人気ピアニストYouTuber・ハラミちゃんが2022年6月22日、チャンネル登録者数200万人を突破した。YouTubeでの動画投稿を開始して約3年での大台突破である。
人気音楽番組『ミュージックステーション』に出演したり、全国ツアーを開催したりと音楽系YouTuberではこれまで、誰もなし得なかった快挙を次々に達成している彼女。
なぜハラミちゃんはここまでの人気を博し、さまざまな快挙を成し遂げているのだろうか。今回はハラミちゃんの魅力を深掘りするとともに、200万人を突破するまでの道のりを振り返りながら、今後の彼女の活躍を考察していきたい。
■「都庁ピアノ：前前前世」から始まった彼女の躍進
彼女のピアノが注目され始めたのは、都庁のストリートピアノで弾いたRADWIMPSの「前前前世」である。全てはこの動画から始まったといっても過言ではない。
彼女はこの当時、音大を卒業したあと一般企業に就職したが、体調を崩し休職していた。そんなとき、会社の先輩が彼女をストリートピアノに誘い、そこで弾いたのがこの「前前前世」。 この動画が多くの人の目にとまり、彼女はストリートピアノの動画を投稿するようになった。
その後も彼女は動画投稿を続け「鬼滅メドレー」は再生回数1800万回越え、「シンガーソングライター・広瀬香美とのコラボ動画」は1300万回越えなど、頻繁にバズを引き起こしている（再生回数は2022年7月時点）。
また彼女の活動はYouTube上だけに止まらず、 『ミュージックステーション』（テレビ朝日系）への出演やアルバムの販売、全国ツアーの開催など多方面で活躍を見せている。
そして最近では「1分間耳コピチャレンジ」と呼ばれる、音楽をその場で初めて聞いて楽譜を見ずに演奏する、といったショート動画も投稿しながら、チャンネル登録者数を順調に伸ばしている。
このように彼女はYouTubeを軸に据えながらも、音楽番組やツアーなど他のフィールドも活用して、人気に拍車をかけてきたのである。
■はじける笑顔と圧倒的な演奏力で視聴者を虜に
そもそもなぜ、ハラミちゃんは万人から愛され、チャンネル登録者数をここまで伸ばしているのだろうか。もちろん、彼女の圧倒的なピアノ演奏力も人気を博している要因の1つだろう。鍵盤を見ずに完璧な演奏を披露する彼女の姿は、あっぱれだ。しかし彼女の魅力はこの圧倒的な演奏力だけではない。心からピアノを楽しんでいることが伝わる、はじける笑顔が彼女のもう一つの魅力ではないだろうか。
実際のコメント欄でも、彼女の笑顔と楽しそうに音楽を奏でる姿に、好感を寄せている意見が散見されている。
また新R25チャンネルのインタビューによれば、その笑顔は何も作り笑顔ではないようだ。彼女のブレークのきっかけとなった前前前世を弾いた映像を本人が見返してみると、自分がすごく笑顔になっていることに気づいた、という。音楽を弾いていると自然と笑顔になってしまうのだろう。
作り笑顔であれば、ここまで楽しさは伝わらない。この自然体の笑顔で本気でピアノを楽しんでいるからこそ、画面の奥の我々にも「音楽を奏でる楽しさ」がビシビシと伝わってくるのだ。
もちろん彼女の演奏を聴いているだけでも、元気が湧いてくる。ただ彼女は音楽を奏でる楽しさを体現することで、我々視聴者を耳だけでなく目でも楽しませているのだ。これが彼女がここまで人気になった要因だろう。
■目標を作らないハラミちゃんがこれから歩んでいく未来とは
さてチャンネル登録者200万人を超え、さらに勢いづいているハラミちゃんは、これからどこに向かっていくのだろうか。
先述のインタビューによれば、彼女は目標を作らないことを目標にしているよう。YouTubeに対する思いについて「チャンネル登録者数や再生回数の目標を決めてしまうと、音楽を楽しむという感覚からだんだん外れてしまう」「自分が笑顔でいられる活動を大切にしていきたい。少しでも音楽に対して違和感を感じると、自分や視聴者が求めている音楽ではなくなる」と語っている。
このインタビューからもわかるように、彼女は本当に音楽を心の底から楽しもうとしている。チャンネル登録者数や再生回数にはこだわらず、ただ音楽を弾く楽しさを届けたいのだろう。
たしかにチャンネル登録者数は200万人という大台に乗ったが、彼女の動画スタイルや見据えている未来は変わらないだろう。これまでもそして、これからも彼女は音楽を愛する姿を見せて視聴者を楽しませながら、彼女自身も音楽を楽しみ続けてくれるはずだ。
（長谷部竜也）
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