(公社)近畿圏不動産流通機構が7月19日に発表した2022年4~6月期の近畿圏の中古マンション成約件数は、4,348件(前年同期比マイナス1.2%)と2期連続で減少しました。市場の売り出し(新規登録)件数は13,199件で、需給を示す成約に対する新規登録物件の件数倍率は3.0倍とほぼ横ばいでした。
成約価格は2,648万円(前年同期比プラス7.1%)と8期連続で上昇し、成約件数が減少する中で価格の上昇傾向が続いています。売り出し(新規登録)価格は2,673万円となり前期比で3.4%上昇しました。新規登録に対する成約物件の価格乖離率はマイナス0.9%と、市場で流通する平均的な売り物件とほぼ同価格の中古マンションが取引の中心となっている様子がうかがえます。

中古戸建住宅の成約件数は2,704件(前年同期比マイナス4.4%)と2期連続で減少しました。新規登録件数は8,405件で、成約に対する新規登録物件の件数倍率は3.1倍と中古マンションと同様の需給水準でした。成約価格は2,269万円(前年同期比プラス10.2%)と7期連続で上昇し、中古戸建も取引が減少する中で価格の上昇基調に変化はありません。新規登録価格は2,608万円で新規登録に対する成約物件の価格乖離率はマイナス13.0%に縮小し、相対的に高額な戸建を求める動きが続いています。

足元では物価上昇の動きが顕著となっていますが、23年以降は物価上昇率が再び低下する見通しで、不動産市場を下支えする日銀の低金利政策は現総裁任期の来春まで継続される公算です。ただ、先行して金融引き締めに動く欧米との金利差などから金利上昇懸念が高まっています。取引が軟調に推移する一方で価格の上昇基調に変化はなく、価格や金利の動向が中古住宅市場本来の値頃感を求める需要に与える影響を注視する必要性が高まっています。

配信元企業:公益社団法人近畿圏不動産流通機構

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