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はじめに

2013年シボレーが欧州市場撤退を発表したとき、従業員の解雇や工場の閉鎖、GMの緩やかな欧州離脱に伴う騒動に、明るい兆しを見出したひとはほとんどいなかったはずだ。しかし、目利きのスポーツカーマニアは、明るいニュースを聞くことができた。

【画像】写真で見るシボレー・コルベットとライバル 全15枚

それが、8代目シボレー・コルベットの正規導入だ。いうまでもなく、70年の歴史を積み重ねたアメリカスポーツの象徴だが、今回は史上初となる右ハンドル仕様を用意してきた。

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テスト車:シボレー・コルベット・クーペ3LT    LUC LACEY

もしシボレーが、もはや欧州市場では忘れられつつあるキャプティバやアヴェオ、オーランドといった廉価なファミリーカーを今も細々と売り続けていたとしたら、メーカー規模でのCO2排出量規制が激しくなる中で、V8エンジンを積むスポーツカーを販売することはできなかったはずだ。

ところが、欧州GMはごく小規模で営業を再開したので、エミッション規制もそれに見合った緩やかなものが適用される。それゆえ、右ハンドルで生産されたコルベットが、欧州GMによってはじめて正規導入される運びとなったのだ。

ただし、英国でこれを購入できる販売店は1軒のみ。サリー州バージニアウォーターイアンアランモータースが、唯一の正規ディーラーだ。

これは、70年の歴史の中でも類を見ないコルベットだ。長年にわたり、このアメリカが誇るスポーツカーとは切っても切り離せなかった、フロントエンジンや横置きコンポジットリーフプリングといった要素と決別したのだから。

それでも、これはコルベットだ。比較的安価で、一体脱着式ルーフパネルを備え、なによりパワフルな大排気量の自然吸気V8を搭載している。ただし、その搭載位置はキャビンの前ではなく背後だ。

とはいえ、結局のところわれわれが知りたいのは、この未知数の要素を盛り込まれたアメリカスポーツがなにを得たのか、そして、ライバルとなる欧州の老舗スポーツカー勢と比較してどうなのか、ということ。さらには、本当にグローバルなミドシップスポーツカーとなったことで、なにか犠牲になったものがあるのだろうか、ということだ。それを確かめていこう。

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

シボレーは過去に幾度も、コルベットのミドシップ化を検討しながら頓挫してきたが、ついにそれを成し遂げた。そのために白紙から設計したことが、右ハンドルの設定が可能になり、しかも誰もがこれまでと変わることがないと思っていたデザインや構造が、技術的な制約を受けずにモダナイズできた。

新開発のシャシーは、バックボーン式アルミスペースフレームで、6.2LのV8は今回も縦置きされるが、置き場所は2シーターのキャビンの背後。8速DCTと、トルクベクタリング機構を備えるリアのアクティブデフを組み合わせ、後輪を駆動する。

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ルーフパネルは、ハンドル3つでロックを解除する。ふたつはフロントインドウ上部、もうひとつは後部の頭上だ。取り外してエンジン後方のトランクに収める作業は、ひとりでもできるが、できれば手助けがほしい。    LUC LACEY

エンジンはほぼアルミ製だが、シリンダーライナーは鋳鉄製で、2バルブをプッシュロッドで作動させるシリンダーヘッドを備える。欧州のエミッション規制に適合させるため手が入り、北米仕様より出力は低下しているが、482ps/62.5kg-mというのは、2022年現在、8万2290ポンド(約1358万円)のスポーツカーとしてはなかなか気前のいい数字だ。

エンジン搭載位置の刷新で、再考を強いられたのが、長年にわたりコルベットが使い続けてきた横置きリーフプリングのサスペンションだ。これまでのコルベットが、きわめて低いボンネットフェンダー、そしてシルエットを実現してきた要因であるが、ミドシップでこれを使うことはできない。

そこでC8コルベットダブルウィッシュボーンサスペンションには、新たに調整可能なコイルオーバーと磁性流体ダンパーが装着された。コイルプリングは、リーフより楽にファインチューニングでき、オーナーがホイールジオメトリーを調整する自由度が上がった。

テスト車に装備された磁性流体ダンパーは、英国仕様では1580ポンド(約26万円)のオプション。だが、アップグレーパッケージのZ51は標準装備で、ハードコイルプリングとブレンボ製の高性能版ブレーキミシュランの高性能タイヤパフォーマンスエキゾーストロー技アードのファイナルレシオ、アクティブトルクベクタリング機構を持つアクティブデフが備わる。

