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6月29日、菓子メーカーの東ハトは「キャラメルコーン」「ポテコ」などを平均10.6%(8月29日売分から)、日清製粉ウェルナはパスタなど冷凍食品を平均9%(9月1日納品分から)値上げすることをそれぞれ発表した。

総務省によると5月の消費者物価指数は前年同月比プラス2.1%、物価の高騰が続いている。

’21年の家計調査報告では、2人以上世帯の全国平均の食費は月7万9401円。物価上昇によって今年の食費は月約1667円増える計算に。ただ、購入頻度の高いパンやレトルト食品などの加工品ほど価格が上昇しているため、体感的には4000~5000円増えているのではないかと思います。原油価格の高騰や小麦などの原材料の値上がり、円安による輸入品の高騰、そこにウクライナ情勢が加わった“トリプルパンチ”が家計を直撃しているのです」

そう語るのは、節約アドバイザーの丸山晴美さん。

この家計危機を前に活用すべきサービスがあると丸山さんは話す。

「最近、賞味期限前に処分されてしまう食品を、定価よりも安く買える通販サイトが充実してきています。そういった『ワケアリ食品』を活用することで食費の値上げ分をカバーすることができるのです。同時に、フードロスの削減にも貢献できます」(丸山さん)

そこで、日本初のフードロス削減に貢献する通販サイトであり、業界最大手でもある「クラダシ」に話を聞いた。

「賞味期限内にもかかわらず、スーパー等で販売できなくなった商品、パッケージやラベルにキズがついた商品など、味や品質には問題がないものの、処分の対象となる商品を買い取るため、最大で定価から97%オフ、平均60%オフで販売できるのです」(広報担当者)

相次ぐ値上げと同時にSDGs持続可能な開発目標)のフードロスへの関心の高まりもあり、利用者数は年々増加しているという。

「クラダシでは、この1年で会員数は昨年比2.2倍増の約34万人に。利用者は40~50代の女性が多く、『値上げされたうどんが60%オフで購入できるからありがたい!』『安いので値上げ前にまとめ買いをしたい』という声もいただいております」(広報担当者)

そんないま大注目の“ワケアリ食品”サービス。そこで丸山さんに、お得なサービスを紹介してもらった。

「たべるーぷは、形が不ぞろいだったり、コロナ禍で余ってしまった野菜や果物などをお得に購入できます。産地直送で、お米がとくに安いですね。また、5月時点で平均524円/キロに値上がりした玉ねぎも、8キロで2400円と1キロあたり300円。かなり安く手に入るのです」(丸山さん)

■高騰中の「パン」をお得に購入できるサービスも

今年に入ってすでに2度の値上げが発表された「パン」をお得に購入できるサービスも。

「閉店後まで売れ残り、廃棄せざるをえない“ロスパン”を、焼成当日に冷凍し、詰め合わせたセットにして送ってくれるのが『リベイク』というサービス。合計3000円相当の商品が2000円で購入できたりと、全国各地のおいしいパンを取り寄せられると考えれば、お買い得感があります」(丸山さん)

■「ワケアリ食品」注目サービス7(※価格はすべて税込み)

KURADASHI(クラダシ)】

日本最大級で、平均約1000種類のワケアリ商品を販売。大手メーカーのレトルト食品から地域限定のお酒、野菜まで定価から最大97%、平均60%オフに。プレミアム会員(月額550円)になると何個頼んでも送料が無料に。

〈商品例・ツナサラダ80%オフ〉:ヤマザキ「れんこんごぼうのツナサラダ」90g/8769円 → 1779円(1個あたり44円)

【tabeloop(たべるーぷ)】

農家や漁師、食品メーカーなどが、規格外の野菜や定置網漁で取れた未利用魚などを格安で販売。生産者から直接購入でき、野菜や果物などの生鮮食品が豊富。600以上の商品を掲載しており、市場価格の半額以下の商品も多数。

