今月初めキルギスの天山山脈で、トレッキング中に雪崩を撮っていたインスタグラマーが雪の大波に飲み込まれた。
奇跡的に生還したものの「雪崩をなめてた。逃げるまもなく死を覚悟するしかなかった」と語る男性の戦慄体験とは?
映像は雪崩に巻き込まれたハリー・シミンさん自身が今月7日に投稿したもの。
仲間とキルギスの天山山脈でトレッキングをしていたハリーさんは、崖の上から遠くの山で発生した雪崩を撮影していた。
まるで怒涛のごとく斜面を流れる大量の雪。
轟音としぶきのような雪煙を上げて山肌を下っている。
ハリーさんはその景色にくぎ付けだった。
が、次の瞬間。
え…ウソ…だろ?
もはやズームで眺めるまでもない。
[もっと知りたい!→]白線の内側まで下がってても無理。駅のホームで列車よりも気を付けなくてはならないこと
気づけば勢いづいた雪の大波が目前に迫っていた!
もう間に合わないのか!?
飲み込まれる!!
視界が揺れて暗くなり、降り積もる雪の音がザラザラと響く。
岩陰に飛び込んだハリーさんの体にも雪がかかっているようだ。
もはやどこまで埋まったのかもわからない。うまく脱出できればいいが…
ハリー・シミンさんがとらえた雪崩
尋常ならざる雪崩のスピード。震えながら死を覚悟
山歩きが好きなハリーさんは当初、高い崖の頂上に着いたばかりで周りの景色を撮っていた。
その最中に氷が割れる音が聞こえ、向かいの山で雪崩が発生した。それでも高所にいる自分は安全で距離も充分あると思い、避難所に行かず撮影に没頭したそうだ。
ところが尋常ならざるスピードで迫る雪から逃げるまもなく死を覚悟することに。それでもどうにか助かったハリーさんは以下のように語っている。
私がいた場所は避難所のすぐそばだったので、その気になればいつでも逃げ込めると思っていました。「1秒あれば余裕だ」ってね。今は危険な行為だったと思っているし、安全のためにもっと早くに避難すべきだったと感じています。
その時はうまく逃げる自信があったんです。でも雪に埋もれてしまいました。すぐに呼吸が困難になり震えながら死を覚悟しました。
雪崩に飲まれた瞬間は岩場の陰にいましたが、いきなり猛吹雪に突っ込んだようでした。アドレナリンが大量に湧き出す感覚がありました。
結果的には雪に軽く覆われただけで無傷で生還でき、雪崩から遠ざかっていた仲間とも合流できました。
切り傷を負った軽症者が2人いたが、あと5分違えば生還すら叶わなかっただろう。全員が生きて再会できた強運に喜び、ハリーさんも涙が出るほどうれしかったそうだ。
その後、ハリーさん一行は、予定していたルートが雪崩で覆われてしまったため、足場の悪い道をたどってトレッキングを終えたという。その道はきつく山の景色を楽しむどころじゃなかったそうだ。
海外勢も騒然。雪崩の怖さを再認識
その恐怖を伝える投稿は海外掲示板でも話題にのぼり、こんなコメントが殺到した。
この件に関する海外の反応は...
・あんな遠くからだと途中で止まると思ったのに。とんでもない勢いで雪が迫ってくることに驚く。
・雪崩はガチで速い。あの規模ならどんどん加速されて慣性の力も上がってくからね。
・死んでもおかしくないな。
・雪崩に追い越されることはあっても逃げ切るのは無理。
・岩場があったから助かったのかも。走って逃げたら死んでた可能性。
・でこぼこした場所で空間が確保できたのが幸運だった。
ちなみに雪崩に遭遇したらその流れから遠ざかる向きに逃げたり、万一に備えて手やモノで息が確保できるようにしておくと助かる確率も上がるそうだ。
充分に気をつけていたつもりでも頭のどこかで雪崩を軽く見ていたというハリーさん。これからは雪崩を見たら真っ先に避難しそうだな。
References:unilad / reddit / instagramなど /written by D/ edited by parumo
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