このコルベットは、ミドエンジンスポーツカーの基準に照らすと、大柄で重い。4634mmの全長は、ロータスエミーラより220mm以上、マクラーレンアルトゥーラよりほぼ100mm長い。実測重量は、満タンの実走可能な状態で1679kgで、だいたいエミーラより230kg、アルトゥーラより180kg重い。

エクステリアデザインインパクト満点で、はっきりした線で構成されている。これまでにないキャブフォワードのフォルムで、これにコルベットならではのデザイン要素が組み込まれているのだが、このマッチングには慣れるまで時間がかかりそうだ。

ボンネット周りはランボルギーニ・アヴェンタドールのようなところも、フェラーリF430のようなところもある。ディズニーピクサーデザインしたスーパーカー、とでも言ったらいいだろうか。陽気で好ましく、しかしシンプルだ。

内装 ★★★★★★★★☆☆

これまで通り、キャビンは完全な2シーターだ。しかし、その背後に広がっていた、室内からアクセスできる積載スペースは姿を消し、そこにはエンジンが陣取ることになった。

とはいえ、ラゲッジスペースがなくなったわけではない。フロント120L、リアに230Lのトランクが備わっている。従来モデルオーナーには物足りないかもしれないが、ポルシェ911や718ケイマンに比べれば、日常使いやツーリングにおける利便性や万能性がずっと高いと思える。

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ミドシップ後輪駆動だが、FR車のように高いセンタートンネルが走るキャビンデザインや素材の使い方にも優れ、高級感ある仕立てになっている。    LUC LACEY

主なエルゴノミクスは、ミドエンジンパッケージングの経験を裏切るようなものだ。シートは数タイプ用意されるが、テスト車のコンペティションスポーツシートはかなり厚めのクッションに、十分なサイドサポートが備わる。これよりパッドの薄いGT1やGT2といった仕様は、もう少しくつろげて、乗り降りも楽だ。

もしもより低い着座位置を求めるなら、それらGT系シートがおすすめだ。今回のCS仕様は、理想的なハイトより5cmほど高く座らされ、ヘッドルームが窮屈になるだけでなく、フロントインドウの上枠が視界に入り込む。

キャビンには、このコルベットの車体の基本構造が、好ましくわかりやすいかたちで表れている。高さのあるセンタートンネルは、ドライブシャフトが通っているかのようなバックボーンの存在を物語り、それに沿った峰には空調などの小さなボタンが並んでいる。それに並んでいるのが、ドリンクホルダーやロータリーコントローラー、そして十分な大きさで見つけやすいトランスミッションの操作系だ。

マテリアルの質感や使い方に関するシボレーの水準はきわめて高い。テスト車と同じ3LTグレードなら、ダッシュボードとドアパネルは革張りで、ヘッドライニングはスウェード調マイクロファイバーとなり、高級感満点。スイッチ類などは、見た目も手触りもソリッドだ。

走り ★★★★★★★★☆☆

スポーツカーの値段で買えるスーパーカーというコルベットのポジショニングが、以前よりやや弱くなってしまっているのはやむをえない。1700kg近いウエイトに482psのパワーでは、最新のフェラーリランボルギーニに肩を並べることはできない。C8の設計やスタイリングなら、期待してしまうところではあるのだが。

それでも、このC8を存分に速く走らせることができるドライバーは少ないはずだ。しかし、その数少ない腕利きなら、パフォーマンスに物足りなさを覚えるだろう。

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競合する911にはタイム的にやや及ばないが、数字だけがコルベットの魅力ではない。OHVユニットサウンドは、搭載位置が変わってもすばらしいサウンドを楽しませてくれる。    LUC LACEY

計測したタイムは、このクラスロードテストで現時点のランキングトップに位置するポルシェ911カレラS PDKにわずかながら及ばなかった。C8より150kg軽いカレラSは、すべての項目でより速いタイムを出している。

それでも、0−97km/hが3.9秒というのはみごとなもの。0-100km/h公称値の3.5秒には届かないが、かなりパンチの効いた加速を味わえる。また、変速ありの48−113km/hは3.2秒で、カレラSとの差はコンマ5秒もなく、アルピーヌA110レジャンドGTよりはコンマ7秒早い。

