夏は暑いから冷やすでしょう!え、温めたほうがいい?アーユルヴェーダの教えでは、こうなのです。

「火」の季節だから冷やす?

アーユルヴェーダについて知りたいと思った人の多くが、最初に直面するであろう「体を冷やさないようにする」というアーユルヴェーダの基礎知識。日常的に白湯を飲む人も随分と増えてきましたし、アーユルヴェーダでなくても、体は冷やさないほうがいいらしいという知識が至る所に広がってきました。

とは言え、アーユルヴェーダ的には、夏、「火」の特性を持ったピッタの季節の到来です。果たして、この暑さの中、体は「冷やす」べきなのか「温める」べきなのでしょうか?アーユルヴェーダの本質に迫って、考えていきたいと思います。

アーユルヴェーダで「体を冷やさない」理由

最初に、アーユルヴェーダ考える「体を冷やさない」という基礎知識。 これは、ある意味においては正解ですし、アーユルヴェーダを実践していく上で、真っ先に気をつけるべきポイントでもあります。

なぜなら、アーユルヴェーダでは、アグニ(消化の火)の状態を、非常に大事な要素の一つとして考えているからです。

体が冷えると、アグニの力が弱まり、消化力が落ちます。消化力が落ちると、さまざまな不調が出るのと同時に、オージャス(活力)というエネルギーを作り出すこともできません。だから、体を冷やさないようにする、と言うわけです。

消化力を落とさない程度に

ただし、アーユルヴェーダには、他にも気をつけるべき重要なポイントがあります。バランスです。熱くなりすぎた時は、冷やしてあげる必要があるし、冷たくなりすぎた時は、温めてあげる必要があります。要するに、「熱くなりすぎたら、冷やしてあげる。消化力を落とさない程度に」というのが正解なのです。

「冷やす」というよりも、「熱さを取り除く」というようなイメージが理想です。酷暑の中、キンキンに冷えた刺激だらけの飲み物をがぶ飲みして冷やすのではなく、まずは、ひと呼吸してから、ゆっくりひと口飲んでみて下さい。心も体も落ち着いて、適度な水分補給ができる状態になっているはずです。

夏は体を冷やすべき?それとも温めるべき?夏を過ごすアーユルヴェーダの知恵