吉田修一の同名小説を原作とし、5人の若者たちのルームシェアの経過とその行方をそれぞれの視点から描いた舞台『パレード』に、STU48石田千穂が出演する。


グループでの活動から離れ、単独での舞台出演は初。田舎からトラックで上京し、若手人気俳優からの電話をテレビの前で待ち続ける女性・大垣内琴美役に抜擢された。


アイドルとは異なる面を多く持つ琴美に、似ている部分と尊敬する部分を感じたという石田。今作への意気込みを語ってもらうと共に、女優業の展望や憧れの人物などについても聞いた。

「1人で挑むのは初めて」舞台への意気込み


──まずは今作への出演が決まった時の心境を聞かせてください。


STU48のメンバーと一緒に舞台に出演したことはあったんですが、1人で挑むのは初めてなのですごく嬉しかったです。新国立劇場という、私でも聞いたことあるような有名な場所に立たせていただけるなんて光栄でした。


──2020年に事務所をツインプラネット内の女優・俳優セクションであるワイルドプラネットに移籍されました。いよいよ本格的に女優業が始まるわけですね。


はい、これから演技にも挑戦していきたいなと思っています。


──今作にはどんな印象を持ちましたか。


舞台への出演が決まってから映画と小説を見させていただいたんですが、最初はすぐに内容が理解できなかったんです。でも何回か見ていくうちに、現実でも起こりうるようなことがこの『パレード』ではリアルに描かれているんだな、と怖さを感じたりするようになりました。内容がリアルな分、私も舞台上でリアルに表現できるように頑張ろうと思いました。


アイドルになって判明した“得意なこと”


──現在はどんな準備をしているのでしょうか。


いただいた台本を、移動中などにひたすら読みながら過ごしています。長いセリフがあるので、まずはそこから覚え始めました。


──記憶力には自信はあるほうですか?


学生時代のテストなどでの記憶力は全然ダメだったんですが、アイドルになって、ファンの方の顔とかファンの方が言っていたことを覚えるのは得意なことが判明しました。でも文字を覚えるのはあまり得意ではないです...(笑)。


──今はどうやって台本を覚えているんですか?


データで台本をいただいたので、画面にちょっとずつセリフを出して、覚えているか確認しながら取り組んでいます。まだまだなので、これから頑張ります!


役柄への思い 自分に似ている部分も


──石田さんが演じる琴美はアイドルとは違う部分も多い役柄かと思いますが、どんな役だと感じましたか? 


自分の意思をちゃんと持っている人だと思いました。ふわふわしているようにも見えるけど、よく知らない人のトラックに乗って、東京まで来てしまう行動力は尊敬できます。私も「のんびりしているように見えるけど、意外と意志を持っているよね」と言っていただけることがあるので、そこは似ている部分なのかなとも思います。


けど、琴美は初めて会った人にでも気軽に話せるというか、得体の知れない男の人を急にパチンコに誘ったりするので、そこは自分じゃ考えられないです(笑)。私は人見知りなので、誰にでも話しかけられるところも尊敬しますね。


──今回の作品が決まって、他の舞台なども見てみましたか? 


それまでは舞台を見たことがあまりなかったので、どういう雰囲気なのかを学びたくていろんな舞台に足を運んでいます。


──映像作品とはやはり違うんでしょうか。


映像だと顔がアップになったり引きになったりするけど、舞台だと遠くのお客さんにも伝わるようにするためにどうしたらいいんだろうと思っていたんです。ボソボソと喋るようなシーンもあるけど、そのまま本当にボソボソと喋ったら聞こえない。声の出し方から全然違うんだなと感じました。

岡田奈々にもらったアドバイス


──舞台の経験者からアドバイスをもらったことなどはありますか?


STU48で今はAKB48岡田奈々さんがいろんな舞台に出ていらっしゃるので、舞台が決まった時には岡田さんに「決まったんですよ!」と報告しました。「初めて共演する方ばかりで最初は緊張すると思うけど、時間が経てばお話できるようになったり、仲良くなれるから心配せずに挑んでね」と言っていただきました。


──先ほど石田さんは人見知りとおっしゃっていましたが、普段新しく出会った方たちと関わる時に意識していることはありますか?


それは、時間が解決してくれます。まだ直接お会いしていないんですが(取材時)、今回共演する矢島舞美さんとリモートでお話しする機会があったんです。矢島さんはすっごく優しいお方で、一気に不安な気持ちが薄れて、安心感が芽生えました。


──グループに新メンバーが加入する際などはどのようにしていますか?


今までは自分から仲を深めていくことは得意ではなかったんですが、後輩が入ってきてからは、「自分からいけるようにならなきゃ」と思って頑張っています。


憧れは長澤まさみ「眺めたいです(笑)」


──女優として、今後挑戦してみたい作品などはありますか?


映像のお仕事も、舞台のお仕事もたくさん挑戦したいと思っています。私は学生時代をほぼアイドルとして過ごしてきたので、文化祭とか体育祭とか、そういう経験が全くないんです。お仕事を通して学校の行事を体験できるようなお芝居ができたらうれしいですね。あとは自分が今後体験できないような役もやってみたいです。学校の先生とか、お医者さんとか。


──憧れの女優さんはいますか?


いっぱいいますが、映画『キングダム』で見た長澤まさみさんはすごい迫力でした。原作はあまり知らなくて友達に誘われて見に行ったんですけど、作品の中で長澤さんが仮面を取った瞬間が美しすぎて。本当にすごかったです。


──もし会えるとしたら、なにか聞いてみたいことはありますか?


休みの日は何をしてるか聞いてみたいです。


──演技のお話じゃないんですね(笑)。


眺めたいです(笑)。


──では最後に改めて、今作を楽しみにしてる方にメッセージをお願いします。


初めての舞台で、すごく緊張していますが、後半になるにつれて「こういう意味だったのか」と伏線を回収していくストーリーを楽しんでいただきたいです。今回、センターステージということで、どの角度から見ても全ての方にちゃんと伝わるような演技ができるように頑張りますので、よろしくお願いします!


取材・文・撮影:山田健史


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