もちろん、コルベットの走りの魅力は、数字だけで語れるものではない。路上で見せるその神秘性を生んでいる大きな要素が、プッシュロッドV8にあるのは新型でも変わらない。その位置が、これまでのつま先の延長線上から、頭の後ろへ移っていてもだ。

低速では混ざりけのない、チャターとタペットのすばらしいリズムを刻み、回転が上がるにつれ金管と木管のオーケストラが加わるようにサウンドが盛り上がっていく。本当に力強いと感じるには4000rpmあたりまで回さなければならないが、レッドラインの6600rpmまでそれが盛り上がり続ける。

サウンドはすばらしく甘美で、間違いなくスムースだ。いらだったような音や、目立ちたがりの爆音ではない。朗々たるシンプルな、耳にうれしい音を聞かせてくれるのだ。

ブレーキペダルのフィールや効き具合の変化具合はみごとで、サーキットでも十分通用する制動力も持ち合わせる。フェードにも強い。

反面、8速DCTのギアボックスには、ちょっとばかり煮詰めの甘さが感じられる。911GT3式に、両パドル同時操作でクラッチを切れるので、サーキット走行で高いレベルコントロール性に貢献するだろうし、公道上ではスムースに変速する。しかし、どのセッティングでも、シフトダウンが期待したほどスムースではない場合も見受けられる。

Dレンジに入れっぱなしにすると、クルージングではやたらとシフトアップし、そこから加速しようとすると、適切なギアを探して無駄に変速する。これは、最新の多段トランスミッションにありがちな傾向だ。

かしこクルマのギアボックスは、キックダウンでの明確なレスポンスを生むため、ペダルを大きく踏み込むと3段程度のスキップシフトも行う。さらにマニュアルモードで低めのギアを選んで走れば、すなおで走りを楽しめるデバイスになってくれる。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

英国仕様のインフォテインメントシステムに関して、グレードによる差はない。8.0インチタッチ式画面、音声認識、14スピーカーのボーズ製オーディオ、ワイヤレスのスマートフォンミラーリング、ワイヤレス充電器が標準装備だ。

入力はすべてタッチ式で、別体の操作デバイスは用意されていない。しかし、画面はダッシュボードセンターコンソールの境界部分にあり、身体を前屈みにしなくても、左手を伸ばせば楽に届く。

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グレードによるインフォテインメントの差はない。際立った機能やグラフィックこそないものの、わかりやすくて使いやすい。ミラーリングのワイヤレス接続も安定していた。    LUC LACEY

実体音量調整ノブがあり、操作性向上に寄与する。グラフィック的にそれほど意欲的なところはなく、ほかと比べてとくに機能が充実しているというわけではないが、わかりやすくて使いやすい。

ボーズのオーディオはパワフルで、再生のクオリティも良好。ちなみに、テスト中は常にAppleスマートフォンを接続し、音楽ストリーミングを使い続けた。

燈火類

欧州仕様には、自動のレベリングとハイ/ロー切り替えが備わるLEDヘッドライトが標準装備。日が長くなったこともあり、テスト中にライトを試す機会はなかった。

ステアリングとペダル

フットウェルは深くて広く、脚が長く大足でも窮屈ではない。ペダルはやや右寄りにオフセットしている。ステアリングコラムの調整幅はまずまずだが、チルト角があともう少しあればいいのに、と思わされる。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

ハンドル仕様であっても、英国の狭い道ではコルベットのボディの大きさは紛らせない。また、低速域では重さもたしかに感じてしまう。

ところが、このミドシップカーは速度が乗り、アダプティブダンパーに扱うべき入力が加わると、やや軽く、より落ち着いて、しかも俊敏に感じられるようになってくる。

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シャシーは、路面変化へ巧みに対応する。とくにツアーモードではそれが顕著だ。ステアリングシャープさと正確さが増し、歴代コルベットから飛躍的に改善された。    LUC LACEY

たしかに、アルピーヌA110のように繊細で軽やかな走りをしそうなところはまったくなく、ロータスエミーラのようにシートや操縦系越しのインフォメーションが鮮明で、一体感を鮮烈に感じさせることもない。

しかし、よりハードな走行モードを選択し、ハイスピードで峠道などを走ると、ワクワクするほどいい感じに緻密なボディコントロールをみせてくれる。その代わり、ツアーモードではバネ上の動きが大きくなり、乗り心地を高める。妥協のないスポーツカーが見せるような路面を拾いすぎる動きを忘れさせ、滋味深い走りを味わえて、よりシンプルコミュニケートできるようになる。

