2018年4月の深夜、瀕死状態の仔猫を発見した「仔猫を拾ったので(@konekowohirotta)」さん(以下、飼い主さん)。当初は体も冷たく衰弱していた仔猫(のちにティチャラくんと命名)が、危機を乗り越えてすくすくと成長していく様子をTwitterで発信している。体も大きくなり猫としての生活も安定してきたティチャラくん。拾われてから751〜1290日目の1年半年の期間を振り返ってみよう。

【猫画像】キジトラと黒猫が寄り添う最期の姿

■仔猫を拾って1120日目。先住猫のキジトラが亡くなった

【仔猫を拾って1120日目。先住猫のキジトラが亡くなった】

もともと仕事の都合で別居をしていた飼い主さんと配偶者さん。飼い主さんは黒猫のティチャラくんと、配偶者さんはキジトラの信玄くんとそれぞれ暮らしていたがティチャラくんが生後7ヵ月頃に同居を再開。その後飼い主さんが里帰りしたり、3歳児くんが産まれたり1歳児ちゃんが産まれたり新居に引っ越ししたりと、なにかとバタバタしつつもティチャラくんと信玄くんはお互いに寄り添い、家族と共に仲良く過ごしていた。

しかし2021年5月、ティチャラくんが3歳の誕生日を迎えて3週間後の早朝、信玄くんは突然倒れ、そのまま数分程度で亡くなってしまったという。信玄くんは膀胱炎になりやすい体質だったが、療法食を与えたり定期的血液検査を受けたりして、健康にも気をつかい大きな持病もなかった。飼い主さんが心臓マッサージを、配偶者さんが泣きながら人工呼吸をしながらなんとか呼び起こそうと手を尽くしたが、そのまま穏やかな顔で眠っていったという。

飼い主さんは亡くなる数時間前にもティチャラくんと信玄くんの2ショットを撮っていた。夕飯もしっかり食べ、いつも通りの表情で就寝前のおやつを待つ姿はとても愛らしい。

■目を丸くしながら、なかなか近づこうとしないティチャラくん

信玄くんとの突然の別れは、ティチャラくんにとっても飼い主さん一家にとってもショックが大きかった出来事。飼い主さんは信玄くんについて、当時のことを振り返ってくれた。

「信玄が亡くなる瞬間、痙攣することもなく、よだれを垂らすこともなく、本当に綺麗に眠るような表情で息を引き取っていきました。死後検査をして心筋症の疑いがあるということは分かりましたが、明確な理由は分かりませんでした」

また、ティチャラくんの様子については「信玄が亡くなったとき、亡骸のそばで配偶者がティチャラに『信玄だよ』と声をかけていましたが、ティチャラは近づくことも寄り添うこともなく、遂にはシャーッと威嚇していました。嗅覚が鋭いが故に、信玄の死後体臭が徐々に変わっていくことが悲しくて、怖くて、とまどったのかなとも思います」

「初日は少しご飯を残していたのですが、翌日にはご飯もしっかり食べてくれていました。信玄と過ごす時間が無くなったからなのか、いつもより引っ付いてきたり、後をつけてきたり、少し甘えん坊が増していたかもしれません。最後にキジトラの亡骸が入っていたキャリーケースを洗って置いていた時、ティチャラがいつものごとくキャリーケースに入り込んでしまって。その場所好きだよね〜と覗いたら、中で粗相してしまっていました。普段はそんなこと絶対にしないし、トイレトレーニング以外での粗相は初めてだったので、その出来事はよく覚えています」と、語ってくれた。

体を寄せ合い共に過ごしていた相棒猫が突然の死を迎えていなくなったため、ティチャラくんも動揺していたのかもしれない。

生後2ヵ月頃に拾われ、腕の麻痺がありながらも治療とリハビリによって回復し、皆から一目置かれながら可愛がられてきた信玄くん。ティチャラくんにも子供たちにも優しかった信玄くんは、きっと今でも、空の上から飼い主さん一家を見守ってくれているのではないだろうか。

飼い主さんが庭で畑作業をしていると、ドア越しに2匹の熱い視線が