の突然の訃報に、関係者から追悼のコメントが相次いて公表されている。

 ホフストラ大学のクラスメイトで、映画『雨のなかの女』と『ゴッドファーザー』、『友よ、風に抱かれて』でタッグを組んだ監督のフランシスフォード・コッポラは、Deadlineを通じてコメントを発表。「ジミーは僕の人生を通じ、映画業界の知人の中で一番親しい友人でした。彼の映画、彼が演じた沢山の素晴らしい役は記憶に残ることでしょう。彼は永遠に、(ニューヨーククイーンズの)サニーサイドの旧友で、コラボレーターで、僕の知る最も楽しい人の一人です」と追悼した。

 『ゴッドファーザー』の共演者はPeopleに対して声明を発表し、アル・パチーノは、「名優で名監督、そして大切な友人でした。彼が大好きでした。寂しくなります」とコメント。ロバート・デ・ニーロは、「ジミー逝去の知らせをうけ、とてもとても悲しい」と悼んだ。

 同作で妹を演じたタリア・シャイアは、「ジェームズは善人で、親切で家族を大事にし、広く才能を持った男性でした。彼の素晴らしい才能は、永遠に愛され、記憶に残ることでしょう。彼が大切にしていたご家族に祈りを捧げます」とコメントしている。

『ゴッドファーザー』ジェームズ・カーンさん死去 (C)AFLO