このコルベットステアリングは、ロックトゥロック2.5回転と、とくにクイックではない。このラックのほどよくリラックスしたレスポンスのレートは、このシャシーにぴったりな感じ。切りはじめはやや速めの立ち上がりで、ハンドリングが行きたい方向へ正確に向けることをちょっと気にしすぎているように感じさせる。

おそらくはステアリングに優れた精密さを与えようという狙いなのだろうが、それはちょっと見当違いだ。それでも、すぐに慣れてしまう程度だが。

いずれにせよ、残る感覚は、これまでのコルベットを知っているひとならば抱き続けるだろうもの。なんてすてきでナチュラルステアリングだろう、という感嘆だ。ミドシップカーゆえのより短く高剛性なコラムは、ステアリングにすばらしい正確さや歯切れのよさ、そしてフィールを生んでいる。

これは過去のモデルに比べ、飛躍的に進歩した点のひとつに数えられる。というのも、C8はかなりワイドクルマでありながら、これまでよりずっと楽にライントレースできるからだ。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

高速道路の速度域での長距離ドライブは非常に快適だが、静粛性はあまり高くない。室内騒音は、いうまでもなくルーフを装着した状態で計測した値だが、48〜113km/hで現行911より2dBAほど大きかった。もちろん、その比較対象は決して静かさを誇るようなクルマではないのだが。

その差は、4速全開では5dBAにまで広がる。とはいえ、シボレーのNVH担当エンジニアたちが、高回転域でエンジンルームから聞こえてくる音を、ノイズではなくサウンドと表現するだろことは想像に難くない。つまり、これは楽しむべきものなのだ。騒音値の高さを悔いてはいないだろうし、悔いる必要もない。

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静粛性は高くないが、むしろそのエンジン音は楽しみたい類のサウンドだ。普段使いするなら、全体的にほどよく角が取れるツアーモードをおすすめしたい。    LUC LACEY

このV8サウンドを堪能したいのであれば、ルーフはつけたままのほうがいい。パネルを外すとキャビンの開放感は多少増すが、エンジン音は風音にかき消されてしまうだろう。

乗り心地は、ツアーモードではほどよくダンピングが効いていて、ロールや路面に追従した動きは、このクルマキャラクターがそこそこ感じられるくらいには許容されるが、過剰ではない。そのモードだと、ほかのモードほど歯切れのいいコーナリングは期待できない。その代わり、ラインを外すことのない走りや、長く弧を描くコーナー高速道路インターチェンジなどでの挙動は、じつに心地いい。

購入と維持 ★★★★★★★★★☆

アメリカ本国で購入するのに比べれば、それほどお買い得とは言えないかもしれないが、競合する欧州製スポーツカーと比べれば、8万ポンド(約1320万円)程度のクルマとしてはかなり充実した内容だ。

実用的なスペースパワーソウルパフォーマンス、そしてスポーティなヴィジュアル存在感お値段以上ネックは、英国内にディーラーが1軒しかないということだろう。ただし、欧州GMは今後ショールームを増やすべきか検討中らしい。英国での右ハンドル車の需要は、欧州全体での左ハンドルのそれに匹敵するとのことで、昨年初頭に1年半とされた納車待ちは、いまだ短縮される兆しがない。

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残価率の予想は、911ほど高くはない。1年半待ちという右ハンドル車の需要を考えると、これは意外だった。それでも、絶対的にみれば悪い数字ではない。

覚えておいて欲しいのは、トリップコンピューターが表示する燃費計が、アメリカ基準のマイルガロンで表示されることだ。ソフトウェアの改修は進められているようだが、現時点では自分で換算する必要がある。それを踏まえて、穏やかなツーリングでの燃費を算出すると、11.6km/Lほど。しかし、魅力的なV8の実力をフルに引き出そうとすると、その倍近い燃料を消費することになる。

スペック

レイアウト

第8世代のコルベットは、歴代初のミドシップレイアウトを採用。同時にスプリングは、伝統の横置きリーフからよりチューニングしやすいコイルへと変更された。

サウペンションは前後ともダブルウィッシュボーンで、欧州仕様は磁性流体ダンパーが標準装備される。前後重量配分は、実測で39:61だった。

エンジン

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FRからMRへと、レイアウトを全面刷新したC8コルベット。もうひとつ大きく変わったのはサスペンションのスプリングで、伝統のリーフからコイルへ変更された。