〈商品例・玉ねぎ20%OFF〉淡路島産玉葱8kgM~2Lサイズ/3000円 → 2400円

【rebake(リベイク)】

全国各地のパン屋さんで閉店後まで売れ残り、食べられるのに捨てざるをえない「ロスパン」のセット(冷凍)を平均30%オフで販売。内容はおまかせで80サイズの箱(2~4人用)に18個前後のパンがぎっしり入って2000円。

〈商品例・パン詰め合わせ30%OFF〉:NORAのこだわりパン おまかせセット/3000円相当 → 2000円

【junijuni(ジュニジュニ)】

東京ガスがスポンサーについており、賞味期限間近のおつまみが63%オフ、有名メーカーのまぐろ缶が40%オフなど商品の種類も豊富。加工品が多く、ドレッシング1本からでも購入できる。3980円以上購入すると送料は無料。

〈商品例・しょうが焼きのたれ48%OFF〉:エバラ食品「生姜焼のたれ」(4個)230g/907円 → 480円(1個あたり120円

【WaKeAi(ワケアイ)】

’20年10月、コロナ禍支援でスタート。約1000種類を掲載している。78%オフの北海道産ホルモンや、34%オフの高級コーヒー豆が人気で、佐渡島産黒豚しゃぶしゃぶ用セットなど地域限定の商品も豊富。送料無料の商品もある。

〈商品例・国産ホルモン78%OFF〉:十勝恵牛ホルモン250g(塩だれモツ鍋250g+スープ付きor味噌だれショウチョウ250g)/880円 → 198円

【もったいない市場】

品質には問題ないが賞味期限が過ぎるとすぐに処分されてしまう“もったいない”を救うサイト。賞味期限が過ぎたものもあるが、職員が試食し安全と判断されたものだけを販売。定価400円の鍋スープ(3人前)が30円と格安。

〈商品例・唐揚げ75%OFF〉:冷凍から揚げ甘酢あん100g/400円 → 100円

■食品ロスを削減するサブスクも人気

【ロスゼロ】

日本初の食品ロス削減のサブスク「ロスゼロ不定期便」が人気。1万円相当の商品が、送料込みの5000円で2カ月に1回届く。海外のお菓子や、保存が利くレトルトご飯、お茶や調味料などさまざまな商品が、平均3~5kg入っている。

〈商品例・食品の詰め合わせ50%OFF〉:ロスゼロ不定期便 1万円相当 → 5000円

ただし、安いからといって飛びつくのは禁物ーー。

「ふだん食べているものを安く購入すれば食費を抑えられますが、それ以外は、無駄な出費になることも。基本的にはスーパーで購入している商品を見比べるように。嗜好品のお菓子やお酒は予算を決めて購入しましょう」(丸山さん)

サービスを利用する際、見落としてはいけないのが、送料と合わせて計算することだという。

「商品自体はお得に感じても、送料を加えると割高になる場合が。量や個数が多い場合もあるので、友人や親戚などと分け合う、共同購入もおすすめです」(丸山さん)

■季節の変わり目はお得な商品が増える

くにお得な商品が並ぶのが、季節の変わり目だと教えてくれたのは前出のクラダシ広報担当者だ。

「“夏季限定”のパッケージやバレンタイン、ハロウィンといったイベント限定商品は時期が過ぎると入れ替わるため“ワケアリ商品”としてサイトに並ぶお得な商品が多くなります。また、賞味期限が短いものほど、価格が安くなる傾向にありますね」

最近は、ワインやお菓子などの詰め合わせが届く“ワケアリ食品のサブスク”も人気。

「宝探しのような感覚で楽しめ、外食するより安いという考えもできます。円安で割高の輸入品はお得かつ、なかなか海外に行けない今、節約しながらも、リッチな気分を味わえます」(丸山さん)

フードロス削減に貢献しながら、おいしく、お得に、節約しよう!