駆動方式:ミドシップ縦置き後輪駆動
形式:V型8気筒6162cc、ガソリン
ブロックヘッドアルミニウム
ボア×ストローク:φ103.3×92.0mm
圧縮比:11.5:1
バルブ配置:2バルブOHV
最高出力:482ps/6450rpm
最大トルク:62.5kg-m/4500rpm
エンジン許容回転数:6600rpm
馬力荷重比:291ps/t
トルク荷重比:37.7kg-m/t
エンジン比出力:78ps/L

ボディ/シャシー

全長:4634mm
ホイールベース2722mm
オーバーハング(前):1037mm
オーバーハング(後):875mm

全幅(ミラー含む):2140mm
全幅(両ドア開き):3940mm

全高:1235mm
全高(テールゲート開き):1850mm

足元長さ(前席):最大1080mm
足元長さ(後席):最大−mm
座面~天井(前席):最大940mm
座面~天井(後席):−mm

積載容量・前/後:120/230L

構造:アルミバックボーン式スペースフレーム
車両重量:1655kg(公称値)/1679kg(実測値)
抗力係数:−
ホイール前/後:8.5Jx19/11.0Jx20
タイヤ前/後:245/35 ZR19/305/30 ZR20
ミシュランパイロットスポーツ4S
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:8速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:2.91/8.7 
2速:1.76/14.3 
3速:1.22/20.6 
4速:0.88/28.6 
5速:0.65/38.8    
6速:0.51/49.4 
7速:0.40/62.9 
8速:0.33/76.3 
最終減速比:5.17:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:8.1km/L
ツーリング:11.6km/L
動力性能計測時:2.6km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.1km/L
中速(郊外):8.3km/L
高速(高速道路):10.4km/L
超高速:10.2km/L
混合:8.2km/L

燃料タンク容量:70L
現実的な航続距離:565km
CO2排出量:277g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーンコイルプリング、スタビライザ
後:ダブルウィッシュボーンコイルプリング、スタビライザ

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:11.1m

ブレーキ

前:345mm通気冷却式ディスク
後:350mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABSブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電気式、ダッシュボード下部にレバー設置

静粛性

アイドリング:50dBA
全開時(4速):89dBA
48km/h走行時:66dBA
80km/h走行時:71dBA
113km/h走行時:76dBA

安全装備

ABS/EBD/ESC/側方死角警告/後方クロストラフィック警告/自動緊急通報
Euro N CAPテスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.4秒
0-50(80):3.1秒
0-60(97):3.9秒
0-70(113):5.0秒
0-80(129):6.2秒
0-90(145):7.5秒
0-100(161):9.1秒
0-110(177):10.9秒
0-120193):13.2秒
0-130209):15.9秒
0-140(225):19.2秒
0-150(241):23.4秒
0-402m発進加速:12.3秒(到達速度:188.1km/h)
0-1000m発進加速:22.3秒(到達速度:238.3km/h)

ライバルの発進加速

ライバルの発進加速
ポルシェ911カレラS PDK(2019年
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
0-30マイル/時(48km/h):1.5秒
0-40(64):2.1秒
0-50(80):2.7秒
0-60(97):3.4秒
0-70(113):4.3秒
0-80(129):5.3秒
0-90(145):6.4秒
0-100(161):7.7秒
0-110(177):9.2秒
0-120193):11.1秒
0-130209):13.2秒
0-140(225):15.8秒
0-150(241):18.9秒
0-402m発進加速:12.0秒(到達速度:201.7km/h)
0-1000m発進加速:21.6秒(到達速度:253.1km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.6秒(2速)/2.3秒(3速)

30-50(48-80):1.6秒(2速)/2.2秒(3速)/3.2秒(4速)/4.5秒(5速)

40-60(64-97):2.1秒(3速)/3.1秒(4速)/4.4秒(5速)/6.2秒(6速)

50-70(80-113):2.1秒(3速)/3.1秒(4速)/4.4秒(5速)/6.2秒(6速)/8.9秒(7速)

60-80(97-129):2.2秒(3速)/3.1秒(4速)/4.4秒(5速)/6.5秒(6速)/9.2秒(7速)/13.2秒(8速)

70-90(113-145):3.1秒(4速)/4.6秒(5速)/6.8秒(6速)/10.0秒(7速)/14.3秒(8速)

80-100129-161):3.2秒(4速)/4.7秒(5速)/7.2秒(6速)/11.3秒(7速)/16.3秒(8速)

90-110145-177):3.5秒(4速)/4.8秒(5速)/7.5秒(6速)/12.3秒(7速)

100-120(161-193):4.9秒(5速)/8.1秒(6速)

110-130(177-209):5.3秒(5速)/8.7秒(6速)

120-140193-225):6.0秒(5速)

130-150209-241):7.5秒(5速)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温18℃
30-0マイル/時(48km/h):9.3m
50-0マイル/時(64km/h):24.1m
70-0マイル/時(80km/h):45.6m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.87秒

ライバルの制動距離

ポルシェ911カレラS PDK(2019年
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
30-0マイル/時(48km/h):7.5m
50-0マイル/時(64km/h):20.6m
70-0マイル/時(80km/h):39.8m

各ギアの最高速

1速:56.3km/h(6600rpm)
2速:95.0km/h(6600rpm)
3速:136.8km/h(6600rpm)
4速:188.3km/h(6600rpm)
5速:255.9km/h(6600rpm)
6速:296.1km/h(5996rpm)
7速:296.1km/h(4703rpm)
8速(公称値):296.1km/h(3880rpm)

8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1476rpm/1687rpm

結論 ★★★★★★★★☆☆

コルベットがミドシップレイアウトへ転換するという大改革は、多くの成果を生んだ。完成したのは、ハンドリングのいいスポーツカーだ。走りの楽しさでは欧州勢の中でも最上級の部類となるライバルすら超越し、ポルシェジャガーロータス、アルピーヌ、さらにはBMW Mと同じ土俵で戦えるものとなった。

このクルマクルマ付きを惹きつける要素は、なにもハンドリングばかりではない。プライスツーリングでのみごとなマナー、使い勝手、パワフルでエモーショナルなスモールブロックV8、そして、うまくスーパーカー的に仕立てられたルックス、などなど。

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結論:カリスマ性があり、実用的で、魅力的なプライスアメリカの象徴は、飛躍的なステップアップを果たした。    LUC LACEY

われわれはすでに、現実的な価格のドリームカーとして、C8コルベットオートカー・アウォードを進呈している。直線での速さは、この新型でも最大の財産だろう。しかし、それとV8エンジン以外にも、見るべきところはじつに多い。

パッケージングも運動性能も、根本的に改善されていると言っていいが、このクルマ独自の強烈な魅力や、走りの高い完成度を感じさせる場面がある。ドライバーを夢中にさせるという点では、シンプルだが有意義なやり方をみせる。もはや、700ps級のスーパーカーのも煩わされることはないレベルだ。

待ちに待った右ハンドルコルベットが英国上陸を果たしたのは、じつに歓迎すべきことだ。願わくは、このアメリカスポーツの象徴がいつまでも英国市場を去らずにいてもらいたい。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

このコルベットは個人的に、ツアーモードで走るのがベストだと思う。コーナーに入ると、一瞬の間を置いてリアの外輪に重量が乗るのが感じられ、それからデフがロックアップする。そこからアペックスを通り過ぎると、シャシーは旋回し、物理法則に身を任せる。すばらしい動き方だ。

リチャード・レーン

個人的な見解だが、C8のデザインは普通すぎると思う。ジェット戦闘機のようなエクステリアに、ウイングのようなステアリングホイールのスポークは、新鮮さに欠ける。しかし、全開で駆け抜けるときのサウンドを耳にしたら、好きにならずにはいられない。

オプション追加のアドバイス

おすすめは3LTクーペで、標準装備のGT2シートはそのままに。1580ポンド(約26万円)のノーズリフターはつけておきたいが、カーボントリムは追加しなくていい。おすすめのカラーハイパーソニックグレーで、650ポンド(約11万円)のレーシングストライプもほしいところだ。

改善してほしいポイント

ドライビングポジションはもっと低く。
・ギアボックスの制御は改善を。Dレンジでやたら変速したがるところは是正してもらいたい。
・外観がちょっとコミカルな感じなので、もっとリファインして、伝統あるアメリカの象徴的スポーツカーにふさわしく仕立てほしい。


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